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夢恋城へ…ようこそ…

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海の彼方から…王子×ショコラティエ part.56

浅葱社長からなんの用だろう…

一吹さんをチラッと見ると少し緊張気味の顔をしている

一吹さんはそのままリビングから出て行った

「もう!スピーカーにして聞かせてくれてもいいのにー」

潤君がぷうっと頬を膨らませた

「この件とは限らないだろ?」

仁さんは普段と変わらないようにスープをすくった

「また冷めちまうだろ!さっさと食え!」

「はぁ~い」

仁さんの一喝で私達はちょっと遅れた夕食を取った

やがて長い長い電話が終わったのか一吹さんが疲れた様子で戻って来た

「浅葱社長なんだって?」

言い出しにくい雰囲気を物ともせずに仁さんが切り出した

「うん…ホテルだけじゃないみたいだよ」

ホテルだけじゃない?

「浅葱社長の所にもホテルが解体されている情報は入ってきていて混乱しているみたいだ。M.O.Fホテルと取引のある業者もいるからね」

同じホテル業界、スイーツ業界の繋がりがあるのだろう

「ホテルだけじゃないってどういう事だ?」

「そのままだよ…オーナーの自宅に国税局が入った。家も高級家具も夫人や娘のブランド品のバッグとか宝石とか、ありとあらゆる金目の物が差し押さえられたみたいなんだ」

えっ?

「浅葱社長の友人がオーナーの屋敷のそばに住んでいて一部始終を見ていたって。いきなり車が一杯止まって、大勢が屋敷の中に入って行ったと思ったら次々に差押えられて…オーナーと奥さんと令嬢が着の身着のまま外に出されて…」

そんな感じなの?!

まるで映画やドラマのワンシーンみたいだ

「オーナーは国税局の人に掴みかかったらしいけど…」

っていうことは、オーナーも令嬢もこの件は全く知らなかったってことよね

「オーナーも令嬢も知らないのに勝手にホテルが取り壊されて、勝手に家が差し押さえられたってことだよ」

一吹さんも訳が分からないと言うように首を振った

「誰かが何かをやらなきゃこうはならない…」

仁さんの言葉に一吹さんが頷いた

「浅葱さんに《ドリアポス》って知らないかって聞かれたんだ」

「ドリ…なんだそれ?英語でもフランス語でもイタリア語でもないよな」

「俺もわからないんだけど…」

浅葱社長が言うには、この数年経済界で時々耳にするようになった言葉…恐らくは団体名じゃないかと言うことだった

確実に不正をしているが証拠が無い

つまり不正を立証できないような犯罪や事件が起こった時、この《ドリアポス》という存在がチラつくらしい

具体的には、一気に株を買い占められたり

企業が乗っ取られたり

組織が根こそぎ壊滅したりする

人は殺されないが、社会人としての息の根はガッツリ止められる

相当の資産と各国の政府や企業のトップに圧力をかけられる力がないとできないはず

そんな闇の仕事人みたいな団体がいるのだ

「どうやら今回、M.O.Fホテルもこの組織に潰された可能性があるらしいんだ」

「仕事人登場~!いっ…痛っ~!」

潤君が仕事人のポーズを真似て仁さんに頭を叩かれた

「ただ浅葱社長が言うにはこのドリアポスっていう団体が関わるにしてはM.O.Fホテルを標的にするのは規模が小さ過ぎるんじゃないか
そう仲間内でも言われてるから、ひょっとしたら違うのかもしれない」

ホテル1つ潰すのが小さな規模なんだ…

「過去には1国の国家予算の8割が消えたとか、島が1つ無くなったとか…だって」

…確かにホテル1つとは規模が違う

「さすがに俺達にそんな権力も財力もないぞ」

「そうそう!王子様じゃないしね~」






潤君が言った何気ない一言に全員の動きが止まった


~つづく~

Category - 王子×ショコラティエコラボ

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