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すぐそばにある光~ケヴィン~41

Category - season2番外編
俺はキース前国王とおばあ様とリュークから一斉に視線を浴びて、笑うしかなかった

「…ケヴィン」

20代の時よりドスの利いた…じゃないや、威厳の深まったキース前国王の声がぐいっと前に迫ってきた

「何を隠している?…吐け」

取り調べじゃないっつーの

キース前国王が刑事ならあのマフィアのボスも全部吐きそうだな

「お前がなぜフレディを知っている?爺が亡くなったのはさすがにお前が生まれる前だぞ」

さすがにって…フレディはいくつまで生きたんだろう

世界新とか持っていそうだけどな

「ケヴィン様は封印された箱の中のボトルにサインをされていました。キース様のご婚約会見のビデオの中で、祖父とフレディ様がケヴィン様に話掛けておられました。それも理由がおありなのでしょうか?」

それとも手品でしょうかとリュークは首を傾げる

「ボトルにサインは出来てもアレックと爺がケヴィンを知っている筈がないだろうが!」

キース前国王は現実的だ

ちゃちな手品ならすぐに見破られそうだ

「俺の前でシラを切り通せると思うなよ」

キース前国王が鋭い眼光が全身に突き刺さる

俺はあっという間に白旗を上げた

「これは俺の空想とかじゃないですからね。信じて貰えないかもしれないですけど」

「それは聞いてから俺が判断する」

バッサリ…

キース前国王に最後の退路を断たれて、俺は体験してきた不思議な出来事を話し始めた

目が覚めたら50年前だった事

外見が20代のリュークだったこと

つまり、俺は50年前にタイムスリップしただけでなく、リュークとも入れ替わったのだと

「……」

「……」

「……」

3人は無言のまま固まっていた

いきなりそんなSFチックな話しをされてもなぁ…って普通なら思うだろう

「お前がその時代にいた証拠はあるか?」

意外にもキース前国王は頭から否定はしなかった

「とりあえず…アレックに持ってきて貰ったリュークの生まれ年のワインにサインをして封印してもらいました。なぁリュークは見たよな」

「はい!箱は紐で十字に縛られ、その上から蝋で封印され、祖父のサインが上から書かれていました。あれが手品だと仰るなら種を教えて頂きたいです!」

リュークは興奮気味に身を乗り出していた

「そんなのは手品としてよくあるネタだ。仕掛けさえ出来ていれば誰にでもできる」

キース前国王はあっさりと言ってのける

それ以外かぁ…

「キース“王子”の執務はしっかり間近で勉強させて頂きました」

その時に関わった内容を伝えてみる

「…時期的に間違っちゃいないな」

って言うか50年前の公務を覚えているのかよ

この人の頭脳は老いとは無縁だ

「何度か瑠璃様、おばあ様の車椅子を押しました!あっ!ミッシェル城の長い階段をパーティー用の特注の大きな車椅子を背負って上りました!」

「…随分と小さな事覚えてるな」

「めちゃくちゃ重かったですから…」

そう訴えるとキース前国王は可笑しそうに笑った

「アレックや爺の事は?」

「フレディはもしキース王子の前でケヴィンの名前を出してしまってはいけないからと俺のことは《若の孫》って呼んでました」

「爺らしいな」

「いつもゆで卵をつるんって食って、魚の干した物をマヨネーズと、なんか赤い粉をかけて食ってました」

「あら!それは七味だわ!」

おばあ様が大きく目を見開いた

何でもおばあ様の祖国の調味料で結構辛いらしい

フレディはそれを気に入ってよく使っていたからおばあ様は実家から送って貰っていたんだと

「そんな私的な細かい事は私も祖父も執事日誌に書きません!」

一宮廷医師だしな

国王様の事ならともかく…

それから

「シェリル王妃様はこの頃シャルル産の赤ワインがお好みでしたが、急にドレスヴァンのワインがいいと言われて…大量に仕入れていたシャルル産のワインをどうしようかとアレックやコック長と悩みました」

「そうだわ!私達が婚約する前位は、よく料理にシャルルの高級ワインが使われましたもの!コック長からもお菓子作りに使っていいと言われたわ」

おばあ様の頭の中もまだまだ健在のようだ

「チョコワインケーキとか、サングリアにしてシフォンケーキとか覚えてます?」

おばあ様が言うとおじい様は懐かしそうに微笑んだ

「…記憶にございません」

逆にリュークがガックリと首を垂れた

「ケヴィンがお前の体を乗っ取っていたならお前の頭はどこかに飛んでいってるんだろ」

容赦ない言葉にリュークは更に落ち込んだ

まぁ、そのケーキ食ったの俺だし

「キース様と瑠璃様の大切なご婚約前に私はどこに行ってしまったのでしょうか…」

記憶が途切れ途切れになっているのは忙し過ぎたせいだと思っていたリュークは真剣にへこんだ

「あ…そういえば瑠璃様の車椅子押して休みの日に買い物行きました」

「そんな事もあったわね」

「その後キース王子にめっちゃ怒られました」

「そうね。怒ったわねぇ~」

クスクスとおばあ様が笑うとキース前国王は思いっきりムッとした

思い出すな~あの時のバトル

「わ、私覚えております!」

リュークが叫んだ

その記憶はあるのか?

キース王子の剣幕は凄かっ…

「瑠璃様にマフラーを選んで頂きました!」

そこかよ!!

俺は思わず突っ込んだ


~つづく~

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