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夢恋城へ…ようこそ…

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ヤコフの回遊録~part1~

Category - 番外編
サンクト=シアベルの正式な王位継承1位となり、国内統一に大きく動き出した頃…

俺は他国を偵察するために海を渡った

新しい国作りをするのに固定概念に縛られていたらシアベルはいつまでたっても貧乏な雪国のままだ

近隣の、これから国交を結んで行きたい国を偵察してみたくなったのだ

「だったらオリエンスにすればいいだろ?なんでまた…」

俺の隣でセルゲイが何度目かの溜め息を付いた

「シャルルより合ってると思わないか?」

俺の言葉にセルゲイは肩をすくめる

「まぁな…シアベルに芸術が栄えるのはまず充分な食い物が国全体に行き渡ってからだな」

そうだ

シアベルにはまだそんな余裕はない

いかに短い日照時間と、雪のない日数の中で飢え死にしない食料を確保できるか

雪に閉ざされた冬の間にできる事は無いのか

それも効率よく、だ

それを先進国である近隣国で学んでみようと思い立ったわけだ

「一番先に出る飛行機がこの国行きだっただけだ」

「国王になろうって男が…もう少し計画性を持てよ」

またセルゲイが溜め息をついた

いずれ6カ国全部見るつもりなのだからどこから始めても構わないだろう

セルゲイは本当にうるさい

小姑みたいだ…

「もう!うるさいなぁ!オカン通り越して小姑じゃん!」

俺の声…じゃない

けど俺の心を代弁するかのようにすぐ近くから声がした

「私はオカンでも小姑でもございません。執事です」

「いいや!小姑!大姑!ロッテンマイヤーさん!」

「誰ですか?それは…」

「この前ロアと一緒に見た《アルプスの少女ハイジ》に出てきたうるさい教育係のオバサンだよ!そう言えばアルに似てるかもね~」

「オバサンに似てると言われても嬉しくありません」

「すっごくスパルタなんだよ!ハイジが夢遊病になっちゃうくらい」

「ではロベルト様は夢遊病になられましたか?」

「そんなのならないよ!毎日快眠さ」

「ではロッテンマイヤーさんとか言う方に似せる為にももっと厳しくしてよいということですね」

「へ?ご冗談を!」

「冗談?冗談を言って書類が片付くならいくらでも言わせて頂きます」

「鬼っ!」

「はい、鬼で結構でございます」

「悪魔!サタン!閻魔大王!」

「小姑より格上げしていただき光栄ですね」

「屁理屈!」

「では明日提出の議題を1件増やしましょう」

「無理!無理です!」

「やらずに無理とは何ですか!キース様ならすぐに片付けて頂ける量です!」

「キースと比べるのは反則!」

「はいはい、ペナルティもレッドカードも大歓迎です」

「人殺し~!王子殺し~!」

「後で蘇生して差し上げますのでご安心を」

「やだぁ!今夜のサッカーの試合、見に行きたい!」

「2時間でできれば行けます」

「徹夜しても無理なのに2時間でできるわけないじゃん!」

「できます!ロベルト様はやればできる子です!」

「26になって子供扱いするな!」

「大人は文句言わずにやる!」





…会話を聞いていて

まさかとは思うが





「写真で見た顔だ。アルタリア王国のロベルト王子だな」

さすがのセルゲイも唖然として背の高い執事だという男に引きずられて行くロベルト王子を見送った



俺がこのアルタリア国際空港に降り立って見た初めての光景だった


アルタリアは6カ国の中で一番小さい

当然生産量も少ないし、GDPも低い

しかし、国民が幸福だと思う幸福度が飛び抜けて高い国なのだ

貧しくはないが、決して裕福でもないアルタリアだが多くの国民が幸福だと感じている

それは俺がこれから参考にしたい部分なのだけれど…


「あの王子で…大丈夫なのか?」

俺の呟きにセルゲイも黙って首を傾げた

しかしそれは国内に入ってすぐにわかった

俺達の行く先々にロベルト王子の姿があった

「ロベルト様!この前はありがとうございました!」

「橋の修繕だっけ?先週の大きな地震に間に合って良かったね!」

「おかげさまでビクともしなかったですよ!助かりました!役所通すよりロベルト様に直訴したほうが早いもんな」

「うん!俺、頑張ったでしょー!」

いとも気安く道で一般国民と話している

「ロベルト様~!保育園の件はぁ?」

「うん!今、議案が通ったとこだよ!今年中に新しい保育園増やすからね!目指せ待機児童ゼロだから!安心してどんどん子供作っちゃって!」

「ロベルト様もね!」

どっと笑いが起きる

「子沢山の国王目指すよ!」

「じゃあ、これ持って行きな!」

ポイッとドリンクらしきものが投げ渡された

「なぁに?これ」

「アルタリア名物赤マムシドリンクだよ!夜眠れないぜぇ!」

「マジ~!?」

ロベルト王子はにかっと笑ったがすぐに隣の執事に取り上げられた

「これは徹夜でお仕事して頂く時に使用致しましょう。お預かり致します」

「ちょっ…!アル!返して!返せってばぁ!」

スタスタ歩く執事の後ろをロベルト王子が走って追いかけて行く

「なにやらずっとドタバタしてるな…」

「これがアルタリアの日常か?」

俺達はあまりにも平和過ぎるアルタリアの日常に強いカルチャーショックを受けてただ立ち尽くすのだった






*********

「…と言う祖父の日記が見つかった」

俺がそう言うとそばにいたマックスが大きく拍手をした

「ブラボー!さすがアルタリアだ!」

「間違いなくオリバーのお祖父様だな」

ジークもやたら肩を震わせている

「それって褒めてる?」

オリバーはバツの悪そうな顔でうなだれる

まぁ…ロベルト前国王様は向日葵に例えられるようにとても明るくて陽気であったと聞いている

それは聞かなくとも孫であるオリバーを見ていればわかるが…

「国民の幸福度がずっと世界一なのはアルタリアがいかに住みやすいまま何十年も来てるって事だろ?凄い事だよ」

ヘンリーはポンポンとオリバーの肩を叩いてやっている

確かに素晴らしい事だ

祖父ヤコフがアルタリアのその部分をリスペクトしようとした気持ちはよくわかる

俺も祖父から受け継いだこのサンクト=シアベルを住みやすい国に変えていかなくては…

「で、イヴァン」

ケヴィンが俺の方にグイッと寄って来た

「ヤコフ前国王様は各国を回られたのか?」

「…いわゆるお忍びという形で回ったようだ」

「じゃあ、うちの前国王とも会ってたりするのか?」

クオンも目を輝かす

「さあ…また日記が見つかればわかるだろう」

書庫を整理したら出てきた祖父の回遊録

まだまだ出てきそうだ

それはどの王子より俺が一番楽しみにしている

次はどこの国だろう…




~アルタリア編 END~

Category - 番外編

2 Comments

まひろ  

癒やされます~(^-^)
ホントに癒やされます!

ゲストのロブたんでなく、メインディッシュなロブたん 嬉しいよ~(笑)

リバティ行くときはレフも同行でね!!

あ、イヴァン様ハピエンだったよ~。薔薇が似合うって言われてたね。
いや、想像できんし(笑)
確かに最後イヴァン様、ストレートすぎる(^^)
別人・・・(笑)

2014/09/21 (Sun) 12:16 | REPLY |   

ララぽん☆  

わ~い☆ chikaさん

早速書いてくれたんですね
ありがとうございます

ロベルトは相変わらずですね(笑)
アルと夫婦漫才を日常的にやってるみたいで…

世話焼きはセルゲイもだけど、突き詰めていくとアルになる気がする


次はどこへ行きますか?
楽しみです♪


2014/09/20 (Sat) 11:29 | REPLY |   

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