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危険な甘いショコラ~ショコラティエ×特捜~part26

仁さんと仲直りした数日後、レ・クランに1冊の雑誌が届いた

それはショコラ関連の記事だけを載せている専門雑誌だった

業界ではよくある雑誌…スッゴく狭いところでは竹輪だけとか、ネジだけとか、究極に1点に絞り込んだ雑誌が意外にあるのだ

そのショコラ版ってところかな

「今年のバレンタインデーとホワイトデーの売上順位が載ってるよ!」

潤君が早速特集記事を捲った

「え~レ・クランの名前ないじゃん」

「そりゃ無理だって」

三斗希君も私もどれどれと覗き込んだ

上位は当然ながら全国のデパートに入っている有名店だ

「出店が多ければ売上が多くて当たり前だろう」

仁さんは何を言ってるんだと余裕でビールを口にしている

「デパ地下とコンビニとは土俵が違うだろ?」

一吹さんも優雅にワインを傾ける

確かにね

そうなんだけど…

あの2月3月のドタバタを思い返してみると、相当の反響があってもいいじゃないかって思えちゃう

「あっ…」

私は次のページにレ・クランの名前を見つけた

「《自分用に買いたいショコラ》…わっ!レ・クラン3位ですよ!全国で3位!」

バレンタインデーに彼にあげるんじゃなくて、自分用に買って食べたいと女の子が思ってくれてるショコラの第3位にレ・クランの名前があったのだ

それって凄いことよ!

この東京で1軒しか無いのに全国で3位なんだもん!

「それは嬉しいね」

一吹さんは一瞬目を丸くしてからゆっくりと微笑んだ

「1位じゃないのか」

仁さんは不服そうだ

相変わらず負けず嫌いなんだから

1位は世界的に有名な高級ショコラ

2位はレーヴ・エトワール
時田さんのいる日本支部だ

「…納得いかん」

パキッ…

仁さんが空になった缶を握って潰した

「今回レーヴ・エトワールはバレンタインデーに集中的に力入れてたからね」

「世界全店でね」

三斗希君と一吹さんは納得したように順位を見ている

「お前達は悔しいとか思わないのか?」

「思わないわけじゃ無いけど、規模が違うからなぁ」

「数で勝てと言っていないだろう!また食べたいとか、毎日食べたいとかのランキングでトップになれるように努力しろと言ってるんだ」

仁さんは時田さんのお店の下にいるのが我慢できないようだ

「しょうがないなぁ…」

一吹さんは席を立つと一通の大判の封筒を持ってきた

「なんだ?」

「MOFコンクールの案内だよ」

「何?!」

仁さんは一吹さんの言葉に思わず立ち上がった

「MOFコンクールってなに?あのホテルが関係してるの?」

潤君がキョトンとして私と三斗希君を振り返った

MOF:"Meilleur Ouvrier de France(フランス国家最高職人)

それは食、建築、公共事業、産業、服飾、宝飾、美容など200種以上の職人を最高職人として認定するMOF:Meilleur Ouvrier de France(フランス国家最高職人)のうち、1990年に創設され、過去に5回のコンテストがあり、現在たった18名しかMOFを受賞していないというショコラティエ・コンフィズリ(Chocolatier Confiseur)部門のコンテストの事…

「仁はJCC(ジャパン ショコラティエ コンテスト)で優勝したからね。資格はあるからって送って来たんだけど…」

「なぜ早く言わない!」

「時期が早いと思ったんだ」

一吹さんは固い表情で封筒を仁さんに渡した

「お前にそれだけの腕があるのはわかっている。わかっているけど…」

「けどなんだ?」

「いきなりフルマラソンに出るようなもんだぞ。まずはハーフマラソンから…」

「まどろっこしい!俺は出るぞ!」

仁さんは封筒を開けて書類を食い入るように読み始めた

確かに世界最高峰のコンテストに出る資格があるのは凄いことだけど

一吹さんは何故だかスッキリとした顔はしなかった

その理由を一吹さんは教えてくれなかった



~つづく~



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Category - 愛しのショコラティエ

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