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すぐそばにある光~ケヴィン~21

Category - season2番外編
キース王子の後をこっそりついていく

やっぱり瑠璃様の部屋に直行していった

キース王子が部屋に入って、ふと見ると扉がちょっとだけ開いていたから

本当にちょっとだけ覗いてみた

ちょっとだけだからな!

…で、びっくりした!

キース様が、あのキース王子が瑠璃様の前でひざまづいていた

「…検査…結果は…?」

瑠璃様を見つめたまま真剣な口調で声をかけている

「キース様…」

瑠璃様が優しく微笑んだ

「キャシーに聞いてきたのですね」

「だから…!結果は?!」

「申し訳ありません…陰性でした」

「陰性って…」

「だから…妊娠してません」

はっきり告げる瑠璃様

そうか…キャサリン様が仕掛けられたか

キャサリン様は瑠璃様が大好きだ

早く正式にお姉様と呼びたいと常々言われていたもんな

「あ…そうか…」

キース王子はひざまづいていた足を解き、あぐらをかいて床に座り込んだまま首をたれた

「キース様?」

「そうかぁ…」

キース王子は自分の頭をぐちゃぐちゃとかいた

「…めちゃくちゃ期待したんだけどなぁ~キャシーから聞いて、ここまでくる間に男の子か女の子か…名前どうしようって…はぁ~…」

大きな溜め息が聞こえた

…そこ?!

俺はあんぐりと口を開けた

執事仲間や使用人達、メイド達が心配していたのは瑠璃様から生まれる子供の地位や立場、それに関わる派閥争いだったり、後継ぎ問題だったりした

俺もそれが一番不安だった

なのに当の本人は男の子か女の子かを考えて、名前をどうしようかと悩んでたってことか?

お気楽過ぎる!それじゃあ普通の旦那の感想じゃないか

ん?普通の…旦那?

俺はハッと気がついた

キース王子にとって瑠璃様の妊娠って…想定範囲内なのか?

通常の夫婦の感覚なのか?

「私が具合悪くしていたらキャシーがつわりかもしれないから検査しなさいって…でも、わかってたんです。妊娠してないことは…」

瑠璃様はそう言って目を伏せた

「それでもいいからって。そういう可能性があるんだって事をまわりに示しなさいって…」

…15歳の王女が言う言葉か

キャサリン様は同年代の同性の友人とか、外部との接触がないためどうも耳年増になりがちだ

よく言えば大人びている

悪く言えばませている…

俺にとっては大叔母様なんだけど…

そんな少女は兄キース王子には妊娠が可能な恋人がいるんだと

だから余計な貴族の姫なんかいらない!と世間に知らしめたい…と思った訳だ

単純過ぎる…

そんな事を思っていると、瑠璃様の抑えた声が聞こえてきた

「イザブール王国のミリア王女との事…聞きました」

「何…?!」

キース王子ははじかれたように瑠璃様を見た

俺も体がビクッと震えた

「あれは…!」

「いつかは来る事とは思ってました」

「いや…!違う瑠璃…!それは…!」

「もし…それでキース様がお話を受けられるなら…仕方ないと…」

「馬鹿か何言ってんだっ…!」

「そしたらキャシーが…先に既成事実をつきつければいいのよって」

「なんで…お前らは揃いも揃って馬鹿なんだ!!」

キース王子は呆れて、怒って、嘆いて、大きく息を吐いた

「お前達の計画には大きな欠陥がある」

キース王子は瑠璃様の両肩を掴んで真正面から見据えた

いつもに増してキース王子の声が怒りで震えていた

「…俺の気持ちはどこにいった?」

キース王子のグリーンの瞳がまばたきもせずに瑠璃様を見つめる

「俺が見ず知らずの女と結婚すると思ってるのか?
俺は政略結婚しなければ国を守ったり、力をつけたり出来ない無能な王位継承者か?」

キース様の言葉は俺の予想を越えていた

「俺は…好きでもない女を抱ける程…心と体を別々にしてないぞ…」

それは《王子》としてではなく《男》としての言葉…

「今の体のお前に王妃の公務をやらせられないから…治るまで気長に待とうと思ったのに…」

俺はもう、何も言うことはないって思った

キース王子は…俺のお爺様は瑠璃様以外をお妃にするつもりは最初から微塵もなかったんだ

だったらなぜお妃選びを大々的にやり始めたのか

しかもマスコミまで使って国民を大いに扇動している

その真意は未だにわからないけど…

俺はしっかりと瑠璃様を抱き締める姿を見て

そっとドアを閉めた



~つづく~

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