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ヤコフの回遊録~part8~

Category - 番外編
俺が唖然としていてもロベルト王子は平然としていた

「何しに来た」

無愛想この上ない口調でジョシュア王子はロベルト王子に一瞥をくわえた

「何って…う~ん、ジョシュがちゃんとお客様をもてなしているかチェック?」

「俺を疑うのか?」

「疑ってないよぉ~確認?っていうかぁ~ウィルにちゃんと報告しないと怒られるじゃん」

「問題ないと伝えてとっとと帰れ」

「それはつまんないでしょぉ」

「これは遊びではない!」

「遊びじゃないけど、6カ国の潤滑油である俺の仕事じゃん」

「仕事じゃなくて趣味だろ」

「無償の奉仕と言って!」

「うるさい!」

「にゃぁぁ!」

「…っ!!!」

ロベルト王子の一声にジョシュア王子の動きが止まった

「たまには俺の言うこと聞かないと、アルタリア天然記念物のアルタリア山猫をジョシュの城の庭に放すぞ!」




…意味がわからない



わからないがピタリとジョシュア王子は口を閉ざした

ならば…ジョシュア王子は猫嫌いなのか

「サンクト=シアベルは極寒の地ゆえに猫科の動物は野生ではいない…いるとしたら狼だ」

俺はつい言葉を出していた

「猫がいない?」

「というか野生の猫は生き延びれん」

それぐらいサンクト=シアベルの冬は厳しいのだ

俺の言葉にジョシュア王子は思案する体勢に入った

「治安が整ったら別荘地として考えよう…」

は?

今日何度目だろう

俺は固まった

ドレスヴァンの王子がサンクト=シアベルに別荘だと?

セルゲイもポカンと口を開けている

「ねぇねぇジャン君…シアベルに虎はいたよね」

「はい。ロベルト様のおっしゃる通り、シアベルには特別天然記念物で絶滅危惧種のシアベルタイガーが生息しております」

ジョシュア王子の執事がロベルト王子に律儀に答えている

この執事、あらかじめシアベルの知識を頭に叩き込んできている

やはり第一印象通りくせ者だ

「タイガーってことは猫科よね?」

派手な女がセルゲイに聞いている

そうか

猫科の動物、いたな

俺の間違いをセルゲイはどう返すのか

「絶滅危惧種だ。まず出会わん…問題ないだろう」

出会わなきゃいいってことか

俺はククッと笑いを堪えた

セルゲイに睨まれた

「猫系の女の子も可愛いよね」

「さようでございます」

ロベルト王子がジョシュア王子の執事にすり寄っていく

「ジャン君、好きでしょ~猫系女子」

「確かに犬のように懐きすぎない気紛れさは魅力ですね」

「だよねぇ~!犬系の女の子もめっちゃ愛おしくなるけど、猫系の女の子に翻弄されたい男心わかる?」

「甘えて膝の上に来るのに触ろうとすると爪を出される…みたいな事でしょう」

「そうそう!ジャン君、話がわかるねぇ!アルとじゃこんな会話できないんだよね~トレードしない?」

…一体何の話なんだ…

ウィル王子、ジョシュア王子とだけ接していれば巨大国家の次期国王だとある程度構えて話をするだろうが、どうもロベルト王子が加わると威厳さが消滅する

「笑顔は全てを丸くするわよ~笑っていたら戦争は起きないの」

派手な女がセルゲイに抱きついたままにっこり笑った

威厳より笑顔か…





俺にそれを求めるのか?





「お前は好きな女の前だけ笑っていればいい。それ以外の人間は俺がどうにかする」

セルゲイは溜め息混じりに身をよじって派手な女から逃れようとしたが更にキツく締められている

逃げようと思えば逃げれるだろうに

意外と好みか?

それより、好きな女だけ?

ようはアイツの前でだけ素を見せてろってことか

…まぁそうだな

そうするか

もうアイツ以外の女に興味はないし



ふと俺が各国を回っている間、留守を任せてきた愛しい彼女を思い出した




~つづく~
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