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夢恋城へ…ようこそ…

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海の彼方から…王子×ショコラティエ part.59

【一吹’s eye】

華恋ちゃんは俺の腕の中ですやすやと眠っていた

ああ…

安心する

彼女の規則正しい寝息が俺の何よりのリラクゼーションかな

ドレスヴァンで一緒の部屋で寝泊まりして彼女が俺の横にいるのが当たり前になってしまった

寝返りをうった彼女が更に俺の首もとに顔を埋めてくれる仕草が凄く好きだった

いつの間にか背中合わせで寝ている時もあったけれど

背中を預けて眠れる安心感にまた心がほんのりと温まった

もう、離せない

もう、彼女なしでは生きていけない…

大袈裟ではなくて心からそう思った

ジョシュア王子の計らいでプロポーズも成功した

もう何もかもが上手くいくと思えたのに…



潤から聞いて急いでM.O.Fホテルに駆けつけて

目の前で無残に取り壊されていく老舗のホテルを目の当たりにした

次々に入ってくる情報は俺達に都合のいいものばかりだった

誰かが意図的に仕組まない限り、こんな風に事は進まない

M.O.Fホテルのやり口は姑息で汚くて、何とかしたいと思ったのは間違いない

けれど俺の力なんてしれている

せいぜいばらまかれた嘘の情報を1つずつ訂正する

そして真面目に美味しいショコラを作って信用を取り戻すしかない

浅葱グループと手を組んでM.O.Fホテルからの攻撃を最小限に食い止める

その程度だ

こんなにも根こそぎ消えてしまうなんて…

潤の言うように王子様じゃなければこんな事態に落とし込める権力も資金もない

かといってジョシュア王子が…

それはいまいち納得できなかった

自分の愛する妻に笑顔を取り戻してくれたお礼…にしては事が大きすぎる

俺達はほんの1週間だけの関わりなのに…

存在が、影響力が大きすぎて体が震える

自分で舵を取れない船に華恋ちゃんを乗せてしまっている不安と恐怖

俺は彼女を守ってあげられるのか

そんなちっぽけな男の自尊心 

うだうだと眠れないでいると華恋ちゃんは目を覚ました

彼女はすぐに俺が眠れないでいるのに気づいたみたいだ

そっと髪を撫でてくれた

そのちょっと冷たくて細い指が俺の心をほぐしてくれる

あの令嬢にこんな感覚がわからないんだろうな

目には見えない心のゆりかご…

『船が揺れても中でバランス取ればひっくり返らないものです』

俺の心配を華恋ちゃんはいとも簡単に笑顔で消し去る

1人じゃない
いつも2人で…

ずっと一緒
一生一緒

とても大きな約束をしたんだと改めて思った

華恋ちゃんの人生を背負う覚悟と俺の人生と共に歩む重み

それを重いと感じず、楽しいときっと彼女となら思える

「…愛してる」

全ての思いを込めて彼女に告げると、ふっと微笑んで照れくさそうに瞼を閉じた

今夜もたくさんのキスを贈ろう

せめて華恋ちゃんが少しでも心安らかに過ごせるように

ありったけの俺の愛情を…




~つづく~

Category - 王子×ショコラティエコラボ

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