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scandal~桐沢洋~20

すごく細かい細工の指輪だった

華奢だけど重みがあるからプラチナかしら

シルバーじゃないわ

綺麗に磨かれている部分と艶消しの部分との調和が凄くいい

そのデザインを壊さないように真ん中に輝く石が乗っていた

本物のダイヤかしら…

CZ(キュービックジルコニア)かな…

プラチナでダイヤだったら高価な指輪よね

それがどうして私のエプロンのポケットなんかに…

「目付きがリポーターになってるぞ」

しげしげと指輪に見入る私に洋さんは苦笑交じりにため息をついた

「前にお前が番組の中で随分と興味を持っていた職人に作ってもらった」

「えっと…北陸の?」

洋さんが私の為に買ってくれたの?

「ああ。いいタイミングで出張があったしな」

「よく覚えてたわね!あれって…付き合う前よ?」

なのに覚えていてくれた?

確かオーダーメイドのお店じゃ…

「まぁ…そういうこった」

照れくさそうに洋さんは頭をかいた

「…はめていいか?」

「…はい」

指輪が洋さんの手に渡って…

私はどの手を出そうかと迷った

右?左?

その時になってようやく初めて指輪の意味に気付いた

《2人並ぶには狭いよなぁ…もう少し広い方がいいな》

そう言った言葉の意味も…

私って…鈍感過ぎる!

立ち尽くす私の左手を洋さんは握った

「…その前にちゃんと言わねぇとな」

優しく洋さんが微笑んだ

その瞳が一途に私を見つめていてくれた

「詩織…」

「はい…」

「俺と結婚してくれるか?」

ストレートな言葉に咄嗟に返事ができなかった

「確かに世間は俺とお前の交際に裏があるんじゃないかと勘ぐるかもしれねぇ。けど、そんなのは微塵もない。あるのはただお前が好きだという感情だけだ」

私の手を握っている洋さんの手が熱い

きっと私も…

「刑事の妻なんて普通のサラリーマンよりずっと苦労かけちまうだろうが…」

もう洋さんの顔が涙で滲んで見られない

ぽろぽろ涙が落ちてきて、言葉も喉が詰まって出てこない

「それでもいいと思ってくれるなら…受け取ってくれ」

洋さんのちょっと遠慮したような声に私は大きく頷いた

「ずっと…一緒に…いたい…苦労したって」

途切れ途切れにようやく言葉が出てくる

ほっと洋さんが息を吐いたのがわかった

そしてゆっくりと左手の薬指に指輪がはめられた

ぴったりのサイズの…世界で一つだけの指輪

その指輪からぽかぽかと暖かさが伝わってくる

私はこの人と一生一緒に生きていけるのね

この人の隣にずっとずっといられるのね

いていいんだ…

「当たり前だろ」

洋さんは私の頬を撫でて涙を拭いてくれた

私、子供みたい

こんなのでちゃんと奥さんになれるのかしら

子供みたいな奥さんって言う相反する言葉に頭が混乱する

奥さん…結婚…家庭…私のだんな様…

ありふれているけど1つ1つの重い単語が混乱した頭から胸に降りてくる

温かい…

洋さんがまばたきしたらこぼれ落ちた涙を唇で吸い取ってくれた

そのまま強く抱きしめられる

「…愛してる」

「うん…」

「死ぬまで言い続けてやるから…嫌がるなよ」

「うん…」

「うん以外はないのか?」

「私も一生かけて言うもん…」

「そうか…楽しみだな」

洋さんは愛おしそうに何度も何度も髪を撫でてくれた

こんな幸せな生活が一生続くのね

見上げた先にある優しすぎる瞳

暖かい陽だまりのような大きな腕に抱かれて…

ゆっくりと目を閉じると甘い甘い唇がそっと重なってきた




しばらくして、私達は新しいマンションを探し始めた

2人で立っても余裕のある広いキッチンと、洋さんの部下の人達が集まっても大丈夫なリビングと大きなベランダがあって

そして、いつか増えるだろう家族のお部屋もある私達の新居を…

それと有名人がいないマンションね



🍀END🍀

※After storyにつづく
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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