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夢恋城へ…ようこそ…

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2人だけのHAPPY NEW YEAR~ゼン~1

Category - 番外編
年の瀬、今年最後の日、ミッシェル城は大掃除が行われていた

その総指揮を取るのは当然ゼンさんで…

会える時間なんて全然無いだろうから私は1人でアパートの掃除をしていた

けれど思いもかけずにテオさんから連絡がきた

「みんな大掃除でノーブル様のそばから離れちまうからさ。薬の時間とか忘れるといけねぇからアンジュ来てくんねぇ?」

すぐにそれはノンちゃんの計らいなのだとわかった

いつも忙しくて逢えない私達を気遣ってくれる優しいお爺ちゃま

城主様よりお爺ちゃまのほうが似合うって…ご本人には言えないけど

そのノンちゃんのお世話をするために私はミッシェル城に向かった

実は…

ノンちゃんのお世話を任されるようになって、私は介護の資格を取った

全くの素人がお年寄りの世話を簡単に引き受けちゃだめだと思ったから

まだまだノンちゃんはお元気だけど、いつ足元がふらついて倒れるかわからない

いつ誤飲をしてしまうかわからない

そんな時に何も知らずに急に抱き起こしたり、間違った対処方法をしちゃったら大変だもの

最低限の知識は持っていたかった

勉強するうちに、すごく楽しくなってきて

将来、介護のお仕事につくのもいいかなって思い始めてる

思えばゼンさんと出逢わなければそんな資格を取る事も思いつかなかったかもしれない

運命ってわからないな

そんな事を思いながらミッシェル城に付くと、いつものようにノンちゃんのお世話をさせて頂いた

ゼンさんは相変わらず忙しいみたい

けれどせめて年越しは一緒にいたいって言ってくれて…

私はお部屋を1つ用意してもらった

1人でご飯食べて

1人でテレビ見て

…ちょっと寂しい

けどしょうがないね…

私はシャワーを浴びて髪を乾かして

またテレビをつけるとカウントダウンの番組が始まっていた

カウントダウンに合わせてミッシェル城からも花火が上がる

みんなはそれを見るためにミッシェル城の方をキラキラした瞳で見つめている

不思議ね

私はそのミッシェル城の中にいる

やがてカウントダウンが始まった

『3、2、1、HAPPY NEW YEAR󾬄󾬄』

掛け声と同時に大きな爆音がして

窓の外が一斉に明るくなった

花火の内側なんて…凄い音と振動なのね

窓際に寄って空を見上げると、チラチラと舞う雪の上を大きな花火の輪がいくつもの咲いては消えていく

火の粉が雪と一緒に上から注いで来る

こんな情景は滅多に見れない

ミッシェル城の中にいなきゃ見れない凄い光景だ

バーン󾬄バーン󾬄という花火の音が部屋にも響いて

私は部屋の中に人が入ってきたのに気付かなかった

急に腕を掴まれて

「キャッ…!」

思わず悲鳴が出掛かって

でも私を包む香りは大好きな彼のものだった

「遅くなってすまない…」

そんな声が後ろから抱き締めながら肩に埋めた顔から聞こえてくる

時々花火の音に掻き消されながら…

「新年最初の言葉が謝罪なんて…嫌ですよ」

私がそう言うと、抱く締めていた腕に少し力が籠もった

「…HAPPY NEW YEAR…」

消えそうな声が聞こえてつい笑ってしまった

不器用な人…

あんなにお仕事はスマートにこなすのにね

私はゆっくりと向きを変えて彼と向き合った

ちょっとだけ眉を下げている気弱な彼の顔を見上げる

大きな大きなゼンさん…

私はギュッと抱き付いた

「HAPPY NEW YEAR…ゼンさん」

「君にはかなわないな」

大きな手がゆっくりと頭を撫でた

ゼンさんが少し屈んだのを感じて、私はつま先で背伸びをした

途中で当たり前のように唇と唇が出逢う

今年最初のキスはちょっと遠慮がちで、でもすぐに狂おしいほどお互いを求めて激しくなった





気付けば私は息を弾ませながらゼンさんの頭を抱きしめていた…


~つづく~
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