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2課の彼の恋~花井一沙~1

「今朝の申し渡しは以上だ」

朝の桐沢さんの声で私達はそれぞれの机に戻った

今のところ、急いで現場に出る案件はない

のんびりとした空気が2課に漂っていた

「ほんまに昨日の花火大会、大変やったなぁ!」

天王寺さんがうーんと伸びをしながらぼやく

一瞬ギクッとする

天王寺さんもいたの?!

「おかげで帰る頃、めちゃ混みやったわ」

そういう事か…

ちょっとホッとした

チラッと花井さんを見ると平然とパソコンを見ている

見られても…よかったのかな

花井さんと手を繋いでいた人は一言で言って綺麗だった

美人という概念を形にしたような感じ

まぁ、私と真逆と言えばわかりやすい

自虐的だけど…

あのジャイアン花井さんが日頃見せないような優しい顔をしていたのが印象的だった

いいなぁ美人って

「瀬名、不機嫌?」

浅野さんが不思議そうな顔で私をじーっと見ている

「朝ご飯足りなかったの?」

瑛希君が引き出しからスニッカーズを出してくれた

「違うよ~」

と言いながら受け取る

「言ってる事と行動がちゃうやん」

「嫌と言っても、本音はもっとと言うのと同じです」

天王寺さんと京橋さんの会話を聞きながら一口かじる

あれ?

花井さんが参加して来ないなぁ

見るとまだじっとパソコンを見ている

なんか文字を追っている気はしない

心ここにあらずって感じ

昨日の彼女とのこと思い出しちゃってるとか?

花火大会終わってから…それから…

…やん󾬚

自分も征司さんとの事を思い出しちゃう

んふふふふふ~

「そんなにスニッカーズ美味しかった?もう1本あげようか?」

瑛希君の天使の声と一緒に首から紐が掛けられた

浅野さんが紙に穴開けて紐を通した物を私に掛けたのだ

「ん?」

《むやみに餌を与えないでください》

「コラッ!」

「吠えた…」

「スニッカーズじゃあかんのやって。やっぱり唐揚げトンカツ、カルビ乗せチャーハンやないとな」

おお!魅力的な響き!

「朝からキツい…」

「朝じゃなくてもいらない…」

「そんなに食べたら腰の動きが鈍ります」

浅野さんと瑛希君と京橋さんが顔を背けた

美味しそうなのにな

…う~ん

やっぱり花井さんは無言だ

変だな…

首を傾げた時、メールをチェックしていた桐沢さんが花井さんを呼んだ

「花井、この前の件の返答が来たぞ」

この前の件ってなんだろう?

「あ、はい…」

覇気のない返事が返ってくる

「なんやボーナスの査定か?」

「昇進試験結果とか?」

「彼女の身辺調査では?」

あ…

京橋さんビンゴかも

バカ正直に桐沢さんと花井さんの肩がピクッと動いたもん

さすがに2課の面々は取り調べのプロ

すぐに察知した

「なんや一沙、水臭いやんか」

天王寺さんがこれでもかっていうくらいの笑顔で近づいていく

まるで獲物を見つけた肉食獣だ

「一沙さん、彼女出来たんですか?それもボスに報告するくらいの」

「当然結婚を視野に入れての調査ですよね」

「…ただの調査は職権乱用」

あっという間に花井さんの周りに人垣ができた

「お前らちょっとは遠慮しろ」

桐沢さんが呆れたように笑う

否定しないこの時点で確定だ

「やっぱり昨日の…」

私が言葉に出すと花井さんが振り返った

「ああ、瀬名もいたよな」

え…

それは本当に見たのか、花井さんのハッタリなのか

ああ!わからない!

「瀬名は女子会か」

天王寺さんの勝手な推測にとりあえず頷いておいた

「ふふん…そうしておいてやるか」

小さな呟きに黙って背を向けた

花井さんがボスに報告する程の彼女かぁ

いつしか私も花井さんの後ろからパソコンを覗き込んでいた



~つづく~

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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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