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夢恋城へ…ようこそ…

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da angel~堕天使~ウィル~2

Category - 番外編
廊下を歩いていると、外にまで聞こえる程、母上が半狂乱になって怒鳴っているのがわかった

スティーヴが見つからない事が母上を究極にまで追い込んでいたのだ

「気になさることはありません。ウィル様は次期国王様におなりになるための勉強をひたすらお続けください」

顔色一つ変えないクロードに促されて俺は帝王学を教える教師の元へ歩いていく

そう…

なりたくはなくとも負ける訳にはいかないんだ

近隣5ヶ国の王子に…

俺が必死に現実を受け入れようとしている時

同じように予想しなかった現実を受け入れようともがいている人がいた

セシルだ

スティーヴが城を出て1ヶ月近くたった頃、俺は両親と共に城を訪れていたセシルに逢った

親同士の勝手な思惑での結婚話に俺達の意見は関係ない

セシルは途中から抜け出して城の中庭で物思いに耽っていた

「決心はついたのか…?」

俺が声を掛けるとセシルはビクッと肩を跳ねさせて振り返った

「ウィル…」

「似てた?スティーヴの言い方に…」

「意地悪ね」

俺はセシルの横に座った

「私は…フィリップの王妃になるんだって小さな時から言われてきたの。それは王家に生まれて、国王になることが決められてたスティーヴと一緒だわ。職業選択の自由はないのよ」

「けどそのスティーヴは違う道を選んだ…君を捨ててね」

「……」

俺の言葉にセシルはギュッと唇を噛んだ

「君はどうする?スティーヴがいない今なら道を変えられる」

「…どこに変えられるっていうの?フィリップの王妃以外の選択を考えた事もなかった私に…どこに行けっていうの?!」

「じゃあ…このままでいればいい」

「えっ…」

「予定通りフィリップの王妃になればいいさ…国王が入れ替わっただけだ」

「……」

「それとも…俺が夫では嫌?」

俺も打算的だったと思う

セシルに少しならずとも好意はあった

どうせいずれ結婚しなくてはいけないのなら、両親が勝手に決める見ず知らずの女より彼女の方がいい…

ほんの少しでも感情を持てる

そう思っただけだ

「ウィルなら…」

絞り出すように言ったセシルも同じだろう

この先、違う道を選んで、知らない男に抱かれるくらいなら…

打算と諦めと…ほんの少しの愛情

俺達を結んでいたものはそんな今にもちぎれそうな細い糸だった

それを無理矢理太くしたかったのか…

俺達はその夜、お互いの《初めて》を差し出した

ぎこちない…
そしてこれから愛情が生まれる事を願っての切ない抱擁

初めて抱いた女性は細くてか弱くて、噛み締めるように涙を流す人だった



日々を重ねるうちにセシルは《フィリップ王国次期王妃》の風格を身につけていく

マスコミに2人揃って出ることも増え、セシルはフィリップ国民に自然と認知されていく



そんな時に出逢ってしまったんだ

ノエルに…


~つづく~
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