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2課の彼の恋~lovely kitchen~野村忠信

家に帰って扉を開ける

開けた途端に焦げ臭い匂いが怒濤のように押し寄せてきた

「火事か?!」

慌てて部屋の中に飛び込む

煙はキッチンからだ

俺、何か鍋をかけっぱなしだったか?!

それともトースター?!

袖で口を押さえてキッチンに飛び込むとなぜか人影が見えた

「誰だっ!」

玄関そばに近々行く予定で手入れをしようと思っていたゴルフクラブがあるのを思い出したが

室内じゃ逆に邪魔だ

2、3人なら1人でなんとかなるか…

咄嗟に身構えたけど…

「ゴホッ!」

咳き込んだ声が聞こえて

「ん?」

俺は姿勢を元に戻した

煙った中には咳き込みながら立ち尽くす○○の姿が見えた

「○○ちゃん?」

俺が声をかけると、弾かれたようにリビングに走り、一斉に窓を開けた

夏の終わりの涼しい風が一気に流れ込んできて

まるで霧が晴れるように部屋の空気が透明になった

それと共に焦げ臭い匂いも爽やかな空気と入れ替わった

…多少臭うけど

「どうし…」

「ごめんなさいっ!」

俺が言い終わる前に○○は深々と頭を下げた

近づいてみると、真っ黒になった鍋の中に、原形がなんだったかもわからない黒焦げの物体がこびりついていた

「とりあえず…ケガはない?」

「あ…はい」

俺はまだぼう然ともしている○○の両手に触れていろんな角度から見てみる

「火傷とかはしてない?」

「…はい」

シュンとしょげた姿は職場での凛とした《女桐沢》の面影もない

「俺が思うに、料理を作ろうとした?」

「…はい」

キッチンを見ると、大量の玉ねぎの皮と、かなり分厚く切られたジャガイモやニンジンの皮が生ゴミ入れに入っている

結構…身は小振りになったと推測される

「何を作ろうとしたか聞いてもいい?」

「…カレーを」

カレーってあんまり失敗しないような…

「水を使わないカレーが体にいいって料理のページにあったから、作って見ようかな……………と」

なんだか宿題をしなかった子供が親に怒られてるみたいで

「くくくく…っ」

つい笑っちゃった

「笑うなんてひどい!一応チャレンジしたのにっ!」

○○は悔しそうに唇を噛んだ

確か前に聞いた時は大学生と新社会人の弟2人と3人で暮らしてるって言ってたな

姉が刑事で家を空けがちだから家事の殆どは弟達がこなしている

特に大学生の弟は料理の腕がよくって、玄人はだしらしい

つまり…

「料理作ったことないんだよね」

「全然じゃないです!1回や2回や3回…程度は」

まぁ、それを初心者と言うんだけど

「水無しカレーって何?」

俺も立場上、美味しいもの食べに行く事は多いけど、作るのは無理

酒のつまみは切ってあるチーズと、袋を開けるだけの生ハムと、蓋を開ければいいナッツ

以上

だからついつい洋クンや征司クンみたいな料理男子にフラフラとついていってしまう

あ、宮はこっち側の人間

あいつも刺身や惣菜を買ってくるタイプ

仲間~♪

水無しカレーなんて聞いたことないんだよね

彼女はカウンターの上に置いてあったスマホを俺に見せた

《我が家の健康水無しカレー》

ってあるレシピ投稿サイトだ

要は玉ねぎをコトコトコトコト…気長に焦げないように炒めて、野菜から出る水分だけでカレーを煮ようって事かな?

水無しで鶏肉とかどうするんだろう?

「それはここに炒めるって…」

彼女が指さす所を見るけど、炒めたって鶏肉ってそんなに簡単に火が…

「ねぇ、鶏肉のぶつ切りじゃなくって挽肉って書いてあるよ」

「え…」

「…だよね」

きっと圧力鍋とか使えばできるんだろうけど、生憎我が家にそんな物はない

「《最初に玉ねぎのみじん切りを弱火で15分くらい置き、その後15分弱火でじっくり焦げないように炒める》って…置くと炒めるって違うの?」

俺が聞くが彼女は首を傾げる

大雑把にまとめると、30分弱火でずっ~と炒めて続けるって事かな

「…それって」

短気な○○ちゃんじゃあ難しいんじゃない?

黙秘権を使う容疑者を30分間黙って睨み続ける事はできても、玉ねぎ30分は…

「くくくくっ…」

また笑っちゃった

「ああもう!情けないったら!」

○○は絞り出したように叫んだ

「カレー1つ作れないなんて、女子力なさ過ぎるでしょ!」

「そう?」

俺は悔しがる彼女の頭をぽんっと撫でた

「俺には○○はとっても女子力高いけど?」

「だけどっ!自分の彼女が料理下手って嫌じゃないですか?もっとこう…女らしく、エプロン姿も似合って、何でも冷蔵庫の中身で作っちゃうとか」

「まぁ…出来たら出来たで嬉しいかもしれないけど、それって女の子の身長は160cmは欲しいよねっていうくらいどうでもいい条件なんだけど」

「…野村さんは私に甘すぎます」

「うん。洋クンにも言われた~」

「私、甘やかされたらダメになっちゃう…」

そうだねぇ

○○は失敗して怒られて、この野郎って思いながら歯を食いしばって上に上がってくるタイプだ

だけどそれは仕事の時だけでいいんじゃない?

「仕事は自分に厳しく他人にも厳しく。プライベートは自分に優しく、で~俺にも優しくがベストかな」

俺は彼女をギュッと抱きしめた

「最初に言っただろ?俺に甘えなさいって。これ、上司命令だって言ったら聞いてくれる?」

腕の中で俯く○○の頬に手を当てて上を向かせる

すっかりいじけた可愛い《女の子》がそこにいた

俺にはそれで充分

「料理の腕を磨くより、男に甘える術を覚えて。もちろん俺限定にね」

頬を撫でてそっと唇を重ねると、ちょっと遠慮がちに首を傾けた

「夕飯はどこか外に行けばいいよ…」

「…ごめんなさい」

唇を離して額をコツンっとくっつける

「あ、でも先にメインディッシュが欲しいな」

「メインディッシュ?」

「1週間も○○を抱いてないから、俺の体はもうカラカラに干からびそう」

「…そういうもの?」

「そう。男の体ってそういうものなの」

だから…潤して…

俺はまた唇を合わせて

今度は深く深く口づけた

○○の腕がようやく俺の首に回される

キスしたまま後ずさり

○○を壁に追い込む

俺の首に回されていた腕を解いて壁に押し付けた

「…野村…さ…」

首筋に噛みつくように唇を這わす

なんだろう…壊したい気分…

頑なな彼女を壊したい

素直に甘える女でいさせたい

それって男のエゴだろうか

片手で彼女の両手首を頭の上で押さえつけ、ブラウスのボタンを外しながらもう胸をはだけさせる

ブラジャーからこぼれた胸を思いっきり吸った

「ぁあっ…!野村…さん…っ!だっ…」

自分でネクタイを外して床に落とす

シャツだって脱ぎ捨てた

開いたままの窓から風が通り抜けてほてり始めた俺の素肌を撫でていく

彼女の上半身が全て曝け出されて

全てが俺のものになる

俺達は夢中でキッチンの床で絡み合った

ベッドに行くのは…また後で…

今は野獣のように焦げた匂いの中で抱かせてくれ



彼女は抱かれるほど声が甘くなってきた気がする

女らしく…可愛く…

それでいて俺を惑わせて…




結局外食はやめた

彼女が歩けないっていうから…

夜中にピザとフライドポテトとワインは太るけど…いっぱい運動した後だからいいか

って言ったら彼女に睨まれた


🍀END🍀
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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