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scandal~桐沢洋~6

夜の帳の中、街頭の明かりの下にいた人影が一斉に私達に向かって走って来た

「お?」

さすがにマスコミの攻撃力に免疫力の少ない洋さんが一瞬止まった

ここは私が頑張らないと!

…と思って一歩前に出た途端に洋さんに繋いだ手を後ろに引かれて背中に庇われた

「ひ、洋さん、私なら大丈夫よ」

「そういう訳にもいかねぇだろ…」

そう言ってちょっとだけ苦笑する

「ううん。私が隠れてたら意味がないもの」

私は背中から前に出て横に並んだ

フラッシュが瞬き、言葉を拾おうとマイクやボイスレコーダーが突き出される

「そちらの方はどなたですか?恋人ですか?」

「舞野アナウンサーじゃないんですか?」

質問が矢継ぎ早に飛んでくる

押し寄せて来る人波から洋さんはさり気なく守ってくれている

「彼は…私の恋人です」

私は真っ直ぐ前を向いて微笑んだ

ちょうど明るいニュースの始まりの時のように

「どちらの方ですか?局の方ですか?一般の方ですか!」

「彼は一般の…」

「警視庁で警部を拝命しています桐沢と申します」

洋さんは私が一般の人だからと線を引こうとしたのを遮って、警視庁の警部だと名乗った

「警視庁…警部?」

その肩書きに記者の人達は勢いを止めた

「その若さからすると…キャリアか…?」

権力に弱い面がまともに見えてしまう

「ここは私の住んでいるマンションです。彼女はそこに来てくれているだけで…まさか有名なアナウンサーが同じマンションに住んでおられるとは知りませんでした」

洋さんは堂々と記者達の顔を一人ずつ見ながら話した

私も息を落ち着かせてながら彼らに対した

「私達は芸能人ではありません。ただの公務員と会社員です。普通の男と女の付き合いをしているだけ…どうか普通に過ごさせてください」

ゆっくりと頭を下げる

「俺達は仕事柄、毎日毎日規則正しく会えるわけではありません。2人で過ごす時間は非常に貴重です。心安らぐ時間を与えてはくれないでしょうか」

言葉では下手に出ている洋さんだけれど、だんだん眼光が鋭くなっているのは職業柄だわ

記者達の腰が引けているのがわかる

喧嘩させる訳にはいかない

「あの!お刺身が入っているんです!悪くなっちゃうから失礼します!」

私はまだ言い足らなさそうな洋さんの手を引っ張って記者達の輪から抜け出した

「私達は逃げも隠れもしません。ちゃんとまっすぐに恋愛をしています」

写真を撮りたければ撮ればいい

私と洋さんはマンションの入口で彼らに写真を撮りやすいように向き直った

私が世界一大好きな人
誰にだって自慢できる最高の彼よ

「…強くなったなぁ」

洋さんはクスッと笑うとポンポンと頭を撫でてくれた

一斉にフラッシュがたかれた

赤くなる顔を抑えながら私はまた洋さんに手を引かれて、ようやくマンションの中に入ることができた

エレベーターに乗り込んで、扉が閉まった瞬間に力が抜けた

「土壇場で踏ん張るお前の強さは健在だな」

洋さんはそっと抱きしめてくれた

チン…と洋さんの住む部屋の階に着くまで…

~つづく~
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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