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Un cigno e un filo rosso~アルタリア国王~3

バンッと思いっきり扉を開ける

優雅なクラシック音楽が生演奏で流れている中に、思い思いのタキシードを着た男達が一段高い段に椅子に座らされたルイーザの前で銘々にアピールをしていた

それを値踏みするように微笑みながら見ているのは父親か

「あっ…!」

その中の誰かが気付いた

ザワザワ…が一気に広がった

「えっ…!まさか!」

「あの衣装はっ…」

カツカツ…と音を立てて俺は中央へと進む

その後ろを全く動じることのない親友がついてくる

そう

アルタリア王室の正装をした俺と

リバティ王室の正装のジェームス

群衆がモーゼの十戒の波のように真っ二つに割れる

俺は迷うこよなくルイーザの前に歩み寄った

「…ギル…?」

今日のルイーザはピンクのレースがいっぱいついた可愛いドレスを着せられていて

「今日のルイーザは花の精みたいだね」

ルイーザ

なんて口から思わず出ちゃう

俺はポカンとしているルイーザの前にゆっくりとひざまずく

「アルタリア王国王子 ギルベルト・バトンです。ルイーザ姫に求婚したく参上致しました」

「ギル…ギルって…王子様だったの?!」

「そう見えなくてごめん」

ちょっと眉をしかめるとルイーザは泣き笑いのような顔をした

「お初にお目にかかります。リバティ王国ジェームス・アルフォードです。私もルイーザ姫に求婚の申し込みをしに参りました」

俺の横でジェームスもひざまずく

「嘘だろう…アルタリアの王子とリバティの王子だって…」

「敵うわけないよ…」

「無理無理!」

今までルイーザに群がっていた連中は俺達の姿を見て後ずさり、早々と会場を出て行った

「狙い通り~♪」

俺がジェームスにウィンクすると、奴も仕方なく苦笑する

「さて、姫。求婚者は2名になりましたが、どちらをお選び頂けますか?」

「そんなの…!」

ルイーザはドレスの裾を持って段を駆け下りて来た

「ギル…っ!」

飛びつく彼女を俺は思いっきり抱きしめた

「迎えに来たよ!お嫁においで!」

「はいっ!」

俺達は人目もはばからず何度もキスをした

「あ~あ、振られた振られた」

棒読みのようにジェームスが隣でぼやく

「とんだ出来レースだな」

ジェームスは大げさにため息をつきながら、ルイーザの父親の方に向いた

「貴公の令嬢、ルイーザ姫と、アルタリア王国ギルベルト王子の婚約をこのリバティ王国王子ジェームスがしかと見届け、証人となるが…異議はあるか?」

弱冠ハタチで迫力満点だよねジェームス君ってば

ルイーザの父親は真っ青になったり、真っ赤になったりして、何度か頷いた後、沫をふいて倒れちゃった

「まじっ?!」

「お父様っ!?」

慌てる俺達の横で

「正式な申し込みはまた後日だな…」

とジェームスは冷静に呟いていた…らしい

こうして俺とルイーザは18と16という若さで結婚したのだった

・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡

「だぁかぁらぁ~!」

私の前でロベルトが頬を膨らませている

「父さんと母さんの馴れそめが聞けたのは嬉しいけど!」

じゃあ、いいじゃないか

私は手にしたカップの紅茶を飲み干すと、カウンターの上に並べてあるルイーザの写真を手に取る

相変わらずどの角度から見ても可愛い

「出逢ってから1ヶ月もしないで婚約だからなぁ~我ながら実に頑張った」

「それって後半はリバティの国王様のおかげじゃん!普通、そんな茶番のためだけに王室の礼服着てアルタリアの辺鄙な小島まで来てくれないよ!少なくともキースは絶対来ない!」

「それは私とお前の人徳の違いだろう」

「う~…」

またロベルトはむくれる

この仕草はルイーザに似ている

くりんくりんの猫の瞳もロベルトは受け継いでくれた

できれば姫も欲しかったなぁ…

「俺はさぁ、どうして執事にアルを選んだのって聞きに来たんだよ!それがなんで父さんと母さんの出逢いから聞かされなきゃいけないのさ」

こいつは、アルベルトが厳し過ぎるのが不満らしい

もっと優しい、エドちゃんちのルイスみたいな執事がいい!!とか言う

アルベルトじゃなければお前の面倒は見れないと思うがな

「お前に教育係をと思った時に候補は他にもいっぱいいたぞ」

「そうなの?」

「けど、ルイーザが書類選考の時に『ギル!見て!アルがいたわ!』って」

「へ?」

「あの白鳥のアルに似てるって言い出したんだ。ほら、名前もアルベルトだし」

「そんな理由?!」

「重要な理由だぞ?私とルイーザの出逢いのきっかけを作ってくれたアルだからな」

あの後…

白鳥のアルはケガも完治して、春が来る頃にはつがいの彼女と共に飛び立って行った

そして数年後

ロベルトが生まれる時、ルイーザはかなり難産だった

ずっと痛みに耐えていた時、庭の池に2羽の白鳥が降り立った

片方の白鳥の首にはかなりぼろぼろになったレースと蝶ネクタイが付いていた

アルが新しい命とまた絆を結ぼうとしてくれている

ルイーザはその姿から力をもらってロベルトを無事産んだのだ

「だからお前の執事はアルベルトしかいない」

「なんか意味が違うし!」

とか言いながらアルベルトがいないと寂しがるくせに

面倒くさい息子だ

私はカウンターの上の写真をまた眺める

ルイーザとの思い出がいっぱいだ

その中にポツンと1つ

ぼろぼろになった蝶ネクタイが引き出しの中に入っている

これは…

ルイーザがこの世を去った時

庭の池に浮かんでいたものだった

私達を結びつけてくれた白鳥はちゃんとルイーザを天国まで連れて行ってくれたんだ

「また…プロポーズしに行くか」

何年先かわからないが、また君の前にひざまずきに行くよ

今度は一人で…

白鳥



🍀END🍀
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Category - 番外編☆国王編☆

2 Comments

chika  

途中まで書きかけて…続かなかった。:゚(;´∩`;)゚:。

でも書きたいの!

思いついたら書くね!

2015/10/01 (Thu) 21:58 | REPLY |   

あや  

パパのロマンスいいですね✨
照れ臭いけど、素敵で可愛いです。キースパパのロマンスも知りたい~。ロベルトパパが恩返しするはずですよねd(^-^)(笑)

2015/10/01 (Thu) 19:16 | REPLY |   

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