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2課の彼の恋~野村忠信~4

今日も一期一会を実施してきたけど、なんだろう…

心が満たされない

可愛い女の子だったよ

名前は最後まで聞かなかったけど

もう逢うことないからね

ホテルを出て最寄りの駅まで彼女を送って、ハンドルを自宅に向ける

窓を開けたらちょっと寒くなって身震いをした

「あれ…?」

ふと見ると行ってしまったバスを全力で追いかけた後、がっくりとうなだれている女性の姿が目に入った

あれは…

「○○ちゃん?」

俺がウィンドウを開けて声をかけるとその女性は目一杯怪しそうに髪を掻き上げながら俺を睨んだ

「えっと…自分とこの上官の顔くらい覚えていて欲しかったりするんだけど…
副参事官の野村だよ。○○警部補」

「あっ!野村副参事官!失礼しました!」

○○ちゃんは慌てて直立不動になって敬礼した

「信じてくれたならいいや。で、どうしたの?」

「あの~最終のバスに乗り遅れたところです」

ああ…今のバス、最終だったんだ

「今日は土日運行の時刻表でした!いつもより早いって忘れてました」

「遅くまで飲んでたんだね」

「はい。事件解決の打ち上げで…」

この前のひき逃げ事件かな

「とりあえず、乗りな。送ってあげるよ」

「えっ!それは…そんな副参事官にっ!」

「大丈夫~取って食わないからぁ~」

俺がそう言うと彼女は緊張しながら助手席に乗り込んできた

「助かりました!お恥ずかしい話…タクシー代も怪しくって…」

聞けばやっぱりこの前のひき逃げ事件が解決して、その打ち上げで部下達に大盤振る舞いして、お財布が寂しくなっちゃったみたいだ

「若い子がとっても車に詳しくって、その知識のおかげで早期解決できました」

一生懸命俺に部下を褒めて聞かせる

あの丸ちゃんって子だね

「松下さんは来春には定年ですから、未解決ゼロで送り出してあげたいんです。交通捜査課一筋でいっぱい貢献してくれましたから」

「うん。縁の下の力持ちは大切にしないとね」

俺がそう言うと彼女はちょっとびっくりしたように目をパチパチとした

「ん?なぁに?」

「いえ…キャリアの方でもそう思って下さる方がみえるんだなぁって…」

藤宮の言葉が蘇る

交通課の部長と課長は学歴が高いだけのポンコツキャリアだ…って言ってたな

「まぁ、いろんなキャリアがいるから~」

俺は苦笑するしかない

キャリアに対するイメージなんてあんまりいいもんじゃないからね

「ところで、○○ちゃんは交通捜査課以外に興味はある?」

「え?」

彼女は助手席のシートの背もたれにもたれる事無く俺を見つめた

「どこか異動希望とかある?」

「それは…ひき逃げ班を出ると言う事ですか?」

ゴクッと彼女が息をのむのがわかった

「私を出せと…?」

「ん?違うよ。君は交通捜査課に必要だと思う。けれどそんな優秀な警部補を右腕に欲しいっていう警部がいてね」

「…桐沢警部ですか?!」

おや?

一瞬、目が輝いた?かも

「う~ん…それはまだ秘密。一応本人の意志を確認しておこうかと思ってさ」

「私は…私ごときの希望ですけど」

うん。聞くよ

「いつか桐沢警部の元で動いてみたいって思っています。特命2課で…」

あらま

「だから、女桐沢なんて言われて申し訳ないんですけど…」

宮ちゃん振られたねぇ

桐沢LOVEか

ちょっと面白くないなぁ~

「ま、心には留めておくよ」

と言いながら無理だろうなと心でため息をつく

階級でいけば桐沢と花井の間に入ることになる

悪くはないけどバランスがね

理想は

桐沢、花井、天王寺、○○、京橋、浅野、瀬名、八千草か

だね

やっぱり異動させるなら国際捜査課の方がいい

宮の右腕に…

なんてうまくいくか

人事って面倒…

人事課の連中って大変だなぁ

なんて思いながら…

面白い逸材を見つけた時の高揚感

隠れた才能を見出した時の快感

そんな癖のある連中を集めて動かしたら1+1が10にも20にもなった時の達成感

これぞキャリアの醍醐味だよね

人を自在に動かせる権利をフル活用できた時そう思う

今の2課はそのものだし

そして今、それをまた感じてる

この子を見つけた

2課のメンバーを見つけた時と同じくらい興奮してる

でもそれは…

同じ女の子でも香月ちゃんを見つけた時と何か違う

なにか…

なんだろう…

桐沢の下で働きたいって目を輝かせた彼女を見た時の、小さな小さな胸の痛み

自分でもわからない感情はまだこの時すぐに忘れられた


~つづく~

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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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