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夢恋城へ…ようこそ…

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クリスマスを貴方と…5

Category - 番外編
キースは私の手を引いて私達の部屋へと戻った

「着替えろ!出掛けるぞ」

「着替え?どこに?」

「いいから!普通の服に替えろ」

そう言うとキースは王族の衣装を脱ぎ捨てて普通の黒のVネックのセーターとスリムジーンズに着替えた

私も慌ててドレスを脱ぐと淡いピンクのセーターにミニスカート、ロングブーツ、ダウンコートの着こんだ

結いあげていた髪を下ろしてティアラを外す

下ろした髪はサイドだけ後ろで結んだ

「念のために帽子も被っておけよ」

言われるままにニット帽を被った

キースは変装用のメガネとダッフルコートの上からマフラーを巻いて顔の半分を隠す

「お前も《有名人》だから顔を隠しとけ」

キースは笑いながら私の首にもマフラーを巻いた

こうして私達はこっそりと裏口からお城を抜け出して、街中へと歩いて行ったのだ

「キース、どこに行くの?」

「決めてねぇよ」

「ん?」

珍しい…

見上げる私にキースはのんびりと笑った

「強いて言うなら普通のクリスマスデートって事だ」

普通の…?

「お前が街ん中のイルミネーションとかが見たいんじゃないかってリュークが運転手から聞いたんだよ」

あの時の…

私の為に遠回りしてくれようとした優しそうな運転手さんの丸い顔が浮かぶ

「お前の望みを運転手ごときに叶えさせてたまるか」

…何を張り合ってるの

「普通の連中はクリスマスだからパーティー仕様の服を着て喜ぶんだろうけど」

「ドレスとティアラ脱いじゃった…」

「俺達は逆だな」

ははっとキースは愉快そうに笑った

「普通の男と女のデートがお前の望みなら、それが街でイルミネーションを見る事なら、俺が叶えてやる」

キースはニヤリと笑って私に手を差し伸べた

「庶民のクリスマスデートしてやるよ」

素直じゃないんだから…

私はキースの手を取った

今年のリバティはいつもより寒い

けれどパーティー用のロンググローブを脱いだ私達は初めて素肌同士を触れ合わせてお互いの暖かさを感じた

キースの大きな手が私の手を包み込んで、そのままポケットに入れられる

中でそっと指が絡みあった

どんなに寒くても平気…

私はそのままギュッとキースにしがみつくように歩いた

大きなビルが立ち並ぶリバティの中心部は全てのビルが思い思いの電飾を施し、道路の左右の並木道の木々も色んな色で瞬いていた

「凄い…」

私の故郷とは規模が違う

「リバティがそれだけ裕福だっていう証拠だろ」

キースは自慢気に華やかな街並みを見回す

確かにみんな楽しそうに歩いている

そして私達に誰も気付いていない

「あれをみて見ろ」

キースに言われて見上げると、ビルの壁面に大きなオーロラビジョンがセットされていて、ニュースやコマーシャルを映し出している

『今日、リバティ宮殿では恒例のクリスマスパーティーが開かれ、国王陛下以下、間もなく王位を継がれると噂されるキース王子も出席し、華やかなパーティーが催されています』

ナレーションと共にパーティー会場の様子が映し出される

そこにはにこやかに談笑する国王様、王妃様、キース、そして私が映っていた

「キース、これは…」

「時差で流させているんだ。まさかパーティー会場にいるはずの王子が街中にいると思わねぇだろ?」

「用意周到ね」

「当たり前だ。せっかくのデートをぶち壊されたくないからな」

いったいいつから計画していたのか

聞きたかったけど…

「ありがとう…キース」

お礼の言葉しか出てこない

私達はずっと手を繋いだまま目的もなく、イルミネーションを楽しみながらゆっくりと歩いた

キースとこんな風に歩けるなんて…

当たり前の事ができなかったマイナスの気持ちをキースはいとも簡単にプラスにしてくれる

「俺を誰だと思ってんだよ」

相変わらずの口調でキースは見上げた私の唇をさらっと奪っていった


~つづく~

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