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海の彼方から…王子×ショコラティエ part.43

王子様方が別室に移られた後、いつしかお開きとなり私は一吹さんとの部屋に戻っていた

誰もいない1人きりの部屋…

葵井家と違って顔が見えなくても人の気配を感じれる訳じゃない

いくら豪華な部屋で何でもあっても

一吹さんがいなきゃ『無』

色も音も匂いも何も無いんだなって

カラカラの心と体が訴えていた

それでも一吹さんが一吹さんとして戦ってくれている

仁さんの言葉が崩れそうな心を支えてくれている

私が気弱になってちゃいけない

一吹さんが強くいるために私を必要としてくれるなら

私はここにいよう

一吹さんが微笑んで帰って来れるように…





一吹さんが戻って来たのはそれから暫くしてからだった

ちょっと疲れた顔をしていたけれど、私を見るといつもみたいな日だまりの笑顔で優しく抱きしめてくれた

「…お帰りなさい」

「うん…ただいま」

チュッと音がして額に唇が触れた

どうだったんだろう…

聞いていいかな?

一吹さんを見上げると大丈夫だよと微笑んでくれた

「M.O.Fホテルで食中毒が出たって噂は確かに出回っていたし、レ・クランのケーキが原因だって言われて、その問い合わせがホームページにいっぱい来てたよ」

そんな根も葉もない噂をあの令嬢は従業員に命令して広めさせたんだ

「それはHPに現在M.O.Fホテルに納入していない為事実無根だから、安心して当店のケーキを召し上がってくださいって書いたんだ…けどね」

…けど?

「潤のLINEに友達から連絡が入って…M.O.Fホテルは元々食中毒なんて出していないから、納入を断られた腹いせにレ・クランがデマを流してるって事にすり替わったんだよ」

なっ…!

ひどい!そんな言いがかり!

自分達で流しておいて一吹さん達のせいにするなんて!

「その情報収集と、またHP書き直しで時間がかかっちゃったんだ」

一吹さんはちょっとだけ溜め息をついた

それはきっと…私の会社にも連絡を入れて事態を収めようとしてたんだと思う

さっき優里から落ち着いてきたってメール来てたから…

一吹さんと編集長が話し合いしたんだろう

また何もかも一吹さんは背負ってしまう

止めてって言っても止めれない状況にしてるのは私なんじゃないか

そう思ったら胸が雑巾みたいに絞られた気がして…

ぎゅっと一吹さんにしがみついた

「…大丈夫だよ…」

一吹さんはそっと抱きしめてくれた


一吹と華恋



~つづく~

Category - 王子×ショコラティエコラボ

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