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危険な甘いショコラ~ショコラティエ×特捜~part14

【花井一沙の独り言】

あれは先月の事だったか

ふらっと寄った本屋に彼女がいた

別に本屋に女性がいることは珍しくはないが、今時調べ物をするならネットを使うだろうに

分厚い本を手にしては真剣な表情でページをめくる姿がなぜか印象に残った

それから数日後、また彼女の姿を見ることになった

今度は行きつけのワインバーだった

そこで彼女はオーナーと真剣に話をしていた

カウンターの上にはボイスレコーダー

彼女はオーナーの話を聞きながら一生懸命メモを取っていた

チラッと見えたそのメモは瀬名の数十倍も綺麗な字で丁寧に書かれていた

店に客が増えてきたのに気付いたのか、彼女はオーナーに礼を言って店を出て行った

「今の子?雑誌記者だって。今度《大人の隠れ家》みたいな店を特集するから取材させて欲しいって来たんだよ。ほら、うちはあんまりメディアに出ないから断ったんだけど、話だけ聞いてみたら、結構ワインの事も知ってるしね。かと言って知ったかぶりする訳じゃないし、通ぶる訳じゃなくてね。いい感じだったから取材OKしたとこさ」

俺が聞いたら、オーナーはいささか上機嫌で答えてくれた

あの時本屋で彼女が読んでいたのもワインの本だったなと思い出した

オーナーが見せてくれた名刺には

《宝船社 『be』編集部 一ノ瀬 華恋》

とあった

その名前を頭に刻み込んだのは、単なる職業病だけじゃない

なんて、その時は思いもしなかった

そして…

現場に残されていた一枚の紙袋が彼女と再び出逢わせてくれた

彼女は『初めまして…』と言った

初めましてじゃないけどな…と喉まで出かかって

隣に浅野がいたから言葉を飲み込んだ




お節介な瀬名から、彼女はあのショコラティエの恋人だと聞かされて

胸にパンチを食らったような気になった事に驚いた

俺は…

彼女、一ノ瀬華恋に恋心を持ってしまったのだろうか

その事実が無性に大きな波となって、俺を飲み込んでいった


~つづく~
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Category - 愛しのショコラティエ

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