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夢恋城へ…ようこそ…

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すぐそばにある光~ケヴィン~27

Category - season2番外編
意外と言っていいのか…

王子達は思ったより早く戻って来た

「決着がついたみたいですね」

ルイスはゆっくりと微笑みを浮かべている

後から聞けば、エドワード王子の所にも求婚の話は来ていたが、大事な一人息子を溺愛するシャルルの王妃様が話を止めていたらしい

よってエドワード王子は殆どこの話に関与していなかった

どうりでルイスが余裕の筈だ

やっぱり狐だ…

逆に現在、結婚を前提に付き合っている女性のいるグレン王子は、父王から王女の方が血筋がいいから乗り換えろと言われ衝突中らしい

なのにあの落ち着きはやっぱり凄い

っていうか…ユウは気にしていないのか?

他国の事情はよくわかんねぇや

で、うちの主は…

ああ…やっぱりこの人は…

話し掛けたいであろう人達を一切受け付けないオーラを全面に出して真っ直ぐ歩いてくる

周りの人間に気を使う事も、空気を読む事もない

自分の思った事のみ行動に移す

ある意味、頂上に立つ人間だ

「アラン、ありがとう」

キース王子は瑠璃様の前に立つアラン王子の肩に手を置いた

アラン王子は一生懸命踏ん張っていた足を閉じてふぅ~と息を吐いた

「よくわかんないけど…一杯睨まれたぞ」

キース王子は膨れるアラン王子の頭を笑いながら撫でた

「覚えておけ。王子の姫になるという事はたくさんの嫉妬を受けるという事だ。それを守るのも美しい姫を手に入れた王子の役目だ」

キース王子の言葉にアラン王子はちょっと首を傾げたが、大きく頷いてグレン王子の元に走って行った

キース王子はそれを見届けると意を決したように顔を引き締め、瑠璃様の前に回り込んだ

そしてゆっくりとひざまずく

「え…なに…キース様…」

慌てた様子の瑠璃様をキース王子は反らすことなく見つめた

俺の中で一気に心臓が跳ね上がった

キース王子が何をしようとしているのか

俺にはすぐにわかった

キース王子は瑠璃様の手を取り手の甲に唇を寄せた

「…決着をつけるまで待てって言ったよな」

いつになく緊張していて…

けれど優しい声だ

「はい…」

瑠璃様も真っ直ぐにキース王子を見つめている

「決着はついた…もう障害は何もない」

「はい…」

「改めて問う…私と結婚していただけますか?」

「キース様…」

「返事は?」

「はい…!」

瑠璃様の大きな瞳からぽろぽろっと涙が零れ落ちた

やった…!

俺は小さく拳を握り締めた

みるみるうちに涙がこぼれてくる瑠璃様にキース王子が手を差し伸べると、車椅子から落ちるように瑠璃様が体を投げ出した

キース王子は満面の笑顔で瑠璃様を抱きしめた

「…待たせたな…」

耳元でつぶやく声に瑠璃様は何度も首を横に振った

思いをぶつけ合うように2人の唇が重なった

やがてにっこりと笑うと瑠璃様を抱き上げた

「リバティの次期王妃の誕生だ!!」

高らかにキース王子の声がホールに響き渡った

やった!やった!

そうじゃなくっちゃ!

歴史は狂わない

ちゃんと結ばれる者同士は赤い糸で繋がっているんだ!

「やったね~おめでとう」

ロベルト王子が興奮気味に万歳を繰り返す

「やってくれるよな」

ウィル王子は呆れ顔のままクスッと笑う

「強引ですね…」

と言いつつ自分の事のように微笑むエドワード王子

「俺の方が先だっつーの」

グレン王子はむくれながらアラン王子の頭をグシャッとした

「派手な奴…」

ジョシュア王子も肩をすくめながら、その瞳は優しかった

口では文句をいいながらも笑顔の王子達

「リューク!アルベルト!ルイス!クロード!ジャン!ユウ!シャンパンタワーつくってこい!」

キース王子の声に俺達執事は弾かれたように一斉に走り出した

こんな嬉しい命令なら大歓迎だ!

「心配はいらないと言っただろう?」

高級なシャンパンを手にしたゼンが擦れ違い様に囁いていく

「人んちの執事をこきつかうなって!」

ロベルト様が大きく笑う

会場中に一気に歓声が上がった

さっきまで鋭い視線を浴びせていたお妃候補の女性達も諦めたように静かに去っていく

俺は緩む涙腺を引き締めながらシャンパンタワーの準備に走り回った


~つづく~

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