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2課の彼の恋~俺の彼女や!~天王寺豊~2

いつものように暖簾を上げながらガラガラっと扉を横に開けた

「はぁい!おかえり~!」

相変わらずの明るいあいつの声が響く

《いらっしゃいませ》じゃなくて《おかえりなさい》と客を迎えるのは前の店主であるばーちゃんとの約束らしい

高校生の連中や会社帰りのサラリーマン、単身赴任のおっちゃんらに暖かい気持ちを渡してやって欲しいという願いのバトンをあいつは喜んで受け取った

「おう!ただいま」

俺も他のお客とおんなじように応える

「いいなぁ、こういうの」

真っ先にボスが感動する

「天王寺らしいな」

「暖かい…」

「MY HOMEですね」

「どうせなら『お風呂にする?ご飯にする?それとも…』って言って頂けると」

「京橋さん、初対面で変態発言は禁止です!」

奴らは相変わらずマイペースや

「胃袋を掴まれる前に独身男の心を掴まれたねぇ」

「だからさっさと一期一会辞めろって」

野村さんとボスはのんびりと後ろから入ってくる

「天王寺にはもったいない美人だね~」

早速野村さんが褒めてくれはる

そつが無い…

「まだ無効になると教えてやろうか」

いつか一沙は殴ってやる

「天王寺~ちゃんと紹介しろよ~」

野村さんの一言で一気に緊張してきた

なんでやねん!

俺は彼女の肩を抱いて一歩前に出た

「え~とぉ、俺の彼女の○○です。近い未来の…嫁さんです!」

「おぉおぉ~!」

なぜか唸り声と拍手が湧いた

はぁ~すっきりしたわ!

「皆さんの事は豊君からいつも伺ってます。これからもよろしくお願いします」

○○はしっかりと連中の顔を見て頭を下げた

さすが俺の嫁さんや

「上司より先に結婚するのはズルいよ~」

野村さんがははっと笑う

「野村さんとボスを待ってたら子供の運動会で勝てへんようになるやないですか!」

「子供の運動会?」

脩介が首を傾げとる

「そうやで!子供の運動会で他の父親をぶっちぎりで負かしたるねん!」

天王寺の父ちゃん、めっちゃ格好いいやん!とか言われるねん!

「徒競走と障害物競走とリレーで3冠王や!」

「…走るのばっか」

脩介は呆れ顔やけど、これは大切な目標や

「今の子供の運動会ってお父さんの年齢別って聞いたけど、そのうち職業別にもなるかも」

「瀬名!マジか!」

それは初耳や!

「ほんなら刑事は自衛隊とか、体育教師とか、そうや!野球選手とかJリーガーとかの分類にされるんか!?」

それは強敵やんか!

「天王寺、野球選手やJリーガーと同じ学校だったら結構セレブな学校だぞ」

ボスがまじめに答えてくれるけど一大事やで!

○○は俺の横でにこにこ笑ってる

「ほな、筋トレ兼ねて生ビール運んでや」

「おお!」

○○に言われて俺は厨房に入った

「すっかり手の平の上でころころ…」

「ですねぇ~」

脩介と瑛希がニヤニヤしとる

「手の平でコロコロ…」

克之が意味深な手つきをしとるが毎度の事ながら瀬名が制止した

いいコンビネーションや

俺はビールサーバーで生ビールを次ぐ

「お待たせ~飲んでや!」

片手で4個持って

つまり全部で8個持ってテーブルに運んだ

数あってるやろ?

「すげぇな!天王寺ビヤガーデンでバイトできるぞ」

ボス、公務員はバイト禁止やん…

「じゃあ、天王寺の結婚前祝いということで」

行き渡った生ビールを持って野村さんが乾杯の音頭を取る

克之はウーロン茶で

俺と○○もジョッキを持った

「乾杯っ!」

カチャカチャというグラスが当たる音も早々に

「ぷはぁ~♪」

「くぅ~♪きくう~」

と声が出る

まぁ、俺と瀬名やけど

「いっぱい料理出しますから楽しんでいってください!」

○○の声に瀬名は小学生の子供みたいに返事をした

「ねぇ、豊さん!出会いから説明してくださいよ」

瑛希が詰め寄ってくる

「プロポーズの言葉は?」

瀬名が目を輝かせる

「その前に付き合うきっかけは?」

「豊さんのテクニックを彼女に聞きたいのですが」

脩介と克之も取り調べのように迫ってくる

「もう向こうのご両親に挨拶に行ったのか?」

「緊張するだろうねぇ」

上司2人は刺盛りを前にしてすっかり寛いでいる

俺は熱くなった顔をパタパタ扇ぎながらひたすらビールをあおる

「やっぱり決め手は女子力?!胃袋掴まないとダメ?」

やけに瀬名はマジ顔で聞いてくる

「瀬名さんお待たせ~!ソースカツ丼が主食なんやろ?ヒレカツ揚げたからね」

「やったっ!!!」

お前が胃袋鷲摑みされてるやないか

「美味しいっ!私が男だったらお嫁さんに欲しいです!から揚げもジューシーで美味しい!ポテトサラダ手作りですよね!絶妙!ビール進むわ!」

「男前だね、香月ちゃん」

瑛希のは褒め言葉ちゃうからな

「本当に味付けがいいなぁ」

よっしゃ!ボスが言うなら本物や

「これなら多少野菜があっても食べられます」

克之の肉料理に野菜を細かくしたソースがかかっている

草を食べてる牛を食べているから、野菜は食べなくても大丈夫とかいう奴がおんねんって○○に教えてあるからな

定食屋なんてとか言いおった一沙にはハマチのカルパッチョや

定食屋でも横文字の料理はできるんやで!

「たこさん、うさぎさん、カニさん…これハニワだ…花と、ゾウさんもある!」

脩介が赤ウインナーの飾り切りとかいうやつに感動しとる

「わお!明太子カルボナーラだぁ」

瑛希も歓声を上げた

究極の和洋折衷だとか言って瑛希がハマっていた店が無くなってしもうたん

それで落ち込んでいた話を○○にしたらしい

あんまり覚えてへんけど

野村さんの好きなチーズ、ボスには広島の生ガキ

俺が毎日喋ってるどうでもいい話をちゃんと○○は聞いてて、今日もてなしてくれとる

やっぱ…最高の嫁や

「何にやけてるんですか」

バシッと瀬名が背中を叩いた

こいつ、もう酔ってるやろ!

「このっ!幸せ者!このこの!」

「なんや、お前ひょっとして俺に惚れとったんか」

「へ?」

目をまん丸にしやがる

「私が?天王寺さんを?天王寺さんに?」

「そこは速攻で『そうです!』って言えや」

「あ~はいはい!天王寺さんめっちゃ好きゃねん~♪」

「それはたかじんの歌や!」

俺と瀬名の掛け合い漫才もあいつはけたけた笑いながら料理を作ってる

きっと…

何年後かの俺達の家はこんな筈や

東京におっても関西弁の俺の子供らが掛け合い漫才してるのを母親になったあいつが笑いながらキッチンに立ってるねん

「もう、あんたらいい加減にしいや!」

とか言いながら

「瀬名、残念やなぁ~俺はこいつにベタ惚れやねん」

「ぶほっ!」

瀬名は盛大にむせ返り

他の連中はキョトンと動きを止めた


~つづく~
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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