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すぐそばにある光~ケヴィン~15

Category - season2番外編
リュークの執務室は《執務室》 って言う名前の小さな小屋、いや部屋だ

ほとんどキース王子について歩くし、キース王子の執務室の隅っこでパソコンを使うから、特別に執務室なんていらないようだ

けれどそれを他国の王子達に突っ込まれ、負けず嫌いのキース王子としては、仕方なくこの部屋を与えたわけだ

リバティだってあるんだけどな

アレック用は…

まぁ、俺にしてみたら王子になる前に住んでいたアパートの屋根裏部屋と変わんねぇから居心地いいけどな

つくづく貧乏性だ

その部屋に爺さんが2人押しかけて来たわけだ

「夜食をお持ち致しました」

アレックはちょっと多めのサンドイッチを置こうとして、場所がない事に気付いた

「ソファの上でいいぞ」

俺はそう言って床に腰を下ろした

「野性的に育ったもんじゃ」

呆れるフレディに俺は苦笑するしかない

「最初にアレックから若の孫がタイムスリップしてリュークに取り憑いたと聞いた時には、とうとうアレックはボケる前に幻覚を見るようになったかと思ったわい」

フレディはシャシャシャと妖怪チックに笑った

取り憑いたって…人を幽霊扱いするなよ

「けれど今日の姿を見て確信したわい。ありゃリュークじゃないわな」

やべ…バレちまうかな

「リュークなら太陽が地面に潜って根っこを生やして月が咲いても若には逆らわん。いや、逆らえん」

「おお~フレディ様は詩人ですなぁ」

いや…突っ込むとこはそこじゃないだろ

開いた口の塞がらない俺を後目に爺さん2人は勝手にグラスにワインを注いでいく

あれ…

「なぁ、アレック」

「はい。何でございましょう」

「この年のワインってすげーいいやつじゃないのか?」

俺はアレックの持っているワインのラベルを見て目を丸くした

俺がバーテンで働いてた店で超高級品として鍵のかかるワインセラーに寝かせてあったやつだ

「この年は若の生まれる1年前じゃな」

フレディは未だに老眼じゃないという驚異的な目を見開いてラベルを見つめた

「確かにこの年のワインは出来が良かったのですが、翌年、キース様がお生まれになった年のワインが100年に1度とかいう上出来な年でございまして…多少印象は薄うございますな」

アレックはキョトンとしてワインをかざして見る

いや…確かにそうなんだ

キース王子の生まれ年のワインがリバティ1を誇る最高級のワインなのは俺の時代でも変わっていない

しかし、その1年前のワインは、俺達の時代になって急激に人気が出たんだ

通に好まれる味らしい

一口飲んでみる…

う~…渋い!

そうだな…イヴァンとかマックスさんが好きそうな味だ

キース王子の生まれる1年前って言うと…

リュークの生まれた年か

「せっかく出来がよかったのに、比べる対象が大きすぎてすっかり影が薄くなっちょる…まさに若とリュークじゃな」

「お仕えするご主人様が偉大だというのは執事にとってこの上なく光栄な事でございますよ」

模範的な解答だ

「俺もリュークにそう言って貰えるように頑張らねえとな」

俺がそう言うとフレディ爺さんは目をまん丸にした

「随分と謙虚な言葉がアルフォード家に浸透するもんじゃな」

まぁ、あのキース王子を見てればそう思うだろうな

俺はアレックにリュークの生まれた年のワインをもう一本持ってきて貰った

「渋好みじゃなぁ~若の孫は…」

だから~名前で呼べっつーの

俺は近くにあったサインペンを持つと、ラベルに書き込んだ

《For.Ryuk To.Kvin》

~リュークへ ケヴィンより~

「これをワイン蔵の奥の方にでも隠しておいてくれ。50年後に見つけたら驚くだろうな」

「…壮大ないたずらですな」

「リュークには世話になってるんだ。毎日仕事仕事でさ。ちょっとしたサプライズだ」

「いいご主人様に仕えられてリュークは幸せ者です」

「キース王子にこれだけ苦労させられてんだってわかったから…元の世界に戻ったら大事にしてやらなきゃ」

切にそう思っただけだ

「リュークはアレックの年になっても頭が上がらんかの…若に」

「未だに直立不動だぜ…」

俺の言葉に爺さん2人は大きく溜め息をついた


~つづく~
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Category - season2番外編

1 Comments

まひろ  

ブックマーク!

キースのおじいちゃま(名前忘れたー!)とキース、キースとケヴィン
まさに隔世遺伝!

ケヴィンの孫に期待やね(笑)

2015/06/10 (Wed) 08:03 | REPLY |   

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