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2課の彼の恋~浅野脩介~2

天王寺さんとパトロールに出た

大して事件も起こってないし、珍しく平和

「今日も定時に帰れそうやなぁ」

「また彼女の店行く?」

「せやなぁ~…アイツの飯、落ち着くねん」

天王寺さんははははと笑った

天王寺さんの彼女の定食屋さんはこの前2課で押しかけた

これでもかってくらい冷やかして楽しかった

一度冷やかしたらそれで満足

後は毎日ちょくちょく冷やかせばいい

ご飯美味しかった

胃袋を掴まれるって言うのはああいう事

毎日帰りたくなる

いいな…

それが家庭って言うものか

俺もいつか家族できるかな

そんなほのぼのとした気持ちでハンドルを握っていると

「…っ!」

急に路地から子供が飛び出してきた

慌てて急ブレーキを踏んだ

キキーッ!!

シートベルトが思いっきり締まる!

「おお!」

天王寺さんがつんのめりながら叫ぶ

子供は俺達に振り向く事なく突っ切って行った

「なんやねん!」

「…危なかっ…」

目が点になる

「ばふっ!」

大きなモフモフの犬が前を走って行く

オールドイングリッシュシープドッグだと思う

あんまり見ない犬種だ

子供はこの子に追いかけられてた?

「待って!待ちなさい!コタ!」

その後ろを今度は女の人が全力疾走していった

共通するのは3人…じゃない2人と1匹は全然俺達の方を見ていないって事

あれは危ない

「ほっといたら事故るで!」

天王寺さんの声に俺はすぐにハンドルを切った

角を曲がると、大きな公園がすぐにあって

子供も犬も女の人もみんな公園に駆け込んでいった

「脩介!追うでぇ!」

天王寺さんは俺が停車させる前に飛び降りていた

子供と犬と女の人は公園を走り回っている

ぐるっと回って…

こっちに来た

「よっしゃ!坊主!こっちやで!」

天王寺さんが大きく両手を広げると、子供は思いっきり飛び込んできた

天王寺さんはそのまま担ぎ上げて肩車をした

次は犬っ…!

「コタ!」

後ろで女の人が叫んでる

「コタ!」

俺はおそらくこの犬の名前を呼んだ

呼んですぐにわかった

この犬は子供を襲おうとしてるんじゃない

遊んでるんだ

だって顔が笑ってる

モフモフのシッポもビュンビュン振っている

「コタ!おいで!」

俺も天王寺さんみたいに両手を広げた

「ばふっ!」

コタはモフモフで目も隠れてるけど、口元は笑ってて

俺が広げた手の中に思いっきり飛び込んできた

どんっ!

コタの全体重が体当たりしてきた

後で調べたら、オールドイングリッシュシープドッグは40キロくらい

そこそこ大きい…

その大物が体当たりしてきて、俺は仰向けに倒れた

「わふっ!わふっ!」

コタは俺の上に伏せて顔中を舐め回した

「こ、こらっ!小太…郎っ!」

ゼイゼイ言いながらようやく女の人も追いついた

コタの名前は小太郎だった

女の人は息切れして俺の横で座り込んだ

「わふっ!」

相変わらず小太郎は俺の上でシッポを全力で振っている

「コタ!僕の勝ちだぜ~♪」

天王寺さんの頭の上からいたずら小僧がガッツポーズを取った

「なんや!追っ掛けられとったんとちゃうんかい!」

「そんなこと一言も言ってないじゃん!コタと鬼ごっこしてたんだよ!」

「ばふうぅ~」

小太郎は俺の上から男の子見上げて不服そうに唸った

肩車なんてずるいじゃん!

…って言ってるかも

「コタ!どきなさい!重いでしょう!」

女の人は這ったまま近づいてきて小太郎を引っ張った

「ばう!」

小太郎は明らかに拒否して俺にしがみついてきた

…可愛い…かも

「脩介、これがドーベルマンとかやったら払いのけとるやろうけど、モフモフやから気に入ってるやろ」

天王寺さんの言うのは正解…かも

でも…

「コタ…さすがに重い…」

俺がそう言うと小太郎は首を傾げてから横にずれた

人間の言葉がわかるのかな

「もう!本当にすいません!小太郎!ごめんなさいして!」

女の人に頭を押さえられると小太郎はくぅん~と鳴いて頭を下げた

「違うよ!僕と遊んでただけじゃん!それが小太郎の仕事だろ?!」

男の子は天王寺さんの肩から降りるとふくれっ面で女の人の前に立って一人前に抗議した

「小太郎の仕事…?」

俺がようやく起き上がって芝生は払うと女の人はちょっとため息をついた

「うちはレンタルペットのお店なんです。この男の子、翔太君はお客様で…小太郎はうちの社員です」

こんな幼稚園児くらいの子がお客で犬が社員?

頭にいっぱいクエッションマークが浮かぶ

「犬を飼いたいけど飼えない人や、飼う前にお散歩の練習をしたい人とかにわんちゃんを貸し出して遊んだり、お散歩してもらうんです」

「へぇ~いろんな商売があんねんなぁ」

天王寺さんが感心している

その前にいっぱい疑問があるけど…

「こんな小さな子供にこんな大きな犬を貸していいの?」

俺の疑問を批難と思ったのか、女の人はすごく頭を下げた

「すいません!翔太君はいつもお母さんと一緒に小太郎をレンタルしに来てくれる常連さんで…てっきり今日もお母さんと一緒だと思ったら…」

「ママはお仕事なんだよ!だから僕が一人で来たんだ!すげーだろ!」

なぜか翔太は胸を張った

いつものように小太郎をレンタルして、いつものように小太郎と遊んだだけなわけだ

「でも、道をちゃんと見ないで走っちゃダメ。もう少しで翔太と小太郎を轢く所だった」

俺が言うと

「そうなのか?」

と首を傾げる

自覚症状ゼロだ

「小太郎が車に轢かれたらどうするつもり?小太郎死んじゃうよ」

「……」

「もちろん翔太もケガしたらママは泣くよ」

「…うん」

「お金出して小太郎を預かったら、小太郎の命を守るのは翔太の務め。わかる?」

「…わかる」

「わかるならいい子」

俺は翔太の頭をワシャワシャと撫でた

「ほな、安全な所で遊ぶか!」

天王寺さんが翔太と小太郎と一斉に公園を走り出した

キャッキャと騒ぐ翔太と、バフバフ言う小太郎の声があちこちから聞こえる

「…天王寺さんズルい」

先を越された

俺だって遊びたいのに…

「行きましょう!」

「えっ…」

不意に腕を掴まれて

俺は彼女と一緒に小太郎達の元に走って行った


~つづく~
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

2 Comments

ちこりん  

別の花火大会でも、おっけー???

もふもふワンコ…(//∀//)添付ファイル、有難うございます!!
この犬種で飼い主さんが、抜け毛を毛糸にしてセーター作ってたのをテレビで見たのを思い出しました(笑)

天王寺√甘いの、有難うございましたm(__)m
ピアス……、豊サンも番長みたいに、40歳になったらでっかいダイヤにするのかしら?!
いや、職業上NGだ!!
徹ちゃん、怒ってしまうわ~

2015/08/25 (Tue) 22:17 | REPLY |   

chika  

書いてから矛盾に気づいたわ!

天王寺さんの彼女が出てきたら花火大会に脩介を見たっていう設定の時系列が合わないじゃんねぇ!

天王寺さんを見た花火大会の1年後の花火大会にでもしようか(^◇^;)

2015/08/25 (Tue) 21:17 | REPLY |   

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