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海の彼方から…王子×ショコラティエ part.57

王子様…

王子様なら…


潤君の言葉がぐるぐる頭の中でリフレインする

「《彼》なら資金はある」

仁さんが呟くと一吹さんが小さく首を振った

「ジョシュア王子はそんなタイプじゃない」

「《ドリアポス》の意味もわからないよ?」

「ドレスヴァン語?」

三斗希君と潤君も身を乗り出す

確かにジョシュア王子なら資金はあると思う

思うけど…

もし、ドリアポスって言う組織がドレスヴァンのものなら、さっき一吹さんが言った国家予算の8割を消したり、島が消えたりしたのもジョシュア王子の命令だって事になる

それは…なんか違う

もしそんな事をするとしたら…

真っ赤な王族の衣装を身に付けてほくそ笑む王子様が目に浮かぶ

「どっちかと言うとその王子っぽいな」

仁さんも妙に納得して、なぜだか意気投合した俺様王子の名前を挙げた

「うん…グレン王子はしないよ」

三斗希君は真っ先に否定した

一吹さんはテーブルの上で握り締めた手をじっと見つめている

ジョシュア王子なら…

もっと正面切って真っ向から圧力をかけるような気がする

ほんの1週間位のお付き合いだから全部はわからないけど

きっとジャンさんがジョシュア王子の名前でホテル側に通告をしに行く

これ以上レ・クランに手を出すことはドレスヴァン王国に逆らう事とみなす…みたいな

きっとそうしたらオーナーや令嬢も大人しくなると思う

今回みたいな根こそぎ壊滅させるやり方はジョシュア王子じゃない

「そうだな…気のせいか」

仁さんも納得したみたい

「ちぇっ!王子様の仕事人カッコいいのになぁ」

潤君が残念そうにお皿を片付けだした

「そんなの小説や映画の中だけだよ」

三斗希君もどこかほっとしたようにお皿をキッチンに運ぶ

「何にしても誰かがM.O.Fホテルを潰したって事だ」

仁さんがニヤリと笑う

「天罰…それでいいんじゃないか?」

犯人、いや仕事人が誰なのかはもういいだろうと仁さんは腕まくりをしてお皿を洗い出す

いいのかな…それで

いまいちスッキリしないまま私は一吹さんと顔を見合わせた

***********

夜中にふと目が覚めた

いつものように首の下に一吹さんの腕がある

帰国してから、当然今まで通りに別々の部屋で眠るつもりだったけど…

1週間もの間ずっと一吹さんと寝食を共にしたら、別々でいることの空虚感に耐えれなくって…

それでもまだ居候の身だから我慢していた

先に言いだしたのは一吹さんだった

「華恋ちゃんが隣にいないと熟睡できないんだ…」

それは私もだけど…

「司令塔の頭が鈍っていたら舵を取り間違える」

葵井家のルールブック仁さんが苦笑しながら一吹さんと一緒の部屋になることを許可してくれた

それも一吹さんがドレスヴァンで正式にプロポーズしてくれたから…

仁さんが認めてくれたのだ

「本当なら両家の顔合わせが終わってからにしたいところだが…長兄が夜な夜な夜這いしているんじゃ弟達に示しがつかないからな」

「別に愛し合ってるなら普通の事じゃないの?」

「みっちゃん大人じゃん!俺も早く女の子家に連れて来たいな~そしたら何しよう!まずは恋愛物のビデオ?いやいやホラーで恐がらせて~『きゃー潤君怖い~』『大丈夫だよ!俺が付いてるって!』『本当?潤君って男らしい!…チューして󾬏』なぁんて!」

…その後潤君は放置された




というわけで、私は毎晩一吹さんの腕枕で安眠している

安心する匂いと体温に守られて…

「…華恋ちゃん…起きたの?」

一吹さんの声は寝起きの声じゃなかった

…眠れてなかったんだ

私が目を向けるとアンニュイな瞳をした一吹さんと目があった


~つづく~

Category - 王子×ショコラティエコラボ

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