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2課の彼の恋~八千草瑛希~3

ああ、あの時の!

瑛希君に言われてようやく思い出した

割とスピーディーに解決したし

犯人の男は人質になった男の子の実の父親で

離婚した妻会いたさに起こした事件だった

だから警察の介入も最小限だったし

犯人もあっさり自供して罪も認めた

だからと言っちゃなんだけど、次々起こる事件に埋もれてしまっていた

けれど瑛希君は気にしていたんだね

「死んでもいいって言う子をそのままにしておけなかったんだ」

そこが瑛希君の優しい所だよ

私がそう言うと瑛希君は照れたようにコーラを啜った

「幼稚園の先生とか、学校の先生とかはさ、誰にでも好かれようなんて思っちゃダメなんだよ」

瑛希君は苦笑混じりにそう笑った

「お遊戯会1つとっても、主役を決めたら必ず主役じゃない子供の親からクレームが来るしさ。どうしてうちの子がお姫様じゃないんだって怒鳴り込んで来る親がいるのさ」

だから今の幼稚園のお遊戯会は白雪姫が5人とかいるわけだ

「アメリカだとウィッチやヒールはクールだって言う子が何人かはいるからね」

つまり…魔女や悪役はかっこいいって言う子がいるってことね

「日本は《勧善懲悪》だから悪役はかっこよくないんだ」

「勧善懲悪なんて誰に習ったの?」

「修介さんだよ~日本が知りたかったら水戸黄門と暴れん坊将軍を見ろって言われた」

…そのチョイスでいいのかは後で考えよう

「だから…誰にでも優しくありたい、誰からも好かれたい、みんなと仲良くしたいって思ったら…仮面をかぶったいい子ちゃんでいないといけないんだ」

それは…瑛希君自身の事じゃないのかなってちょっと思った

本音を隠して笑顔の仮面を貼り付ける

時々そんな印象を感じるの

「それって辛いよね」

私が言うと瑛希君はコクンと頷いた

「僕は彼女がそれで苦しんでいるって気がついたんだ。いい子でいるにはそれだけ板挟みにもなるって事だし…悪く言われても笑顔でかわせなきゃいい子でいられない…ジレンマだよね」

瑛希君だから気がついた彼女の背負った闇だったのかもしれない

子供と親と、親と同僚や上司

いろんな所で挟まれて、みんなが笑顔でいられるように頑張れば頑張る程疎まれて

みんなの為に頑張ってるのに悪口言われて

味方は誰もいないって思えてくる

それでも文句や反対意見を言わないいい子ちゃんでいなきゃいけなくって

自分で作ったルールに縛られて動けなくなっちゃう

心が壊れるきっかけってそういう事かもしれない

「もがくほど絡まっちゃうんだよね…」

瑛希君も経験したのかな

いつしかハンドルを抱えて遠くを見ていた

「僕だけじゃなくて2課の人、みんな前の職場でそうだったかもしれない…みんな行き詰まって居心地の悪さを感じていたのを野村さんに拾われて2課に集められたんだ。それって凄いラッキーだよね」

うん…本当にそう思う

今ある場所が本来の場所

そう思う

「だから、彼女も見捨てれなかったんだ。野村さんがしてくれたように僕が彼女に手を差し伸べたかった。う~ん…言い方が変だけどそんな感じかな。あっ!でもそれって同情じゃないからね!」

「んふふっ~愛情だよね」

「…香月ちゃん、ストレート過ぎ」

瑛希君は耳を赤くして可愛く私を睨んだ

「よくわかんないけど、一緒にいると分身みたいな気がするんだ」

「それが運命の人って事かも?」

「さぁ~どうだろうね」

まだまだ始まったばかりの瑛希君の恋

成就するのかな

してほしいな

なんか可愛い弟の恋愛相談に乗ってる気分

んふふふふふ~♪

お姉ちゃん楽しみ!

「で、香月ちゃん」

「なぁに?」

「香月ちゃんは誰と花火大会にいたの?」

……

……

瑛希君の100万ドルの笑顔がこっちを向いた

……ヤバい

「僕の話だけで終わろうなんて甘いこと考えてないよね?」




こんなにも早く張り込みが終わらないかって思ったことなかった

私は必死で笑顔の仮面を貼り付けた


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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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