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海の彼方から…王子×ショコラティエ part.40

真鈴様の回復を喜んでいると不意に一吹さんの携帯が鳴った

なんだろう?

何かあったかなって一吹さんも首を傾げながらディスプレイを見る

「浅葱さん…?」

一吹さんは急いで通話ボタンを押した

「もしもし…はい、はい。ええ、そうです…えっ?」

一吹さんの声に緊張が走った

「そんな…全くそんなはずは…ええ。あり得ません!違います」

どうしたの?

一吹さんの眉間に皺が寄る

「わかりました。帰国次第対処します」

そう言うと一吹さんは通話を切った

「何かあったのか」

いつしか仁さんも三斗希君も潤君もそばに来ていた

一吹さんはチラッと周りを見回し、今は王子様達がそばにいないことを確認した

「浅葱社長が…今、レ・クランの噂が巷に広がっていると教えてくれた」

「…なんの噂だ?」

仁さんの声が1トーン低くなる

「レ・クランが今店を休業しているのは納入したケーキで食中毒を起こして保健所から検査が入っているからだって…」

「食中毒!?」

三斗希君が目を見開く

それは全員だった

「そんなの嘘じゃん!本当に食中毒を起こしたなら俺達に連絡がくるはずだろ?」

潤君が鼻を膨らませて怒る

確かにもし事実なら店への電話は一吹さんの携帯に転送される事になっている

そんな電話は1回もなかったはずだ

それはもちろん一吹さんもわかっている

「…どこで食中毒を出したって話だ?」

仁さんは冷静に一吹さんに向かい合う

こういう時、間違いなく一吹さんの右腕なんだと思う

「M.O.Fホテルだ…」

…M.O.Fホテル

あの…令嬢の

「ならもっと有り得ない話だ!あそことは取引を辞めたんだから大体納入すらしていない!」

「けれどそれをお客さん達は知らない」

一吹さんは努めて冷静に、落ち着かせるようにゆっくりと私達を見回した

「前にM.O.Fホテルで俺達のケーキやショコラを食べた人は、まだあると思うだろう。無くってもたまたまその日はなかった位にしか思わない…取引停止の情報なんて表には出ないよ」

そう…だよね

レ・クランとよく似たケーキがウィンドウに並んでいたって、それがレ・クランのケーキじゃないと気付く人は少ない

だからM.O.Fホテルのケーキで食中毒が出たと言われて、それをどこの店のかと断定はできないはず

「意図的に噂を流さなきゃな…」

仁さんが小さく舌打ちする

あの令嬢が意図的にデマを流してるって言うの?

「俺、ホームページ覗いてくる!きっと書き込みがあるはずだよ!」

潤君が動き出す

「どうかしたの?」

不意に声を掛けられて振り向くと、ジェシカさんが訝しげにこっちを見ている

一吹さんは一瞬迷ったように視線を宙に浮かしたけれど、ジェシカさんに今の話を伝えた

「ふ~ん…」

ジェシカさんは形のいい顎に手を添えて首を傾けると、会場の隅にいた1人のメイドさんを呼んだ

「潤君、この子を連れて行って。きっと役にたつから」

そう言ってにっこりと微笑んだ

「えっ?メイドちゃん付き?」

この緊急事態にもかかわらず顔がにやけている

「お手つきはダメよ~ダメダメ󾬏」

「わかってるよ~」

ジェシカさんに頭を撫でられて潤君はスキップするようにメイドさんと一緒に会場を出て行った

「何をさせる気ですか?」

一吹さんの声にジェシカさんは妖艶に微笑む

「Elle est professionnel de hacher.Les sources d'information sont decouvertes dans le scintillement d'un oeil.」

フランス語かな…

ジェシカさんが流暢に一吹さんに話すと、一吹さんの目が見開いた

なんて言ってるんだろう

聞き取れない

フランス語なんてわかんないってば!

「《彼女はハッキングのプロだから、あっという間に情報源を捜し当てる》って…」

一吹さんが通訳してくれた

…一瞬意味がわからなかった

ハッキングのプロって?

誰が?

「ただ可愛いだけのメイドを採用したわけじゃないんですよ。王家の為に役立つように育ってくれる優秀な子じゃないと…ね。私好みかどうかは二の次です」

いつの間にかジャンさんが後ろに立っていた



~つづく~

Category - 王子×ショコラティエコラボ

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