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da angel~堕天使~ウィル~4

Category - 番外編
クロードから報告を受けてすぐに応接室に駆け込んだ

そこには平然と微笑むスティーヴの姿があった

「スティーヴ!」

「やぁ、ウィル。元気そうでなによりだ」

「な、なにがなによりだだっ!」

詰め寄る俺をクロードがやんわりと止める

母上は涙を流しながらただただ喜ぶだけで、責める事もしない

スティーヴは父上と話しがしたいというので俺は席を外した

後から聞けば…要は金だ

スティーヴ個人の資産というなら一生困らないだけの財産はある

しかし、それは土地や建物などの所有株が大部分を占め、現金化するにはスペンサー家の許可がいるのだ

「金がないという事は裏で手を引く人間もいないという事だろう?」

クロードに聞くが

「どうでしょうか?」

と曖昧に微笑むだけだった

兄貴は…セシルの事をどう思っているのだろう

嫌いだったわけはない

ずっと仲が良かった

結婚するものと誰もが思っていた

…本人達もだ

父上達との話し合いが終わったらしいと聞き、俺はスティーヴに逢いに行った

けれどそこには先客がいた

セシルとスティーヴは誰も居ない中庭で抱き合っていた

「…やっぱり私は…」

「ダメだよ、セシル…君はもうウィルの婚約者だ」

そういいながらも2人は離れる様子はない

2人は愛し合っていた

俺に抱かれるのとは意味が違う

身分も財産も失った男と
義理だけで愛のない生活を選んだ女

それでも…

俺は暗闇を歩きながらも、いつか足元が崩れるのをわかっていて進み続けている自分の姿を上から冷めた目で見ていた



「どうかしたの?」

俺の部屋に入ってきたノエルは俺の顔を見るなり心配そうに駆け寄ってきた

俺は…

セシルを抱く時は彼女を来賓用の部屋に泊め、俺が行っていた

だがノエルは俺の部屋に入れていた

なぜだろう

ノエルには出会った時から俺の私物に触れる事も、執務室や部屋に入る事も許していた

ノエルは俺に近づき、そっと前髪を払って髪を撫でた

「ウィル…泣きそうな顔をしてる」

「そう…?」

「理由は…言いたくなかったら言わなくていいけど…」

気を遣わせちゃったね

「泣いてもいいよ…」

ありがとう…

いつしか俺はノエルの膝枕で息を吸っていた

ようやく吸えた…澄んだ空気…

俺が生きていけるのは君のそばでしかいない…

やっと気が付いた

俺は手を伸ばして

初めてノエルにキスをした



それから大変だった

セシルとの婚約を解消

愛し合う者同士が結ばれるのが何よりの幸せだろう

セシルはスティーヴと共に歩むように俺から突き放した形を取った

当然国王、王妃からもセシルの両親からも非難を浴びた

それを俺は

「ノエルを愛したから」

と突っぱねた

国民からも公認だったセシルを捨て、全く無名でただの一庶民であるノエルを次期王妃にすると正式に発表すると国中が賛否両論に沸きかえった

優秀な次期王妃を捨てたバカな王子と

略奪した身の程知らずの庶民の娘

それが俺とノエルに浴びせられた当初のイメージだった

けれどそれでいい

これは俺とノエルが話し合って決めた事だった

セシルとスティーヴが世間を敵に回したら生きていけないが俺達なら耐えていける

この先の仕事ぶりでいくらでも挽回できる

ノエルにはかなり高いノルマを課してしまう事になるが、それも優しい彼女はセシルの為に受けてくれた

「大丈夫!ウィルがそばにいてくれるならなんだって耐えれるから」

健気に笑顔を見せるノエルを俺は強く強く抱きしめた

こんなにも愛おしいと思える気持ちを俺は持てるんだ…

胸が熱くなって、切なさで痛くなって、泣きたいほど彼女が好きだと大声で叫びたい

初めてノエルを抱いた時、もっと抱きたいと思った

もっともっと抱きしめたいと思った

彼女に背中を向けて寝るなんてあり得ない

俺の腕の中で眠るその可愛い顔をずっと見ていたい

愛おしくて愛おしくて…仕方がない

朝が来なければいいと真剣に思った

ノエルを連れて逃げてしまいたいほどに…




ようやく、俺は足が地面についた

崩れない強固な大地に俺は立っている

天から落とされた堕天使はやっと安住の地を手に入れた

今日もノエルはクロードに怒られ怒られ…

それでも笑顔を絶やさずにプリンセス修行を続けている

俺も今よりもっとフィリップ国民が裕福で幸せになれるように公務に励む

一歩ずつ確実に俺とノエルの事が国民に認められればいい

フィリップ王国の歴史の中で一番深い絆で結ばれた国王と王妃だと言われるように…

子孫に誇れるように…


🍀END🍀
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