FC2ブログ

Welcome to my blog

夢恋城へ…ようこそ…

Article page

危険な甘いショコラ~ショコラティエ×特捜~part20

【仁's eye】

車内は無言だった

音楽も無く、ただ窓の外の軽いエンジン音と行き交う車の音だけが俺と華恋の間を通り過ぎていく

華恋が泣きながら俺に言葉をぶつけた後、一吹がさっき打ち合わせをしたクライアントから貰ったと、都内の高級ホテルのペア宿泊券を俺に渡した

『2人で心行くまで話し合っておいで。何一つ誤解やシコリを残さないようにね』

そう言って自分の部屋に帰って行った

ふん…

気を使いやがって

俺は悪態をつきながらも俯く華恋を連れて車で出かけたのだ

俺は…

いつも泣かせてばかりだ

潤が言った通り

いや言われるまでもなく俺は言葉が足りない

だが、だからと言って一吹のように甘ったるい言葉を安売りなどできない

自分に非があると思えない時は特に謝罪の言葉が出てこない

「…ごめんなさい」

先に謝ったのは華恋の方だった

あいつだって何も悪くないのに…

悪くないなら謝るな!…そう言いかけて言葉を飲み込んだ

大人げない…

わかっちゃいるんだが…

「私がもっと仁さんを信じなきゃダメですよね…」

「お前は俺を疑ったわけじゃないだろう」

「そうですけど…」

「なら謝る必要はない」

結局口にしてしまう

また黙った華恋の横顔をチラッと見て

また反省する

こいつは俺といて楽しいんだろうか

心休まっているんだろうか

華恋は…幸せなのか?

ふと疑問が浮かんだ

俺は華恋との未来図を勝手に想像したが、それは独りよがりなんじゃないのかと…

やがてホテルに到着し、俺達は大して会話をする事も無くカウンターでチェックインした

このホテルは先月納品した所だ

最高に美味かったと感想を貰ったんだった

ベルギーからの客をもてなす為とか言っていた

ベルギーなら俺が留学していた国だ

口に合ったんだろう

まだ華恋との間に距離を感じながらロビーを歩く

何とか言えないのか俺は…

自分の意固地な性格に腹が立つ

何か言わないと…

「おい、華…」

「あら!レ・クランの葵井さんかしら?!」

予期しない方向から声が聞こえてきた


~つづく~

拍手とブログランキングの両方をポチッと押して頂けると嬉しいです󾬏


Category - 愛しのショコラティエ

0 Comments

Post a comment