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夢恋城へ…ようこそ…

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6つの国の禁断ストーリー~キース~

Category - 番外編
あの日からまともに瑠璃と顔をあわせていない

公務が忙しかったのもある

あいつも母上から公務の引継で出掛けてばかりだ

夜も遅くしか帰れないから執務室で寝ることも多かった

別に自分の部屋なんだから帰ればいいんだけど…

あいつの寝顔を見ているとあの金髪野郎がチラついて…イラついて

ムカついて…

許せなくて…

許せない…誰を?

瑠璃か?

ウィルか?

2人共か…?

「浮気じゃないですからね!それを浮気だと言うならよっぽどキース様の方が確信犯的な浮気ですから…ぐわっつ!」

瑠璃を庇い続けるリュークに無言で腹に一発入れた

ふん!

そんな事はわかっている

わかっているがムカつくからイラつくんだ!

堂々巡りだ…

無我夢中で仕事をして頭を切り替えた

それでもふとした時に思い出す

気晴らしに車かバイクを飛ばそうかと思ったのに、アレックに先手を打たれて鍵が消えていた

更にムカつく!!

今日遅くまで仕事をこなして…部屋に戻ったのは12時を過ぎていた

瑠璃は…寝ていた

広いベッドの端っこで…

ちゃんと俺のスペースを空けてくれているんだろう

俺のいるべき場所…

なのにぼんやりとその空間に裸のウィルの姿が見えた

違う!そこはお前の場所じゃねぇ!

思わずベッドを殴りそうになって拳を空中で握りしめた

クソっ!

俺はそのまま部屋を出た

仕事は終わった
車は無い
バイクも無い
酒に逃げたくねぇし!

俺は真っ直ぐバスケットコートのある館に向かった

夜中のコートは真っ暗で何にも音が無くなっていた

俺はネクタイを解いて床に投げ落とした

腕時計もいらねぇ

スーツの上着も脱ぎ捨ててバスケットボールを手に取った

トンッ…と突いたボールの音が響いた

後は…走って走ってボールを操る

投げるよりダンクシュートでネットに叩き込む

受け取ってまた走って走って走って…宙を飛ぶ

何度も繰り返して息が切れる

汗が滝のように流れる

それでも止めなかった

今だけは瑠璃の事も忘れられた

忘れたくなんかないのに…

どうして!どうしてノーブル様は!

いや、どうして俺は絶縁を言い渡されてでもノーブル様に逆らわなかった!?

どうして俺は《抱いたふりにしよう》と奴らに言えなかった!?

俺は本気で瑠璃を守ろうとしなかったんじゃないか!?

どうして俺は当たり前のようにレイラを抱いた!?

どうして…どうしてウィルは瑠璃を…!!

バシュ!!

ボールを叩き込んで着地して…もう限界だった

俺はそのままコートに大の字に寝転がった

息が…うまく吸えねえなぁ…



「…気が済みましたか?」



不意に声がして、目を開けると目の前に瑠璃の顔があった

頭の上から逆向きに顔が見えた

なんで…

「探したからに決まってるでしょ」

そういうあいつの額には汗が滲んでいた

俺を探しに?

ネグリジェのままま…スッピンのまま

靴は…

「あ…」

あ…じゃないだろうが

どこの世界にこんなに無防備な姿のまま素足で城の中を走るプリンセスがいるんだ

「…どこにも行かねぇよ」

「うん…」

瑠璃は小さく頷いた

バカな奴…

「私を殴れなかったから…別の物に当たりに行くと思って…」

はぁ?

「俺がなんでお前を…」

「だってさっき…」

さっき…

ああ、そうか

瑠璃の横にウィルの姿が見えてぶん殴ろうと拳をあげたっけな

ん?

って言うことは

「お前…殴られると思いながら寝たふりしてたのか?」

身じろぎ一つしていなかった筈なのに…

「…キースに殴られるのなら仕方ないって思ったから…」

誰がお前を殴るか!

俺が殴りたかった奴は…!

言葉にするのもムカつく

「それで気が済むなら…」

瑠璃はきっと俺が首を絞めていても逆らわなかっただろう

俺に殺されても仕方ない…

それぐらいの罪を背負っちまったのか

「バカだな…究極のバカだ」

俺は体を起こしてそのまま瑠璃を抱きしめた

何回言わせるんだ!1人で背負うな!

「バカでいいです…」

「バカになれ!」

「どっちなの」

瑠璃は汗臭いだろう俺の胸にしがみついて文句を言った

「この状況を理解して納得するような賢さはいらねぇんだよ!泣き喚け!怒れ!俺を殴り倒せよ!」

「…怒るくせに」

「ああ!怒るさ!怒って口喧嘩して後に残すな!」

「…B型」

「関係あるか!」

いいんだ

これでいい

何でもぶつけてこい

俺は何でも受け止めてやると言い切れるほど大人じゃない

言っても取りこぼすのがオチだ

だからといって手加減するな

そうやって俺も成長するんだから

「ノーブル様は私にわざと試練をくださったのかもしれない…」

瑠璃の声が胸元から聞こえた

試練ってなんだよ…

「私がちょっとのことで、また眠りから覚めないような事がないように…」

俺が浮気したと思う度に瑠璃は何日も目を覚まさない事があった

無意識のうちの自己防衛…

そう言えば今回、それは無かったな

お互い様だからか

俺だけじゃなくて自分も…罪悪感が逆に自己防衛を止めたか

「私が強くなれるように、一段階段を上らせてくださったんだって思ったの…ううん、思うことにした」

随分と手荒な逆療法だな

納得しきれないが、瑠璃がそう解釈する事で平穏な気持ちになれるなら、それでいい

「だけど今度ノーブル様が俺達に同じ命令を出したら、マジで銃口を向ける…もう二度とお前を他の男になんか渡さねぇ!」

渡すどころか触らせたくもない!

俺だけの瑠璃だ!

顔を上げさせると汗にまみれて髪が額にくっついて

スッピンで

素足で

こんな素のままのコイツを誰も知らないだろう

ドレスや化粧や宝石で着飾った時よりよっぽど魅力的な瑠璃を…

俺達は久しぶりに長く長く唇を重ねた

存在を確かめるように何度も啄んだ後は、気持ちを確認…

どれだけ愛しているか

どれだけお互いを必要としているか…

深く深く求めあった

瑠璃の口から甘くねだるような吐息が漏れる

舌が痺れるほど吸いあった

息苦しくなってようやく唇を離すと上気してとろけるような目をした顔がある

「…俺の方が上手いだろ?」

ニヤリと笑うと瑠璃はキョトンとして…理解した途端、可愛く睨んできた

「…アイツの事なんか微塵も思い出さないくらい感じさせてやる…」

そう言うと俺は瑠璃の抱き上げて部屋へ戻る

「…他国のプリンセスは…どうでした?」

…反撃してきやがったか

「それはお前次第だな」

「…性格悪い」

「よく言われる」

ははっと笑う

笑えた

この話題で…

「…真鈴じゃないからな」

それだけは伝えたかった

瑠璃が最も信頼する友人だけは避けたかった

真っ先に候補から外した

「…ありがとう」

瑠璃はぎゅっと首に抱き付いた

それ以上は言うまい

レイラだと知る必要はない


シャワーを浴びてからゆっくりとベッドで向き合う

互いに何も身につけず、飾らず

薄明かりの中、そっと肌に触れた

その柔らかな胸の感触にだんだん我を忘れていく

なぁ…

お前はバスケットのボールみたいに俺というゴールにどんどん飛んでこい

お前が来なきゃ俺はただの穴の開いた網でしかない

その代わり飛んできたら多少ずれても取ってやるから…

「…ゴールは私用に1つだけよ…いくつも他の場所に持たないでね」





…当たり前だろう

ちょっと間が空いたのはお前が予想外の事を言うからだ!

俺達はじゃれ合うように、そして熱く激しく抱き合った

肌が吸い付くように絡み合う

瑠璃しかいない…こんなに体も心もピッタリとあうのは

瑠璃に甘い悲鳴を上げさせながらようやく心の中の拳を下ろすことができた

…ああ

すっきりした




今日は公務、休むか



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Category - 番外編

4 Comments

ララぽん☆  

ホントにおさまってよかったです~

私ももう少し激しいやり取りがあるんじゃないかと心配してました。

他国との温度差、あるでしょうね…
でも、ある意味このお城の主役だからしょうがないかも…

今後の展開も気になります!


2015/07/01 (Wed) 12:49 | REPLY |   

chika  

拍手の数をみる限り

キース<ジョシュア<グレン<ウィル<エドワード<ロベルト

やっぱりもめた方が楽しいのね(笑)

2015/07/01 (Wed) 12:39 | REPLY |   

chika  

本当はもう少し猟奇的だったり暴力的だったりするシーンも考えたんだけ

いかんいかん( ̄○ ̄)!他国との温度差がありすぎる!と思ってやめましたわ(笑)

最初のパーティーが怖いわ~

2015/07/01 (Wed) 07:24 | REPLY |   

洋海  

ここだけが相手が判っているからね〜^^;
キースだしどうなる⁉️と思っていたけど、普通に収まりましたね笑

こういうのって若い2人にはきっと重いよね💦
2人の時には昇華したつもりになれても、相手の顔見たらどうなんだぁ〜❓って思いました♡笑

2015/06/30 (Tue) 14:08 | REPLY |   

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