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scandal~桐沢洋~4

乱れた息を整えようと大きく息を吐く

ちょっとずつ汗ばんだ体も落ち着いてきた

隣を見ると洋さんは天井を見つめたまま自分の頭をクシャッと掻き上げた

「詩織…悪い」

「…どうしたの?」

そっと胸に手を置くと、洋さんは私の手を握った

「無茶しすぎた…玄関で襲うなんて俺は野獣か、犯罪者か」

「違いますよ…だって《合意》だもの」

「…まいったな」

自己嫌悪に落ち込む洋さんが可愛くなって笑ってしまった

「あのね…洋さん」

私は洋さんと手を繋いだまま彼を見上げた

そして今日部長に言われた事を伝えた

「あん?そんなの詩織には関係ねぇだろ」

「そうなんだけど…マンションの外からしか見えない人には私と舞野アナが密会してるみたいに見えるの」

「芸能人だらけのマンションなら大変な事になるな」

ははっと洋さんは笑った

「だから洋さんのマンションには…」

「大丈夫だ…何とかする」

「何とかって…」

「いいから…お前は気にせず仕事してろ」

洋さんは体を動かすと私を腕まくらしてくれた

ポンポンっと頭を撫でられて

私はそっと目を閉じた

根拠はないけど…安心という毛布に包まれている

そう思えた




翌日…

またいつものようにニュースの時間が終わった

デスクに戻ってスマホを見ると洋さんからメッセージが入っていた

「え…?」

《帰れるようになったら連絡くれ。迎えに行く》

迎えにって…

とりあえず荷物をまとめてすぐに飛び出した

エレベーターの中で返信を打つ

《今から帰ります。洋さんどこ?》

すぐに既読になった

《局のそばのコンビニでコーヒーを飲んでる》

《コンビニ?スタバとかもあるでしょう?》

《メニューがよくわからねぇ。コンビニのコーヒーは美味いぞ》

洋さんらしい…

確かにスタバで女の子の列に並んでる洋さんは想像できない

《すぐに行くよ》

そうメッセージは告げて、顔を上げれば局の玄関先に洋さんの姿があった

「おう!お疲れ」

「はい」

思わず笑顔になって近づくと、当たり前のように手を繫いでくれた

「ひ、洋さん!まだ局の前っ!」

「構わねぇ」

構わねぇって…

あっ!外回りから帰った課長が立ち尽くしてる

私の方がドキドキしてしまう

「タクシーで帰るぞ」

洋さんはそう言うとタクシーを止めて

自分のマンションの方を告げた

「昨日の北陸土産があるんだ。富山の白海老を食っちまわないとな」

洋さんはそう言って嬉しそうに笑っている

「美味しそう!何か作れるかな…かき揚げとか?」

結局定番のものが頭に浮かぶ

「自分でハードル上げなくていいぞ」

「う…」

かき揚げは美味しいけど上級者向けだもんね…

悩む私に洋さんは豪快に笑う

「他にも海鮮買って、海鮮お好み焼きとかどうだ?」

「そうね!それなら私にだってできるわ」

「そりゃ頼もしいな」

お好み焼きくらいできるもん…ってちょっと脹れながら笑ってみる

いいのかな…洋さんのマンションに行って

きっとカメラマンとかいるのに…

「じゃあ、買い出しに行くか」

洋さんはどうって事ないように近所のスーパーでタクシーを降りた

当たり前のようにカゴをカートに乗せて、私を隣にして通路を歩く

「あれって…ニュースの子じゃないの?」

「そうよ!舞野アナウンサーと噂になった子だわ!」

所々から声が聞こえる

居心地の悪さを感じて隅の方に体を寄せてしまう

「なにやってんだ。ほら、どれがいいんだ?」

洋さんは私の腰に手を回すと鮮魚コーナーを一緒に覗き込む

揺るがない姿勢

変わらない愛情深い瞳

大きな暖かい手

私はこんなの守られてるのに何をしてるんだろう…

私はにっこり笑って洋さんの手を握った


~つづく~
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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