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夢恋城へ…ようこそ…

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それぞれの年明け~野村忠信~

どうしてああもジャンケンが弱いんだろう洋クンは…

まぁ実の所、可愛い彼女も仕事だし、自分の部下達にはちゃんと正月休みをやりたいって親心でわざと負けてるんじゃないかって勝手に思ってたりするけど…

それにしても7人いて2回で勝負がつくって神がかってる

可愛そうだから缶コーヒーだけプレゼントしてあげた

さて…俺はどうしようかな

愛しの真夜ちゃんは相変わらず《女桐沢》で…

つまりは仕事の鬼で

交通課なんて特に年末年始は忙しい

さっきもチラッと覗いたら部下達にゲキを飛ばしてた

一緒に過ごせるなんて思ってな…

バンっ!!

いきなりノックもなくドアが開いた

「……」

驚き過ぎて声が出なかった

副参事の俺の部屋にノックなしで入って来るなんて長官でもしない

それが前触れもなく勢いよく開いてズカズカ…じゃない、カツカツとヒールの音を立てて入ってくる

そして無言のままソファにバッグとコートを放り投げて

ドンっと座り込むと、苛立ちを隠すことなく髪を掻き上げた

「えっと…」

俺は目を白黒させながら、とりあえず近寄った

「その姿は帰り支度済みってことかな?」

近頃ようやくヒールを履いてくれるようになった真夜ちゃんににっこりと微笑んでみる

「……帰ります」

さっき覗いた状態だと帰れるような雰囲気じゃなかったけど?

「一緒に帰りましょうっていうお誘いと思っていいのかな?」

「飲みに連れて行ってください!飲みたいんです!ガッツリ!」

「そこは『酔った私を好きにして💓』なんて色っぽいセリフに変わらない?」

「変わりません!」

「…だよね」

それって本家桐沢が

『野村!飲みに連れていけ!おごれ!クソッタレ!』

って荒れる時と一緒じゃん

大体が上から理不尽に捜査を打ち切られた時に出るセリフだよね

てことは真夜ちゃんもかな?

俺はとりあえず彼女が思いの丈を存分に吐き出せるように、上層部が内緒話をする時に使うホテルに連れて行った

年末だから部屋が取れないなんて野暮なホテルじゃない

一見さんお断りの純和風の離れがある

まぁ、たまには女の子としっぽり座敷もいいでしょ

「…で、なにがあったのかな?」

暖かい部屋で冷えた辛口の冷酒に口をつける

ん~五臓六腑に染みるねぇ

「10日前にひき逃げ事件が起きて…昨日ようやく容疑車両が特定できたんです」

「鑑識が頑張ったねぇ」

「はい。証拠品が少なくて苦労しましたが、木村さん達が頑張ってくれて」

うんうん。優秀だね

「早速今日、容疑者が特定できました」

「めっちゃ早くない?」

「私の部下達は優秀なんです」

知ってるけど…

真夜ちゃんが指揮をするようになってから交通課の検挙率が格段に上がったもんね

今の課長が仕切ってた時なんて悲惨な状況だった

あの捜査1課よりひどかったし

「年末ですけど捜査令状と逮捕状も一緒に全部請求して、取れ次第ガサ入れする手筈だったのに…っ!」

おそらくその時点が俺が覗いた頃かな

凄く生き生きとしていた

その後かな?何かがあったのは

「いきなり水瀬課長がみえて」

ん?ラスボス知美ちゃん登場?

「この件は捜4が担当するから資料を寄こせって!」

真夜ちゃんはグビッと冷酒を一気に飲み干した

…男前だな

「水瀬課長が追ってる議員の義理の弟がその容疑者なんです」

あらま…

「『お嬢ちゃん達じゃ手に負えないから代わってあげるわ』って高笑いしてっ…!」

悪役に徹してるなぁ~

それでごっそり資料を根こそぎ持っていかれたわけだ

「ムカツクっ!」

まぁ、わかるけどね

「真夜ちゃんがタイヤ痕を見て事故の現状がすぐに思い付くように、知美ちゃんは足元だけでどの議員かわかるんだよね~それぞれのプロフェッショナルだしさ」

「わかってます!私が捜4の課長で水瀬課長が交通課の課長でも全く同じ事したと思います」

どっちも高笑いが似合うと思ってしまう俺は軽い?

頭の中でディズニーの女王様が2人で対決してる

ん?魔女かな…

「だから頭では理解してるのに腹の虫が収まらないっていうか…!ぐつぐつ煮えたぎっているんです!」

「この前、真夜ちゃんが作ってくれた味噌汁みたいだね」

「…っ!」

鍋の中で味噌汁の具材が踊りまくってたもんなぁ…

真夜ちゃんは真っ赤になって俯いている

怒ってるんだか、恥ずかしがっているんだか

面白い子だ

「でも、おかげで俺は真夜と大晦日にデートできたし」

俺はそっとテーブルの上で固く握りしめられた彼女の手を包み込み、ゆっくりと解しながら指を自分の指と絡めた

「俺は知美ちゃんに感謝したい」

親指でやんわりと手のひらを撫でる

「……」

感じない?

「こういう時、私は…どういう顔をしたらいいんですか…っ」

「俺のことが大好きって顔をして」

そしてこう言ってくれたら満点かな…

『…抱いて』

って…

俺は彼女の横に座るとそっと肩を抱き寄せた

「もう今ので仕事納めだよ…」

365日肩に力入れてたら疲れちゃうだろう

もう警部補からただの女の子に戻りなよ

ほんのり日本酒の香りのする唇を舌先で味わいながら啄んでいく

ブラウスのボタンに手をかけた俺をもう真夜は拒まなかった…

淡い間接照明の中で撓(しな)う、しなやかな身体は一種の芸術作品のようだ

無駄な肉のない引き締まった筋肉…でも女の子らしい曲線も十分にあって

それなりに経験を積んできた俺を虜にして離さない

ほら…

俺のジュニアもキツく絞められて親子共々理性を吹き飛ばす

こんなに余裕なく女の子を抱くなんて…初体験の時みたいだ

イキそうで堪えてる顔を見られたくなくて彼女の肩に顔を埋める

「ああっ…もうイって…」

「まだ、だよ…っ」

「我慢しなくていいのに…」

「それは男としてもうちょっと…」

お互い荒い息と激しい律動に悶えながら心を探り合う

「イって…そして…また何度も…して…」

ああもう…この俺を手玉に取ろうっていうの…?

「お望み通りに…しようっかな…」

手玉に取られるのもいいか…

じゃあ1回目は…

「上においで…」

俺に跨がって果てる姿を拝ませてもらおう

上下反転させた真夜はこの上なく妖艶だった

俺は彼女の腰に手を添えた…



ふう…っと煙草の煙を天井に向けて吐き出す

遠くに聞こえるシャワーの音が柄にもなく甘美に聞こえてくる

俺に乱れたあの裸体が今は熱いシャワーの滝の中にいる

こんなに感情が後を引くのも彼女以外に知らない

いい加減落ち着けっつーの

またムクムクと目覚めそうなジュニアの気を反らそうとベッドサイドにあったリモコンを適当に付けた

いきなり画面に現れた桐沢の彼女の姿に思わず煙でむせた

そして彼女がはにかみながら

『広島まで…』

と言った瞬間に洋クンの決意を知った

ああ、ついにか…

年齢的には全然問題ないんだけど、とうとう桐沢が結婚するのかと思うとなんだか感慨深い

ミナコーと知美ちゃんの時も衝撃的だったけど、まぁ2人共恋愛音痴じゃなかったしぃ

『1人先に行かないでよぉ~』

なんておちゃらけてメールを送る

俺は…焦ってないけどね

真夜以外の女性に目は行かなくなったけど、《結婚》というものに関して現実味がわかない

それは俺も彼女も仕事を愛しすぎてるからか

仕事と家庭の両立が結婚の条件だというなら俺達は不適合だろう

両立させる必要もないか…

今と変わらない生活の延長線

「何にやけてるんですか?」

いつもと違うシャンプーの香り漂う真夜が俺の横に座る

手にしたペットボトルを口にする姿が男っぽいようで、色っぽく見えちゃうのは欲目か

「ん~桐沢が彼女を実家に連れて行く決心をしたみたいだよ~」

俺はテレビの中の詩織ちゃんを紹介した

「…桐沢課長の」

なんか残念そうにしてる?

妬いちゃうよ…

「彼女は結婚しても仕事をするんでしょうか」

真夜ちゃんがじっとテレビ画面を見つめて呟く

「家に入れとはアイツからは言わないと思うよ。彼女が働きたいならやらせるし、家庭に入りたいって言えばそれを尊重する。自分のエゴを押し付けたりしない奴さ」

「…でしょうね」

「俺もそうだけど?」

「でしょうね」

「俺だと即答?」

「野村さんの方がよりわかってると思うので…」

それは桐沢より俺の事の方がわかってくれてるって解釈でいいのかな

「当たり前でしょう」

「…だよね」

って言いながらにやけてる俺

「単純…」

「褒め言葉として受け取っておくよ」

そう言いながら真夜ちゃんの肩を抱き寄せた

「人は人…俺は俺。で、真夜ちゃんは真夜ちゃん」

今こうして除夜の鐘を聞きながら愛しい女を腕に抱けている幸福を噛みしめよう

それでいい

未来は未来

今は今…

「お望み通り…何度でもいくよ…」

俺はテレビのスイッチを消すと同時にまた真夜を組み敷いた

受けて立つ…と彼女の目が言ったように思えて

彼女の足を思いっきり左右に裂いた





いい正月だなぁ…



🍀END🍀
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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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