FC2ブログ

Welcome to my blog

夢恋城へ…ようこそ…

Article page

海の彼方から…王子×ショコラティエ part.65

「なんだ、追求する気になったのか」

仁さんがふっと一吹さんに視線を送った

「うん…現状維持は後退だって思い出したんだ」

そう言って一吹さんが笑みを浮かべる様子は昨日より吹っ切れたような気がする

「仁もそう思っていたんだろう?」

「思ってはいたが、相手がでかすぎて…さすがに即決は無理だったな」

「よかったよ。考える時間ができて」

「基本俺達はオーナーであるお前に従う。そこまで暴走しない」

「できた弟で助かるよ」

そんな長男、次男の会話に

「一度でいい…できた弟と呼ばれたい」

四男がボソッと呟いた

う~ん 悲哀の川柳だ

ちょっと字余り…

「潤はできた弟だよ…俺に無いものいっぱい持ってるし」

「うう…っ!みっちゃん、なんて優しいお兄ちゃん!」

「気持ち悪いよ!」

潤君に抱きつかれ、三斗希君は腕をバタバタさせた

なんだかんだと言って仲良しなんだから

微笑ましい末っ子達を尻目に上2人はメモ用紙に

《Doliapos》

と書いていた

「綴りはあっているのか?」

「ああ。浅葱社長に確認したよ」

一吹さんはその下に

dresvan

liberty

Arutaria

Philip

oriens

Charles

と書いた

6カ国の名前だ

「一見6カ国の頭文字のようで微妙に違うんだよな」

ドレスヴァンに『O』はない

シャルルは『S』から始まらない

「どれどれ~♪」

潤君が身を乗り出してくる

「ドレスヴァンはDOでいいじゃん!だめなの?」

「お前は単純過ぎる」

ペチッと仁さんが潤君の額を叩く

「痛っ!だって普通そうじゃん!日本人ならシャルルはSだって思うし、フィリップはFだよ」

「フィリップはPで合ってる」

「わかんないよなぁ~キーボードだって『Fi』で『フィ』だろ~」

「そのあたりの違いを理解できない奴に語学は難しい」

「うう~…」

喋れても書けないのはどの国の人も同じだ

「そうか…日本人以外から見ても変なんだ」

私がボソッと言った言葉に一吹さんと仁さんが振り返った

「華恋ちゃん、なんだって?」

「えっと…大したことじゃないですけど」

私は持っていたカップを置いてメモを指差した

「多分外国の人から見たらドレスヴァンをDOにしないし、シャルルをSにしないですよね」

「そうだね…逆に変だと思うね」

一吹さんはじっとメモを見つめる

「つまり、Doliaposを6カ国のイニシャルじゃないかと思っても英語圏の人間にも日本語圏の人間にも違和感を与えるって事か」

「まさかと疑っても微妙に違うから決定打にはならない」

「元々Doliaposが標的にしてきたのは法律が裁ききれない上流階級だったりする…だから当然語学力もある」

一吹さんと仁さんが次々に話し出す

「Doliaposを即6カ国と結びつけるのは中途半端な、潤みたいな読み書きが不得意な人ってこと?」

三斗希君の言葉に潤君と、最初に思いついた私は撃沈した

「俺達はたまたま今の状況を王子達に知られて、帰国早々に次々と色んな事が起きたからすぐにそうじゃないかって思ったけど、普通は6カ国が関与していなさそうな所でもDoliaposの動きが見えてるから…普通は気づかないし、気づいても、今みたいに頭文字で引っかかるよ」

一吹さんはいっぱい私を庇ってくれた

「だよねーだよねー」

いち早く潤君は立ち直った

「日本語圏じゃなきゃ気づかないだろうな…わざとだって」

「だってお姫様日本人じゃん」

仁さんの疑問をあっけらかんと潤君が砕いた

…そうか

真鈴様

それにリバティにも瑠璃様がいる

「わざと英語圏の人間らしくない綴りに変えたか」

仁さんがチッと舌打ちをする

「おそらく…俺の勝手な想像だけど」

一吹さんが仁さんを見据えた

「6カ国がこういった裏企業を作っているとしたら、その資金は王子達の自由になるお金だと思う」

王子様のお小遣いって事?

「お小遣いっていうか…表には出ないお金かな」

裏金?

「じゃなくて…う~ん」

一吹さんは首を捻る

「徳川埋蔵金みたいなもんか」

仁さんの説明は合ってるの?

「まぁ、そんな感じ?」

合ってるのか…

「その金額が6カ国平等には思えないんだ」

どういう事?

「軽く調べた限りでも6カ国のGDPに差があるし」

「ああ~グレート デンジャラス プリンス具合ね!」

ペチッ!

潤君の額に仁さんのシッペが炸裂する

潤君は低く唸って倒れた

「懲りないねぇ」

三斗希君は呆れながら真っ赤になった額に冷えピタを貼ってあげた

「ドレスヴァンとリバティの出資額が大きいから最初の2文字なんじゃないかな」

つまり…

ドレスヴァンのDO

リバティのLI

後はアルタリアのA
フィリップのP
オリエンスのO
シャルルのS

「多く出した順って事か」

「じゃあ3番目にアルタリアが多く出したかっていったらわからないけどね」

あのにこやかなロベルト王子の顔が浮かぶ

ロベルト王子が陰謀みたいな裏稼業に首を突っ込んでいるようには見えないけど…

「案外、ああいうタイプがリーダーでいた方がいいのかもね」

一吹さんが肩をすくめて微笑む

本当は一番ロベルト王子が策士で腹黒かったらショックだな…

そんな事よりも気になる事がある

一吹さんは気付いてくれているかしら



全財産を失ったあの令嬢が自暴自棄になってなにかやりだすか

それとも絶望して自殺とか…

私の心配をよそに一吹さんと仁さんと三斗希君の議論は白熱していった


~つづく~

Category - 王子×ショコラティエコラボ

0 Comments

Post a comment