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夢恋城へ…ようこそ…

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王子達のsecret mission~26~アンジュ~

Category - 番外編
扉の向こうは特別に煌びやかな世界だった

さっきまでプリンセスの方々とお話ししていた場所なのに

いつもと違う正装したゼンさんに手を引かれていると全然景色が違った

そう言えば…ゼンさん、どうしてタキシード?

他の人とは少し違う

全身真っ黒だ

黒のブラウス

黒のタキシードスーツ

…すごくかっこいい…

ブラウスの襟元がヒラヒラしているのがちょっとエドワード様チックかな

全身真っ黒で、でもすごくいい生地で

胸元のタイピンは紛れもなく本物のダイヤモンド

その周りを装飾しているのもプラチナと細かいダイヤモンドだと思う

そんなシックなのに豪華なこだわりはキース様っぽい

「さすがに女の子だね。よく見てる」

ゼンさんはふっと笑うと私の手を引いてホールの中心へと向かう

「あの…ゼンさん、こんな事している場合じゃ…」

無職になったって言ったゼンさん…

キース様やウィル様に逆らった

何となく罰せられる雰囲気じゃないけど

でも余裕のある状態でもないよね?

「アンジュは無職になった俺は嫌いか?」

ううん…

私は間髪入れずに首を振った

「私は執事のゼンさんを好きになったわけじゃないです…ゼンさんが好きだから…仕事は関係ないです」

「…ありがとう」

ゼンさんはゆっくりと腰に手を回して音楽に合わせて私をリードして踊り始めた

私もゼンさんに体を預けた

「ゼンさんが無職でも私が働けば、節約したら食べていける…と思うし、あ、まだちょっとだけ貯金もあるし…その…」

だから

だから一緒に…

「ストップ…それ以上は女の子に言わせられないよ」

「え…」

ゼンさんは私の頬をそっと撫でた

「今夜起こった多くの出来事で、俺はいかにアンジュが好きか…どれだけアンジュがいないとダメかわかった」

優しいグリーンの瞳がいつも以上に優しい

深い深い湖のようで…

「仕事一筋だった俺に人の心を取り戻させてくれた…嫉妬や独占欲などという縁のなかった感情を目覚めさせてくれた…こんなにも渡したくないものがこの世にあるなんて…」

ゼンさんは逸らす事なくずっと見つめてくれる

「だから…アンジュ」

突然ゼンさんが私の前で跪いた

音楽が自然とフェードアウトしていく

照明がパッと消えて…

ゼンさんと私にだけスポットライトが当たった

私は頭が真っ白になってただ跪くゼンさんを見下ろしていた

その私の手をゼンさんがそっと取った

「俺は…アンジュを幸せにできないかもしれない…」

真剣な眼差しが下から私を見つめる

ちょっと震えてる繋がれた手が熱い…

心臓がドレスを破って飛び出しそう

けれど私もゼンさんを、ゼンさんだけを見つめ続けた

「俺はアンジュを幸せにできないかもしれない…」

ゼンさんはもう一度言った

「しかし…絶対に不幸にしない」

はっきりとした口調で彼は告げた

「結婚してほしい…」




それは待っていた言葉

やっと言ってくれた意思表示…

『そばにいてほしい』

『ずっと一緒にいよう』

それとは意味が違う

本当のプロポーズ…



「…はい」

私は涙で霞む目をまばたきでごまかしながらコクりと頷いた

ふと気付くと私はゼンさんの腕の中に包まれていた

暖かくて力強い腕…

胸に押し当てた所から弾ける程速い心臓の鼓動が伝わってきた

ゼンさんも緊張してたの…?

ギュッと背中に抱きつくともっと抱き締めてくれた

パチパチ…

小さな拍手が起こり、それはやがて大きな拍手に変わった

「アンジュちゃんおめでとう!」

真っ先に声を上げてくれたのはロベルト様

「ったく…プロポーズぐらいもっとすんなりとだなぁ…」

「ジョシュアだって手間取っただろ?」

言葉に割に口調は暖かいジョシュア様と、柔らかなグレン様の声

「ゼンでこれならクロードは…」

呟くウィル様に誰も返さず…

「…エドワード!お前が泣いてどうする!」

呆れたキース様の声とすすり泣く声

ゼンさんの胸に包まれたまま幸せな祝福の声に包まれる

「まだこれで終わりじゃないぞゼン」

キース様の声にゼンさんが顔を上げたのがわかった

「お前、アンジュの実家に挨拶に行くって言いながらすっぽかしたらしいな」

すっぽかした訳じゃない…お仕事が忙しかったから

「今を逃したらもうないぞ!リューク!」

キース様が顎で示すとすぐにリュークさんが横に付いた

「ここから一番近いシャルル国際空港にリバティのキース様専用機を待機させてあります。アンジュさんのご実家までの往復分の燃料は積んでございます。空港まで私がお送り致します」

……

……

唖然として私はゼンさんを見上げた

その様子を見てリュークさんはふっと笑顔を向けてくれた

「もうミッシェル城の執事ではないのですから仕事は考えなくていいのでは?時間はたっぷりありますよ…また雇われるまで…ね」

「リューク!余計な事を言うな!」

キース様に怒鳴られてもリュークさんはニコニコと笑顔のまま私達に道をあけた


~つづく~

Category - 番外編

3 Comments

K  

タキシードに着替えている時の心情がますます楽しみです(*^.^*)

ヒラヒラをどう思っているのか(* ̄m ̄)ププッ

2014/05/17 (Sat) 15:43 | REPLY |   

chika  

怖いのは全身薔薇柄…(笑)

2014/05/16 (Fri) 22:05 | REPLY |   

yc  

あ、よかった…。
軽くフリフリ入ってるくらいなのね♪(*´ー`*)
エドワードデザイン、ちょ~と心配してました(笑)
キースが阻止してくれたのかな?ヒラヒラフリフリ。

2014/05/16 (Fri) 21:20 | REPLY |   

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