FC2ブログ

Welcome to my blog

夢恋城へ…ようこそ…

Article page

すぐそばにある光~ケヴィン~34

Category - season2番外編
『キース様に御礼を言われるなんて…』

「キース様に御礼を言って頂けるとは…」

画面の中のリュークと、隣にいるリュークが同時に鼻を啜った

…お爺様がいかに褒めないかよくわかるっていうもんだ

褒めたキース王子もちょっと居心地悪そうに見えてつい笑えてしまう

本当に不器用な人だ

『さて、行くか』

キース王子はカチャッと手首を返して腕時計を鳴らして、いつものように不敵な笑みを浮かべると会見上に向かっていった

あの後ろ姿…

細身なのに大きく見える

カリスマ性というものを形に表すとしたらこれなんだろう

俺の憧れた姿だ

やがてキース王子の婚約発表記者会見が始まった

キース王子に会見用の原稿はない

執事が作成する原稿は記者やテレビ関係者に渡す概要だけ

キース王子は全て自分の言葉で話す

だから気持ちが国民にしっかり伝わる

…たまに喧嘩に発展するが、それもキース王子が国民に支持される要因の1つだから国王様も近頃は何も言わない

信頼と諦めの裏腹ってとこだ

それは伝え聞いていた事だけれど、実際に側にいて間違っていないことを体験した

キース王子は胸を張って集まった記者達に瑠璃様と正式に婚約した事を伝えた

当然、数多くの浮き名を流し、次期王妃候補と言われた女性達を選定し、直前には他国の王女からも求婚されたとどこからか洩れた噂が流れていたキース王子だ

記者から質問が集中する

なぜ、由緒正しい貴族の姫でなく、他国の王女ではなく、庶民の瑠璃様なのかと

『人を愛するのに理由や理屈や身分が必要ですか?』

キース王子はさも当たり前のように言って記者に微笑みかけた

「瑠璃様と出会われる前は正反対の事を仰っておられましたのに…こんなに変わられて…」

否定なのか肯定なのか

リュークはハンカチで目頭を拭っている

『私の妻となるということはリバティの王妃になるということです。リバティの次期国王となる私に刺激と安らぎを与え、国の為に働く活力を与えられる事。それが次期王妃の条件です』

つまり平たく言うと

キース王子が安らげて、明日も頑張ろうと思えるようにコントロールできる女性っていうことだ

これって…

「瑠璃様以外には無理でございます…」

リュークの言葉に全面的賛成する

かっこいいとか、裕福だとか、そんなものだけじゃ、あの人の側になんていられない

怒鳴られ、嫌われ、下手に反抗しようものなら

幽閉されて一生顔を見ない形だけの王妃になりかねない

「キース様に意見出来る女性は母君様と瑠璃様と妹君様のみです…後は…絶対無理です」

長年仕えてきたリュークが言うから間違いないんだろう

『リバティの未来と、私自身の中の1人の男としての気持ちとを全て考慮し、公平を期するために多くの女性と会い、話しました。その結果、彼女が最も次期王妃に相応しいと確信致しました』

…出来レースだったくせに

こう言わないと落選した姫達もその親も納得しないんだろう

『無人島に墜落した時も、金融危機に見まわれた時も側にいて支えてくれたのは彼女です。困難の最中でも安らぎと活力を与えてくれた唯一無二の女性です』

…それを言ったら選考会が出来レースってバレるっつーの

「わかっておりましたよ…記者達も。何度もキース様と瑠璃様の仲睦まじいお姿を撮っておりましたから。世間に出ないようにしていただけで」

止めていたのは王家の力か?

「瑠璃様に危害が及ばないようにキース様が裏で取引をしておいででした。公になったらいくらでも報道しろ。ただ、今はその時の為に写真を撮り溜めしておけと…うまくいったら秘蔵写真でも出してやるからと…」

…記者まで丸め込んだか

うん

見習おう

「まだこの時には瑠璃様のお姿を国民に見せておりません。国民が瑠璃様とはどんな女性なのかと興味を最大限に持った辺りで御本人とのツーショット会見を開き、実は車椅子であったと様々なドキュメント番組に放送させました」

大怪我を負った恋人を自分の手元で手厚く看病し、車椅子でも気にせず連れて歩き、ハンデによって愛情が揺らぐ事などない事を伝えた

歩けるようになった瑠璃様を優しくエスコートしながらのテレビ出演

後に懸命なリハビリの結果、車椅子からの復活と報道させた

「もう、反対する者も、異議を唱える者もいなくなりました。次期王妃の座を廻って血を血で洗うような争いは消滅致しました。何をしても瑠璃様に光が当たるように国民を味方にしましたから…」

ペテン師…

「策士でございます」

モノは言いようだぜ

その時、俺は画面を見ていてふと気になって

リュークに画面を戻させた


~つづく~


拍手とブログランキングの両方をポチッと押して頂けると嬉しいです󾬏


Category - season2番外編

0 Comments

Post a comment