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ヤコフの回遊録~part5~

Category - 番外編
馬に揺られながら、俺とウィル王子は思ったよりゆっくりと話ができた

いや、そう思ったのは彼と別れてからだ

それまでは馬上で遮る物もなく3人の王子が無防備に街中を歩くという行動が俺には信じられなかった

命を狙われる危険を感じないのか

それはセルゲイも同じ思いらしく、ずっと緊張したまま周りを見回していた

「まぁここだけの話、ウィルが国王になるのを殆どの国民が待ち望んでいるからさ。反乱も起きないわけよ」

ガラガラと馬が引く馬車に乗ってロベルト王子はにっこり笑った

それは現国王への批判にならないのか?

「違うよ~現国王様は平等に扱われるから特別悪がはびこらないのさ~アルタリアと一緒」

ロベルト王子は能天気に言うが俺は信じられなかった

ウィル王子は小さく笑って微妙に馬の軌道を調節した

「ヤコフ、君が近い未来に国王となるなら覚えておくといい…『善』に順位をつければ損得勘定が生まれる。『悪』に順位をつければ悪がはびこる。権力を持たざるを得なかった者が示す物は『冷』だ。それに従い自分の信念をかさねれば悪を増殖させる栄養分にはならない」

ウィル王子は言葉通り冷静に俺に告げた

俺も次期サンクト=シアベルの国王だ

近隣諸国の事は調べてある

フィリップの現国王は一言で言えば『平凡』だ

威厳は示すが統率力はない

この国王に張り付いたとしても未来はない

今、小銭を稼ぐことしかできない

逆に国王派だと思われて損をする可能性もある

だから今、国政は落ち着いているのだと今だからこそ理解した

わかりやすく言うと現国王にすり寄ってもいいことはない

いかに有望な次期国王ウィル王子に近づくか

それを見定めている時期なのだろう

それゆえに平和なのだ

「ウィルは情に流されないしぃ~暴力にも屈しないしぃ~今のウィルに逆らうことはマイナスしかないのさ。これも平和に保つ手段だよね~」

へらへらと言うがロベルト王子の言うことは間違っていない

サンクト=シアベルにそれを求めるにはまだまだ時間が必要だ

「力で押さえ込みたくなるだろうが耐えるしかないだろう」

ウィル王子は手綱をさばいて、暴れかけた馬を制した

まるで自分の言葉を態度で表すかのように、力ではなく技で馬を操る

「いつか、サンクト=シアベルが共に肩を並べられるように…例え俺達の時代ではなく、子供や孫の代になってでも待ってるよ」

「うん!待ってるよ!ご近所さんは仲良くしたいもんねえ!」

俺は彼らの言葉を胸に秘め

そしてドレスヴァンの地を踏んだ



ドレスヴァンは国境を越えた時点でフィリップと趣が明らかに違った

「なんて言うか…きっちりしてるよな」

セルゲイは食料品を見定めてながら周りを見回した

ドレスヴァン=規律

そんな言葉通りに整然と整理された街並みだ

「かと言って直進の道路で整備されてる訳じゃない」

セルゲイが目の前の道を指で指す

「ああ…敵が城を目掛けて直進できないようになってるな」

「攻めやすそうで攻めにくい…坂の勾配1つ取っても計算し尽くされている」

「力任せに突進したんでは痛い目に遭わされる…」

「静かに手強い…重厚な戦車みたいな国だ。注意が必要だな…ヤコフ」

2人してつい癖で戦闘体制を考えてしまう

「…穏やかではないな」

ふと、低い声が聞こえてとっさに身構えて振り返る

そこには仏頂面をした男が腕を組んで立っていた

「ウィルから事前に連絡がなければ不審者として引っ張られても文句を言えんぞ」



…ドレスヴァン王国のジョシュア王子だった


~つづく~
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Category - 番外編

2 Comments

chika  

ロブたんがいると萌える?(笑)

2014/11/21 (Fri) 07:11 | REPLY |   

まひろ  

このシリーズいい(≧∇≦)b
なんか、妙にテンション上がる~!!

2014/11/20 (Thu) 23:14 | REPLY |   

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