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scandal~桐沢洋~13

【洋’s eye】

2課の連中の願いが通ったのか、俺達が出るような事件は起きなかった

というか、事件自体は簡単だが事後処理がやたらと面倒くさい事件を野村は1課に押し付けた

面倒くさい分マスコミ受けがいいからと糸井課長を丸め込んだと言うべきだな

あいつなりの友情だと思ってありがたく定時に退庁させてもらった

「ボス~適度のはみだし加減にしといてくださいよ~!」

天王寺の声と共に全員のにやけ顔に送り出される

苦笑するしかないが、俺は真っ直ぐ詩織の勤め先へと向かった

途中で彼女に教えてもらったLINEを打つ

詩織がニュースを終えて気付くまでどうするか

コーヒーでも飲もうとしてスターバックスの看板が目に入るが…

外から見た限りのメニューはさっぱりわからねぇ

リザーブ コーヒープレス

クリーミー バニラ フラペチーノ with エスプレッソ ショット





何物かもわからねぇ

注文するだけで舌を咬みそうだ

ま…コンビニのコーヒーで十分だ

入れたてのコーヒーカップを持って外でタバコを咥える

平和だ…と思いながら心は晴れない

犯罪者相手とは訳が違う

詩織の会社とマスコミという生き物にどう対処するべきか

コンビニの店先で紫煙をくゆらせながら考える

考えるが…俺に策略は無理だ

ストレートに突破するしかない

これが野村ならあの手この手と裏からも手を回したり、マスコミ対策も万全にするんだろうが…俺とアイツの性格の違いに苦笑する

正攻法しか思いつかなかった

煙草を一本吸い終わり、コーヒーカップをゴミ箱に捨てた時、スマホが鳴った

詩織は今から帰れるという

じゃあ、堂々と迎えに行こう

俺は局の正面玄関までゆっくりと歩いて行った

ガラス張りの玄関ホールの壁にはこの局のドラマのポスターがずらっと並び

その中に詩織が微笑んでいるニュース番組のポスターもあった

こういうのを見ると彼女が芸能人扱いされるのもわかる気がする

だからなんだって話だけどな

「洋さん!」

出てきた彼女の手を何の迷いもなく握った

「洋さんっ…!まだ局の前っ…」

「構わねぇ」

彼女は一瞬周りの人間を気にしたが、すぐに手を握り返してきた

そのままタクシーに乗って近所のスーパーに乗り付ける

買い物用のカートを押しながら彼女と並んで歩く

「ジャガイモと玉ねぎはもうなかったよな」

「うん。カレーとかシチューとか、ポテトサラダとか、ポテトグラタンとかに使ったかな…あらっ!私ジャガイモばっかり使ってる!」

冷蔵庫の中のストックは確かにそんなレパートリーだったなと思い出してつい頬が緩む

「もっといろんな料理覚えなきゃ…」

真剣に悩む詩織の頭をポンと撫でる

「家庭の味が落ち着くんだ。変に凝らなくていいぞ」

「本当?」

「ああ。なんとかのなんとか添えとか、なんとか風なんとか…とかわかんねぇしな」

「なんとかって何?」

詩織は可笑しそうにクスクスと笑った

まわりでコソコソ話している雰囲気は感じたが、俺達が気にする必要はない

俺達は堂々と手を繋いで買い物を続けた

最初は戸惑い気味だった詩織もいつしか自然と俺に寄り添っていた

カートを押す俺の手の横に詩織の手が並ぶ

互いの左手の指に同じ指輪がはめられている様子が浮かんで

勝手に照れた…

いつかそんな日が来るのを俺は願っているんだと、少し斜め上から冷静に見ている俺がいる

そしてカートがベビーカーに変わる…

そんな日が遠くない

未来を想像すれば必ず隣に彼女がいる

当たり前の風景の中に恋人としての彼女、母親としての彼女が何の違和感もなく存在する

「洋さんが…好き」

照れながら言う詩織の唇を構わず奪う

人前だろうが構わねぇ…

「私の口紅が付いちゃった!」

慌てて唇を拭いてくれる姿も愛おしいくてしょうがない

部下に知られたら呆れられるか

初めて恋を知った中学生と変わらねぇな

「おうち着いたらリップだけ取るね…」

だからもっとキスして…

腕にしがみつく詩織を今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られながら家路を急ぐ

その俺達の目の前に多くのフラッシュが向かってきた

~つづく~
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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