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scandal~桐沢洋~9

【洋’s eye】

一旦家に帰って、買ってきた白エビを冷蔵庫に入れる

俺とすれ違って会えなかった間に随分と彼女は頑張ってストックを作ってくれたようだ

カレーやシチューとか冷凍できるものは作り溜めしてくれてあった

また料理の本を見ながら作っていたんだろう

几帳面に分量をきっちり量りながら作っている姿を思い起こすとつい頬が緩む

可愛くてしかたねぇって思う自分に笑っちまう

たかが4つ年下の彼女にこんな状態なのだから

氷室は9つ年下の瀬名をどれだけ可愛がっているのかと父親目線で考える

……

やべぇ…

色々と思考が飛び散らかっている

それもこれも会えると思っていたのに会えなくなったイレギュラーに動揺しているからだろうか

…情けねぇ

はあ…と大きくため息をついた

買ってきた指輪をしまい込む

「あ…」

慌ててポケットを両手でさぐる

煙草を切らしていた事を思い出したのだ

「帰りに買おうと思っていたのに忘れてるなんてな…」

詩織の事を考えていて忘れた…なんて言い訳はしたくねぇ

さっさと買いに行くか

携帯と鍵だけを持ってまた部屋を出た

エレベーターで1階まで降りて外への自動扉に向かうと、丁度一人の男が入って来る所だった

どこかで見たような…

まぁ同じマンションなら何度かすれ違っているだろう

その程度の認識で軽く会釈だけして通り過ぎる

と、すれ違いざまに唐突に詩織の名前を呼ばれた

反射的に振り返る

その男は如才ない笑顔で俺に対した

「やっぱり…彼女の恋人でしたか」

「…あなたは」

誰だと聞きかけて思い出した

詩織とは別の局のアナウンサーだ

よく見る顔だった

「以前、彼女をこのマンションで見かけた時、正直小躍りしましたよ。例えじゃなくて本当にですよ~小躍りっていうか、バンザーイって感じ?」

ちょっとおどけたように肩をすくめたこの男はテレビでバラエティ番組に出ている時と何ら変わりはなかった

「……」

どう返していいのか

様子を伺う

「詩織ちゃんが俺の部屋に来てくれたってマジで思ったんですよ!バカでしょう?」

この笑顔は嘘なのか

演技なのか

いつしか俺は刑事の目線になっていた

「そのうちに貴方と彼女が一緒にいるところを見て現実に戻りましたから安心してください」

なにが安心なんだ

「彼女、可愛いから彼氏がいても当たり前ですからね~ただちょっと残念だったかな」

名前を思い出した

舞野…だ

俺は表情を一定にしたまま奴から視線を外さなかった

「だから、不可抗力」

「…なにがだ?」

「明日になればわかりますよ。それとも彼女から聞いてません?」

何のことかわからない

舞野はなぜか鼻歌交じりで鍵を指で回しながらエレベーターへと消えていった

俺は煙草を買うことを忘れて、すぐにタクシーを拾った

詩織に会わずにいられなかった…


~つづく~
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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