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夢恋城へ…ようこそ…

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クリスマスを貴方と…3

Category - 番外編
王妃様に言われたものの、キースに言い出す事はできなかった

元々、あれが欲しいとか無いし

「あ~…疲れたぁ」

帰って来るなりキースはソファに倒れ込んだ

「寝ちゃだめよ!シャワーくらい浴びてこないと…」

「ん…」

半分寝始めているキースのネクタイを緩めてあげるくらいしかできない

「5分…だけ」

ごそごそとキースは体を動かすと、コトン…と私の膝に頭を乗せた

「ああ…瑠璃だ…」

小さく笑って膝に頬をすり寄せる

そっと彼の黒髪を撫でた

気持ち良さそうな表情が実際の年齢より幼く見えた

よく考えてみたら…

キースの年齢ならまだ大学出たての新入社員だ

先輩に付いて1から社会のことや、会社のルールを学んで毎日毎日冷や汗をかきながら仕事を覚えていく頃だろう

なのにキースは7億人以上の国民を守る国王としての頂点に立とうとしている

いくら生まれてからずっと言い聞かせられながら育ってきたとはいえ、その重圧は通常の人では計り知れない

私はこの人を支えていけるのかしら…

私にそんな力はあるの?

「……」

すぅ…っと静かな寝息が聞こえた

私が彼に与えられるもの…私だけがこの人にこの安らかな寝息をもたらせているのなら…

ほんの少しでも安らいでくれるならいい

薄く口を開けて寝入るキースの顔を見つめながら、いつしか私の瞼も下りていった



翌朝気付くと私はベッドに寝かされていた

いつ?!キースが連れてきてくれたの?!

当然キースの姿は横になかった

慌てて飛び起きて隣の部屋を覗いて見る

「なんだ、起きたのか」

キースはリュークさんにスーツを肩に掛けてもらいながら首だけを私に向けた

「お前は今日、昼からだろ?ゆっくり寝ておけ」

「でも…」

「瑠璃も連日の引き継ぎで疲れてるだろ」

キースは袖を通したスーツを整えながら笑顔を見せた

余裕だな…

改めて凄いって思う

「俺は昨日の膝枕でちょっと充電できたからな」

サラッと言って…

朝の働かない頭が一気に覚めた

急に顔が熱くなる!

「今度は抱き枕で充電させてくれ」

追い打ちをかける言葉にリュークさんまで真っ赤になって横を向いた

「行ってくる」

当たり前のように指で私の顎を上げて唇を攫っていく

チュッというリップ音の後にあやすように頭を撫でられて…

洗いたてのシャンプーの香りとキースのためだけに調合された高貴なユリの香りの香水が私の胸をギュッと締め付けて苦しくさせる

体のどこかが寂しいって叫んでる

「行くぞ!リューク!」

「はっ、はいっ!」

キースはリュークさんを引き連れて颯爽と部屋を出て行った

その姿は涙が出るほど凜々しくて

誇らしくて

寂しさより私は幸せだって感じる



…お義母様

この彼の姿が私への一番のプレゼントだと言ったらお笑いになりますか?

『まだまだ甘いわね』って

呆れる王妃様の顔を思い浮かべながら、私はそっとキースの触れた唇に指を当てた


~つづく~


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