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夢恋城へ…ようこそ…

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Inherited jewel~受け継がれる宝石~リバティ国王~3~

初めてシェリルをエスコートしてミッシェル城へと向かった

「へぇ~…ほぉ~…ふぅん~…」

ギルベルトが興味津々と俺とシェリルが踊る回りをルイーザと踊りながら何度も通り過ぎる

「…アイツ…っ!」

俺が睨むと、意外にもシェリルがクスッと笑った

「仲がよろしいんですね」

「まぁ…一番腹を割って話せる親友かな」

「男性同士仲がいいのはいいことですわ」

「…そっちの趣味はないんだが…」

俺がちょっとへこむとシェリルは楽しそうに笑った

「女性にモテる男性よりも、男性に好かれる男性の方が素敵だと思います」

「その言い方も聞きようによっては誤解を生みそうだ」

「あら!そうかしら」

シェリルは深いグリーンの瞳を見開いて、それからまたクスクスと笑った

彼女はこんなに笑う女性だったのか

いつもリチャードの横で静かに微笑んでいて、ある意味貫禄があったのだけれど

今は普通に20才の女性だ

それは俺に男としての魅力がないからだろうか

いつも自信に満ちあふれ、自分を中心に地球は回っていると

いや、回していると言い放つ父とほど遠い俺は…

「君は…ショックじゃなかったのか?」

何を聞いているんだ、俺は…

「リチャード様の事ですか?」

シェリルはキョトンとしたあと、思わず目を逸らしてしまった俺に真っ直ぐ笑みを向けた

「いいえ、ご婚約されたアンジェリーナ様は昔からお付き合いされている方で、私も姉のようにお慕いしていた方です。正式にご結婚されて嬉しいです」

「…そう言うものなのか?共にリチャードの妻の座を争っているのかと」

「世間的には…」

シェリルはふふっと笑った

「アンジェリーナ様がパーティーに出席されない時は私がアンジェリーナ様に頼まれて、リチャード様とパーティーに出させて頂いておりました。他の女性が近づかないように」

「…そういう事だったのか?」

ふぅぅ~と肩から力が抜ける

我ながら単純だ

「それで言えばジェームス様も決まった方がおられるのですか?女性嫌いだとの噂が流れていますけれど、そうですの?それともアンジェリーナ様のように他の女性を遠ざける為に…」

「ち、違う!断じて違う!…いや、そう言うとめちゃくちゃ女好きに思われるか?そうではないし、その…人並みに…」

慌てて否定すればするほどおかしくなる

「ぶっ!はははは!」

もはやギルベルトは我慢の限界だったのか俺達の隣に来て大爆笑し始めた

「シェリル!大丈夫だよ~こいつはぶきっちょなだけだから♪ずっと2年前から一人の姫しか眼中にないんだから」

ギルっ…!

「あら!やっぱり意中の女性が…」

「そうそう!その大好きな彼女が他の男の物にならなくって心底ほっとしてるとこ!まさに今!」

「えっ…?」

唖然とするシェリルと

もはや頭の中が台風の渦の真っ只中のような俺

「じゃあねぇ~頑張って!ジェームスくん♪」

…っ!!

ギルベルトは同じく肩を震わすルイーザの手を引いてまた踊りの輪の中に入っていった

「はぁ…」

もはやため息しか出ない俺は人混みを抜けてバルコニーに突っ伏した

「情けない男だと失望するか?自国の次期国王がこれでは将来も不安だろう…」

「いいえ」

俺の横でシェリルは全く動じる事なく微笑み続けた

「私は女性を代わる代わる取り換えたり、浮気をする男性程、信じるに値しないものだと思っております。英雄色を好むなど…英雄であっても男性として尊敬できません」

…父上が聞いたら怒るだろうか

けれどこれでシェリルが父上のアプローチに応える可能性は消えたな

些細な事で喜びを感じている自分に笑ってしまいそうになる

「あの…ジェームス様」

シェリルが遠慮がちに後ろから声をかけてくる

「さっき、ギルベルト様が仰ったこと…」

ギルが言った事?


《シェリル!大丈夫だよ~こいつはぶきっちょなだけだから♪ずっと2年前から一人の姫しか眼中にないんだから》

《その大好きな彼女が他の男の物にならなくって心底ほっとしてるとこ!まさに今!》

「…っ!!!」

一気に顔が熱くなる

まさに火が出そうとはこの事だ!

「あっ…!いや!それはその…!」

「素直にお受けしていいお言葉ですか?」

「…えっ…」

えっと…

なんだって…?

「私はおもてになる男性よりも一途に私を大切にして下さる方に恋をしたいと思っております。だから…」

「ちょっ…!ちょっと待ってくれ!」

これ以上彼女に言わせてしまっては男が廃る!

俺は大きく息を吸って、ゆっくりとシェリルの前でひざまずいた

「2年前、初めて貴女を見たあの日からずっとこの恋心を秘めて参りました。リチャード王子の想い人に横恋慕するのは国政に関わると…。ですがその壁が取り除かれた今…」

俺はシェリルの手を取って彼女を見上げた

もう、瞳を逸らしたりしない

「私と結婚を前提としてお付き合いしていただけますか?」

一世一代の勇気を振り絞って俺は言い切った

「…はい」

シェリルは優雅に肯いてくれた

俺は手が震えそうになるのを抑えながら

そっと彼女の手の甲にキスをした


・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。

「お婆ちゃま、これ誰?」

「まぁ、どこから持って来たの?懐かしいわね」

あれから30年近く経ったのか

シェリルと付き合い、1年ほどで結婚した

プリンセス修行も生まれながら深窓の令嬢だった彼女には難しい事はなにもなく、すんなりと結婚できた

すでにオリエンス以外の国に跡取りの王子が生まれていたために、ゆっくり夫婦2人で過ごす事もできないまま、あっという間にキースが生まれ…

無事キースが成長し、国王の座につき

私とシェリルは遅まきながら夫婦水入らずで過ごそうと思っていたのだが…

「ねぇねぇ、お婆ちゃま!これお爺ちゃま?」

キースの息子2人が今日も入り浸る

キース以上に父上にそっくりな金髪、金色の瞳を持つルディス

わんぱくで人懐っこい、天真爛漫なマックス

毎日が子守だ…

「そうよ!お爺ちゃま格好いいでしょう?お婆ちゃまは最初っから格好いいと思っていたのよ」

シェリルはまだ婚約前の私達の写真を孫達に見せて笑っている

「お婆ちゃま、綺麗だね」

「お婆ちゃまは綺麗より可愛いぞ」

「まぁ!なんていい子達かしら!」

シェリルは両手にルディスとマックスを抱き締めて双方に頬ずりをする

若い時は公務、公務と仕事に追われ

キースとキャシーの世話は乳母やメイドに任せるしかなかった

その悔しさをシェリルは今になって取り戻して生き生きと子育てを謳歌している

早くに結婚してよかった

まだまだ孫達と遊べるだけの体力があるからな

「ジェームス様、シェリル様」

ドアが開いてアレックが顔を覗かせた

「キース様と瑠璃様がお戻りになられましたよ」

その声で私はすぐに部屋を飛び出した

今日はキースの3人目の子供が生まれて初めて城に帰って来るのだ

今度はプリンセスだ!

「もう!ジェームスったら先に行ったらずるいわ!」

「僕が1番~!」

「僕も1番~!」

ルディスとマックスが私達を追い抜いて走って行く

なんだろう…この高揚感

キャシーが生まれた時以来の心のざわつきだ

もちろん王子も可愛い

けれど王女は別格だろう!

「初めましてお爺ちゃま…って」

瑠璃が小さな小さな女の子をそっと見せてくれた

「あら!私の赤ちゃんの時と似てるわ!」

シェリルは満面の笑顔で早速受け取って抱いている

…ずるい

…けれど言えない

シェリルの肩越しにのぞき込むと

生まれたてとは思えない整った顔のプリンセスがすやすやと眠っていた

「父上…顔面が崩壊しています」

キースが苦笑しているが、こればかりはどうしようもできない

「アリス…だったな」

既に決まっていた名前を呼んで小さな手に触れた

「元気に育てよ、そして美しく…な」

叔母上、シェリルに続くリバティの宝石になれ

そう願いながら柔らかい頬に指をつんっとつけた

3年後…

アリスはプリンセスであることを隠して子役のモデルとして雑誌の表紙を飾る事となる

3才にしてリバティ最大最強の天使の宝石と呼ばれ始めた

私が魅了された18才のシェリルの面影をアリスは3才にして醸し出しているのだ

将来が楽しみだ

…爺バカかもしれないが

私は父上やキースのように頂上に立って両手を広げて眩しい光を全身に浴びながら、国民からの拍手喝采を受けることで力を発揮するタイプではない

じっくりと地に根を張り、もれなく日光浴を楽しむ性格だ

それで平和が保てるなら何も問題ない

けれど不思議と、眩いまでの宝石が身の回りに寄り添ってくれる

シェリルから引き継いだリバティの宝石という称号をアリスが引き継ぐ

未来永劫…リバティの宝石は曇る事なく輝くのだろう

私は幸せな国王だ…

しみじみと思いながら

今日もシェリルを孫達に取られてアレックとフレディとのんびりお茶をする



リバティがいつまでも平和であるように…


🍀END🍀
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Category - 番外編☆国王編☆

2 Comments

フレディ  

おはぎ食べぇの~スルメ食い~の

砂糖たっぷりカプチーノが至福の時ぢゃ(*^▽^*)

2015/10/10 (Sat) 12:39 | REPLY |   

アレック  

想いを告げられてからは箍がはずれたようでございましたがね‥
そうそう、ククッ‥あれはどちらの貴族でしたかな‥マッチョなご子息に熱いアピールされておりましたな‥ププッ(笑)
ほんとに、シェリル様に想いが届いてよろしゅうございましたなぁ‥(笑)

フレディ様‥おはぎの後にスルメイカとかおやめください(*_*)

2015/10/10 (Sat) 10:58 | REPLY |   

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