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夢恋城へ…ようこそ…

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海の彼方から…王子×ショコラティエ part.63

ようやくお店が再開された

ネット情報での被害があるかと思ったけど、開店前の早朝から列が出来ていて

やっぱりわかってくれる人はわかってくれるんだ

みんなレ・クランが再開するのを待っていてくれた

「ありがたいね…」

感慨深そうに一吹さんが笑みを浮かべた

本当に良かった…

私も大きく頷いてそっと裏口から出る

「いってらっしゃい」

不意に扉の影で一吹さんが唇の真横にキスしてくれた

「口紅がついちゃうからここで我慢しておくね」

そんな事言われて、そっと首筋のスカーフで隠したキスマークを撫でられた

もう…っ


朝から顔を真っ赤にしながら私は編集部に出勤した

そこでまた大きな出来事が待っていた

「一ノ瀬!すぐに社長室に来い!」

出社早々に編集長が顔をひきつらせて私を呼んだ

な…なんだろう

「あんた、なにやったの?」

なぜか半笑いで優里が背中を叩いた

この前の食中毒騒ぎかな

会社で食中毒が出て、その菌を私がレ・クランに持ち込んだって言うデマ

あの時、編集部に問い合わせや苦情の電話がいっぱい来たんだ

電話で編集長には謝ったけど…社長にも謝らなきゃ

私は緊張の面持ちで恐る恐る社長室に入った

「ああ、君が一ノ瀬君か」

1年に数回しか見ることのない社長が目の前にいた

「申し訳ありませんでした!」

「よくやった!」

即座に頭を下げた私の声に社長のにこやかな声が重なった

「え?」

よくやった…?なにが?

訳も分からず顔を上げると、いつもしかめっ面ばっかりの編集長も、見たことがないぐらい上機嫌で微笑んでいた

何事?

「一ノ瀬、今日ドレスヴァン王国の本国から大使館を通してメールが届いてな」

はぁ…

「お前が撮った写真の中から掲載の許可が下りたものを連絡してきたんだ」

ああ、そう言えば、肖像権もあるし、プライベートな写真も多かったからジャンさんに確認して貰っていたんだった

さすがジャンさん、仕事が早い!

「見てみろ!これだけの写真の許可が下りたぞ」

編集長がタブレットの画面を私に向けた

そこには…

笑顔でショコラを頬張る王子様達

ショコラをじっくり見ながら一吹さんから説明を聞いていたり

テンパリングをする仁さんの手元を覗いていたり

それだけじゃない

めったに笑わないウィル王子がロベルト王子やグレン王子と談笑している

強面のキース王子がプリンをおかわりしている

エドワード王子がぶきっちょそうに薔薇を作ってる

そして何より…

ジョシュア王子と真鈴様の2ショット

これって…

『ジョシュア、これが私が世界一番好きなショコラよ』

『ん…覚えておこう』

『美味しいでしょう?』

『ああ、美味いな』

なんて言いながら2人でショコラを口にされた時の風景だ

本当に仲睦まじくて、微笑ましくて

真鈴様の顔の撮影はNGだったけど、思わずシャッターを切った1枚だった

掲載できるなんて微塵も思っていなかった写真だ

「これ…もですか?」

つい編集長に聞いてしまう

「ここに文面がある。読んでみろ」

見れば大使館が日本語に訳してくれた文章が綴られていた

要約すると…

この写真はジョシュア王子、真鈴妃共に大変気に入られ、特別に掲載の許可を与える。

また、ドレスヴァン国民にも近代的な開かれた王室をアピールするためにこの写真を使わせて頂きたいと王子がおっしゃられている

逆に公式に使わせて頂きたい




「へ?」

私が撮った写真を?

プロでもない私の?

いいの?

「凄い事だぞ!一ノ瀬!」

編集長は私の肩をガシッと掴んだ




よくわからない展開に目が回りそうだった


~つづく~

Category - 王子×ショコラティエコラボ

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