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The parallel world of a Valentine's Day~ロベルト~9

Category - 番外編
俺は何回茫然とすればいいんだろう

ポケットの中には長女次女三女がくれたチョコレートの小さな箱が色違いで3つ

そしてソファのクッションの後ろには四女五女のちびっ子が遊んでいたクチャクチャになった空箱

この世界には存在するはずのない未来の違う生き方をしているページにだけいる俺の娘達の痕跡が生々しく目の前に存在していた

それらを手にとって立ちすくむ俺

10年後のパラレルワールドのとある1ページに突然飛ばされて、不意に戻されて…

本当なのか夢だったのかわからなくなってた

それが俺の記憶だけじゃなくて、まるで夢じゃなかったんだよと念押しするみたいに

俺の手の中に確実に5人の娘達のがいたという証拠が残されていた

俺は5人の娘達の名前を1人ずつ呼んでみた

「……っ」

不意に涙が溢れてきた

俺の…子供たち

もう逢えない…

「パパ?どちたの?いーこいーこ」

ロアが不思議そうに顔を覗き込んで、俺の頭を撫でてくれた

「ロアだけは…どの世界にもいてくれるんだね」

ぐすっと鼻を啜るとアルのため息が聞こえた

「よその世界はよその世界です。この今立っているこの世界でしか貴方は生きられないんですよ」

うん…わかってる

「ロベルト様が体験された姫が5人の世界のロベルト様は5人の王子様のいらっしゃるだろう世界を知りません。知ってどうなりますか?なにが変わりますか?だったら今ある世界を十分に堪能なさることです」

アルは哲学者か…

「これからロベルト様にはお子様が生まれるでしょう。そのお方を唯一のお子様として慈しみ、お育てください。私も全力でサポート致します」

いつになく優しいアルの微笑みに癒されてる

俺は俺って自分で言ってたのにね

「んしょ!」

ロアはテケテケと執務机に歩いていくと椅子によじ登る

「こら!」

アルが慌ててロアに駆け寄るが、その前にロアは机の上の物を持ってぽんっと飛び降りた

「ロブパパ~あげゆ♪」

ロアは俺に駆け寄ると小さな手で綺麗にラッピングされた箱を差し出した

「…これって」

『ジョシュアが来たから子供達を出して!』

俺がそう言ってルーティアとマリアが子供達を廊下に出した

その時、一番最後にいたロアが何か言いたそうに俺を振り返って…

咄嗟に机に置いていった箱だ

他のページの12才のロアが置いていった箱を、俺のページの2才のロアが持ってきた

「ママとちゅくったのぉ」

『ママと作ったの』

2才と12才のロアが重なる

「マリアはルーティア様とオリエンスに行っているはず…」

アルが首を傾げているけど俺にはわかった

これは12才のロアがマリアママと作ってくれたんだね

手の中にある包みをそっと開いてみる

そこには色々なデコレーションがしてあるハート型のチョコレートが綺麗に並んでいた

そしてメッセージカードも…

『大好きなロブパパへ
ずっと今のままのパパでいてね
いつもどんな時でもみんなパパのそばにいるよ
早く大きくなってパパのお手伝いがしたいです
         ロア』

丁寧な字で書かれたカードが入っていた

「…ありがとうロア」

違うページのお姉ちゃんのロア…

ずっと妹達を頼むね

「パパいーこいーこ♪」

俺の時代のちびっ子ロアが一生懸命頭を撫でてくれる

俺…俺なりに頑張るよ

いっぱい儲けたりできないけど、アルタリア国民が幸せだって胸を張って言える国にしたい

毎日毎日仕事に追われて未来の事なんて考える余裕はなかった

今、初めて未来の目標ができた…

「ロベルト様がロベルト様らしく生きてくだされば皆付いてきますよ…舵取りは必要ですけど」

アル…一言多いんですけど…

睨む俺にアルはにっこりと微笑んだ

いつになく優しい顔で…




あれから数年

ルーティアは立て続けに女の子を産んだ

違うページにいたおしゃまな3姉妹と「パパ~♪」しか言えなかった四女は俺のページにも生まれてきてくれた

そして5人目…

「ふっぎゃぁぁぁ!!」

特大の声を上げて生まれてきたのは男の子だった

『だぁ~♪』

そう言いながら俺に抱きついてきた末っ子が男の子になった

でもそれでいい…

これが俺のページのストーリーなんだから

「ママ~!おしめ足りてる!?」

今日もロアが廊下を走って行く

逞しいお姉ちゃんになっていくね

後でいっぱい褒めて抱きしめてあげよう

寂しい思いはさせないよ

「ロベルト様!王子様の教育係の選定に入りますよ!書類に目を通してますか!?」

小姑兼オカンのアルも健在だ

俺は慣れない国王としての仕事に埋もれながら机の中のチョコレートを一粒口にする

あの違うページの娘達が作ってくれたチョコレートを一粒ずつ何年もかけて大事に大事に食べているんだ

それももう終わり…

「パパ~!後でチョコレート持って来るね!」

新たな娘達が新たなチョコレートを持ってきてくれるんだから

俺は最後の一粒をゆっくりと口に入れた

窓から見える空は春に向かって頑張って青く輝いている

明日も明後日もアルタリアが平和でありますようにって願ってみる

そして恋人たちがいっぱいいっぱい愛情を確かめあえる日になりますように

だから俺達も

…そうルーティアに言ったら

『もうこれ以上子供産めないからっ!』

思い切り怒られた

……ちぇっ



さあ、さっさと仕事済ませて子供達と遊ぼう!




今日も明日も、どこのページのアルタリアも、スカッと晴天です!

Happy Valentine's Day!


🍀END🍀
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