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夢恋城へ…ようこそ…

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アルタリアの春まだ遠く…~アルベルト~

いつもなら大地から雪が消え、そろそろ春の息吹が芽を出す頃なのだが…

今年はまだチラチラと白いものが天から降ってくる

そんな季節にロアは誕生日を迎える

「アル󾬄何を物思いに耽ってるのさ!俺のシャツ出してよ󾬄」

我が主は全く変わりなく…

「アルさん󾬄お料理の最初って何でしたっけ󾬅」

主のプリンセスも不変であり…

「アルベルト󾬄私はロアを抱っこしていていいのか󾬅」

旦那様は旦那様で…

「アル~󾬄ロアのドレスどっちがいい󾬅」

これに我が妻が加わる…

私の安らぎの春はほどほど遠い

ロアは約1年前、アルタリア城の守衛室の中に置き去りにされてた1歳程の赤ん坊だった(アルさんの恋愛事情Ⅲ~参照してね♪)

愛情も一般常識も微塵もない生みの母親はロベルト様の亡き母君ルイーザ様の末の妹君の娘だった

つまりロベルト様の姪の子供というわけだ

その血筋故か、ロアは茶色の大きな瞳で、ブラウンのくりくりの髪、やたら人懐っこく、笑った顔がロベルト様そっくりで

初めは本当にロベルト様の隠し子だと思った

私の目の届かない所であのやんちゃ王子はとんでもない事をしでかしたと心臓がギュッと縮んだものだ

また笑った時にできるえくぼの位置がルイーザ様と一緒だと、国王様はこれ以上ないくらい目尻を下げられる

当初、高貴な血筋をむげにすることもできず、ロベルト様はロアをご自分の養女にと申し出られた

しかし、いずれロベルト様とルーティア様の間に王家直系のお子様がお生まれになるだろう

その時にロアがいては後々の跡目争いの火種になるかもしれないとノーブル様から助言を頂き、畏れながら執事である私とマリアの養女としてこのアルタリア城内で育てる事になった

よってロアは執事夫婦の娘なのだが…

「ロアに各国からいーっぱいプレゼント届いてるからね~♪」

ロアの誕生日祝いを盛大にやるんだとロベルト様が計画を練って下さった

…執務を後回しにして

ロアは生まれてすぐに乳児園に入れられ、こっそりとアルタリア城に捨てられた

まともに誕生日を祝って貰った事がない

だったら盛大にやるべきでしょう󾬄というのが我が主の主張だ

それは親としてとてもありがたい事だ

だが…

「アル~♪キース様からリバティの最高級シルクのドレスよ󾬄」

「マリちゃん見て~エドワード様からこんなに可愛い木馬󾬄」

女性2人は大騒ぎだ

他にもウィル様から子供用ながら乗って動くかぼちゃ型の馬車

ジョシュア様からはドレスヴァンの高級車メーカーの三輪車

グレン様からはオリエンスの職人が手作りで作る最高級の靴

ノーブル様からは天蓋付きの子供用ベッドが送られてきた

改めて言うが…ロアは執事の娘なのだ

王女様ではない

「こんなに手厚く祝って頂いて…どう御礼をお返しすればいいんだ…」

ロベルト様のお子様なら王家のしきたりに従って返礼すればいいが…

繰り返して言うが、ロアは執事の娘だ

どうすれば…

「もう󾬄アル󾬄ロアの誕生日にしかめっ面しない󾬄」

ロベルト様がバシッと私の背中を叩いた

「今日はパ~♪っと楽しもうよ󾬄ねぇ~ロア」

ロベルト様が国王様の膝の上からロアを抱き上げた

「パーティー?ぱ~っとしゅるの?」

近頃単語が繋がってきたロアはロベルト様と対等に会話する

「そうだよ󾬄パ~っとするの」

「やったぁ󾬄ケーキあゆ?」

「あるよ󾬄ロアの好きなイチゴショートケーキ」

そのあたりは執事の娘らしい…

「ママのグラタンは?」

「うん。マリアママが作ったよ~」

一流シェフよりマリアの料理を好む所もいいとしよう

「ロブパパも一緒食べよ~」

「はぁい󾬄一緒に食べるよ~󾬄」

ロブパパ…

問題はそこだ

「アルパパも一緒󾬄」

アルパパ…

ラクダ科のもこもこの動物みたいだ…

「じーじも󾬄」

「そーかそーか󾬄じーじのお膝で食べるか?」

国王様の威厳は何処へ…

「ルーちゃん一杯食べゆ?」

「いつも通り食べるわよー󾬄」

国王様をじーじ

ロベルト様をロブパパ

ルーティア様をルーちゃん

マリアをママ

そして私をアルパパと呼ぶ…

これは再教育が必要だ

ロアを教育する前にこの呼称を教え込んだロベルト様の教育からやり直さねば…と改めて決意した




城のダイニングにはメイド達が飾り付けた花やら星やらが揺れている

テーブルの上にはウエディングケーキかと見紛う2段のショートケーキが…

「毎年、年の数だけ段を増やそうか」

旦那様は本気で仰っているのか

「20歳になったら天井付いちゃう󾬄」

ルーティア様は楽天的だ…

「よし󾬄みんなでハッピーバースデーの歌、歌おう󾬄」

ロベルト様が立ち上がって指揮者の真似をする

「ハッピーバースデーツゥユー♪」

みんなが歌い出す

「ハッピーバースデー ディア ロア~♪」

国王様もルーティア様も照れることなく大声で歌ってくださる

ロアは大満足な満面の笑顔で国王様の膝の上で跳ねている

「ハッピーバースデーツゥユー󾠔ロア~ろうそく、ふーふーして」

ロベルト様に言われてロアはふーふーと形から入る

ユラユラ揺らいだ2本のろうそくは5回程でようやく消えた

「できた󾬄できた󾬄すごいなぁ󾬄ロアは天才かもしれんな󾬄」

…旦那様…

「よかったわね…」

私の横でマリアがしみじみ言う声が少し震えていた

お腹に宿った事も認識されず、大きくなる過程で話しかけられる事なく、全身麻酔で眠らされた母体から出されたロアは誰にも祝福されなかった

1歳の誕生日も乳児園で同じ月の子供達とまとめて祝われただけ

こんなに個人的に愛情溢れる誕生日は生涯初だ

こんなにも、こんなにも皆に愛される事を実感できる日が来るとは

「よかったな…」

私も心からそう呟いた

ロアはぬいぐるみや、洋服やおもちゃを一杯貰って大喜びだ

ロベルト様と国王様は交互に膝に乗せたり、抱き上げたり、頬ずりしたりしてなぜか競っている

「ねぇねぇ~ロアは誰が一番好き?」

ロベルト様が屈み込んで顔を覗き込む

「ロベルト󾬄その位置は反則だぞ󾬄」

「父さんこそ、抱っこは卑怯だろ󾬄」

ロアは2人の間を行き来させられている

やれやれ…似た者親子だ

「けんか、メッなの󾬄」

ロアは小さな手でロベルト様と国王様の頭をペシッと叩いた

それはダメだろう󾬄

マリアも慌てて前に出た

「ロアはパパがしゅきなの󾬄」



その言葉に全員が固まった

パパって…

…私、か?

ロブパパでもアルパパでもなく

パパって…

ロアは真っ直ぐ私を見つめて、にぱぁ~と笑った

「パパ~♪」

ロアは国王様とロベルト様の間から私に小さな小さな手を伸ばしてきた

私は思わずその手を引き寄せて…

この腕にギュッと抱き締めた

「パ~パ~♪」

ロアが抱きつく感触が無性に胸を熱くした

不意に目頭が熱くなって、慌ててロアを抱きしめてごまかした

「えぇ~…ずるいよ~」

「まぁ、しょうがない。諦めろ、ロベルト」

「親子で振られたな…父さん」

「失恋なんて何十年振りだ…?お前と違って」

「ひどくない?」

「事実だろ…」

「う~…」

不毛な親子の会話を遠くに聞きながら私はロアの頭を撫でた

「ロアは…天才だな」




親ばか…

マリアの声とルーティア様の声が重なった

親ばか…結構

いくらでもバカになろう

可愛いロアの為なら…




その日からロアは私を『パパ』

ロベルト様を『ロブちゃん』と呼ぶようになった

…それもどうかと思うが…

まぁ、しばらくはいいだろう

「ルー󾬄俺達も子作りしよ󾬄王子より女の子がいい󾬄パパって言ってくれる女の子が欲しい󾬄󾬄󾬄󾬄󾬄」

ロベルト様の叫びは天に届いたのか…




これから数年間

アルタリアは王女様ばかり4人続く事になる…




胃が

痛い…




󾀼END󾀼

Category - アルさんの恋愛事情

3 Comments

まひろ  

アルさんが弱くなるよ~(笑)
全員親バカ(笑)

他国王子からも公認の執事家の姫様だね。
贈り物がスゴすぎる!
お返しはロブパパがポケットマネーでちゃんとやってくれる、ハズ!

2015/02/17 (Tue) 22:52 | REPLY |   

chika  

イマイチ2才児はどの程度喋るのかわからんかったけど

女の子は喋りだしたら早いからなぁ

ロアはマリアよりアルさんに強くなるかも~

2015/02/17 (Tue) 19:52 | REPLY |   

まひろ  

かわいすぎるよ~(^^)(^^)(^^)(^^)(^^)
呼び名は『ロブたん』でもい~よ~!
なんか久々にアルタリアに潜入しようかな。
いや、ロアストーリーを再読しようかな。

個別課金でアルタリア購入しようかな、と思う今日この頃(笑)

また気が向いたら書いてねー♪

2015/02/17 (Tue) 18:50 | REPLY |   

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