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scandal~桐沢洋~14

【洋’s eye】

記者に囲まれたり追われるのは初めてじゃない

世間を騒がせているような事件で警察が発表を渋っているような時には新聞記者やテレビ局から突然質問攻めに合うことはある

だが報道とは別のゴシップ担当の記者に向かってこられるのは初めてだった

○○は容疑者ですか?!

△□は共犯と警察は見てますか?!

※※議員が関与してるって本当ですか?!

桐沢課長!教えてくださいよ!

…という囲まれ方はよくあるんだが

「あなた誰ですか?」

「ご関係は?」

は初めてだ

咄嗟に詩織を後ろに庇ったが、気丈にもあいつは一歩前に出た

「彼は私の恋人です!」

堂々と言い放ち、爆竹のように焚かれまくるフラッシュにも動じないで微笑みを返している

こいつは…

優しげで、甘え上手に見られがちな外見だが、実はかなり男まさりだ

瀬名程じゃないが…

折れそうで最後の皮一枚が切れない

そこを切り落とそうとする間に新しい芽を出してくる

意外と…しぶとい

そのギャップにやられたのかとからかわれたら頷くしかねぇ

「どちらの方ですか?局の方ですか?一般の方ですか!」

相変わらず記者連中は食らいついてくる

「彼は一般の…」

「警視庁で警部を拝命しています桐沢と申します」

詩織は曖昧にしようとしたが、俺はそれを制して思わず名乗っていた

警視庁の警部と聞いて奴らは一瞬怯んだ

「…キャリアか?」

呟く誤解もそのままにしておく

俺の年齢で警部は珍しくない

課長であることが珍しいのだが、ゴシップ担当の連中にはその辺りの階級や役職の連携が理解できてはいない

20代で警部イコールキャリアと思うのは勝手にすればいい

「キャリアは…まずいな」

どこからか聞こえてくる声は俺を誤解して尻込みを始めている奴だろう

つくづく権力に弱い生き物だ

「あのっ…桐沢課長!」

一人の男が前に出てきた

俺を課長と知っているのか?

「以前、連続警察官殺傷事件の時に担当させてもらいました!」

言われてみれば見たことがある顔だった

「あの時、桐沢課長が本部長となって事件を早急に解決されたと記憶しています」

ミナコーが殺された事件の時だ

俺が本部長に任命されて最初の被害者が水瀬だった

苦い思い出が脳裏をかすめていく

「あれから部署換えになって報道から外れちゃったんですけど、また桐沢課長に会えるなんて光栄です!」

記者は顔を紅潮させて微笑んだ

裏はない…と直感で感じた

「俺は逃げも隠れもしねぇよ。取材したければちゃんとした正確な情報を取りに来い」

「はい!」

報道するのであれば大きな事件もちっぽけなゴシップも一緒だ

どちらも真実を伝えるべきだ

ついてもいい嘘は被害者を守る時だけだ

俺がそう言うと記者は大きく肯いた

俺は後ろにいる連中に目を向けた

「ここは私の住んでいるマンションです。彼女はそこに来てくれているだけです。まさか有名なアナウンサーが同じマンションに住んでおられるとは知りませんでした」

記者達の顔を一人ずつ見回す

横にいた詩織も少し息を吸ってから顔を上げた

「私達は芸能人ではありません。ただの公務員と会社員です。普通の男と女の付き合いをしているだけ…どうか普通に過ごさせてください」

ゆっくりと頭を下げる

「俺達は仕事柄、毎日毎日規則正しく会えるわけではありません。2人で過ごす時間は非常に貴重です。心安らぐ時間を与えてはくれないでしょうか」

丁寧に頼んでいるつもりだが、つい目つきがきつくなっているのか

さっきの記者以外の連中の腰が引けているのがわかる

だめだなぁ~

こういうとことは野村を見習うべきか

「あの!お刺身が入っているんです!悪くなっちゃうから失礼します!」

ピリついた空気を感じたのか詩織は俺の腕を引っ張った

「私達は逃げも隠れもしません。ちゃんとまっすぐに恋愛をしています」

詩織の声に俺達は記者達の正面に立った

写真を撮りたければ撮ればいい

俺の横で逃げる事も縋る事もなく詩織は胸を張って微笑んでいる

「強くなったなぁ…」

家族の突然の死に直面し、1人で生きてきた彼女の強さには敬服する

尊敬と愛おしさが絶妙に混ざり合う

俺は思わず頭を撫でていた

「また…子供扱いする」

恥ずかしそうに拗ねる彼女に一斉にフラッシュがたかれる

「俺、詩織さんのファンだったんです。よかったぁ~舞野アナじゃなくて。ましてや桐沢課長ならファンとして素直に嬉しいです」

元報道の記者はそう言ってから他の記者の方を向いた

「この人達は誤魔化したり逃げたり、嘘をついたりしない!だから今日はもう終わりにしよう!十分話は聞けただろう?」

その言葉に他の記者連中も構えていたカメラを下ろした

詩織のほぉっ…と息を吐く音が聞こえる

俺は言ってくれた記者にそっと目礼すると、彼もニッと笑った

どことなく天王寺に似ているなと思うと勝手に頬が緩んだ




…そんなにはみ出してねぇよな?


~つづく~


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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

2 Comments

chika  

予想以上に話が長くなっちゃった(笑)
私の悪いクセねぇ~

豊さんの話もガッツリ書きたいと思っております(≧∇≦)b

2015/11/08 (Sun) 19:48 | REPLY |   

ちこりん  

『どこてなく天王寺に似ていた』………
豊さぁぁぁん…

2ndシーズン、ボス×詩織ちゃんカップル大好きです(≧▼≦)
支持率高いの、解ります!!キュン度がハンパない!!

私の場合は、豊サンが一番ですが…( ̄▽ ̄;)

更新、楽しみにしてます!!

2015/11/07 (Sat) 23:49 | REPLY |   

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