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The sweet white day~キース~6

Category - 番外編
瑠璃が作った料理が所狭しとテーブルの上に並べられる

「お前一人でよくこんなに作れるな…」

コイツ一人でこの量が作れるのならうちの城のシェフはあんなにもいらねぇんじゃないか

「私達がいつも食べさせて頂いているものと、これとは手間や仕込みの時間が全然違うんですからね」

ちょっとたしなめるように言う姿が母上に似てきたのは嬉しくない…

キャシー共々影響されすぎだ

料理の味は手間暇でそんなに違うものか?

俺にはよくわからない

まぁ、もし一緒だったとしてもコイツならシェフの職を奪うような事はしないだろう

とりあえずワインセラーからワインを一本持ってくる

手際よくコルクを抜いて瑠璃に注いでやった

「今日はありがとうございます。私の好きな事をさせてくれて」

瑠璃は嬉しそうにグラスを持って小首を傾げた

俺がその仕草に弱いって知ってるのかよ…と心の中で毒突く

「普通はホワイトデーに料理を食べに連れて行くもんだけどな」

「美味しい料理はいつも頂いているから充分です。私のやりたがってる事をキースがわかってくれた事が一番のプレゼントだわ」

「…そうか」

そうだな

瑠璃はそういう女だった

「それに…間に合ってよかった」

「なにがだ?」

何の事かわからない俺に瑠璃はあの大きな窓に視線を移した

「ここは凄く夕陽が綺麗なんでしょう?前にお義母様が仰っていたのを思い出したの」

瑠璃の視線の向こうには大きな大きな夕陽が海面に着こうとしていた

そう言えば部屋の中もオレンジ色に染まっている

「キースはこの景色を見せたかったんでしょ?ありがとう」

コイツは…

景色なんか目もくれずにキッチンにこもっている事に少しならずとも苛立ちを感じていた俺はなんてガキなんだ

「…わかりゃいいんだよ」

心と裏腹な言葉を吐く俺に瑠璃はいつもの事と笑っている

軽くグラスを合わせて一口飲んだワインがいつもより柔らかく感じた

瑠璃の作った料理は本当に美味かった

確かに城じゃ出てこない料理だが、これが瑠璃が生まれ育った味かと思うと一口ごとに心が温かくなる

ゆっくりと味わいながらグラスを傾け沈んで行く夕陽に2人して魅入る

「…平和だな」

「平和ですね」

こんな時が未来永劫リバティに続けばいい

やがてオレンジ色から藍色に、そして漆黒の闇に変わっていくと、都会の光の届かない海の上には満天の星達が瞬き始めた

「凄く贅沢なホワイトデーだわ」

「そうか」

「キースと二人っきりで過ごせるホワイトデーは凄く貴重になります」

「また来年も再来年も一緒だぞ?」

「もちろん…けどいつかちっちゃなキースが膝の上に居始めるでしょう?」

いつか生まれてくる俺達の子供か

俺そっくりな小さなガキが瑠璃の膝の上を独占する姿が目に浮かぶ

冗談じゃない!

「俺の誕生日、お前の誕生日、バレンタインデーとホワイトデー、結婚記念日とクリスマスは子供は母上に預ける!」

「え?」

「ハロウィンもイースターもサンクスギビングデーも独立記念も、お前と付き合い始めた日もプロポーズした日も婚約した日も全部だ!」

「……」

瑠璃はあきれたようにポカンとしている

ふん!なにが悪いんだ!

「困った人…」

そう言って瑠璃はクスクスと笑い出した

「そんなに独占しなくてもずっとそばにいますよ」

ゆっくりもたれかかる瑠璃の肩をぎゅっと抱き寄せた

「子供が生まれて母親になっても…お義母様から王妃という肩書きをいただいても…キースと2人っきりの時はただの女性に戻っていい?」

「…当たり前だろ」

俺だってお前の前では国王でもなく、父親でもなく…1人の男でいたい

だから…

《抱きたい…》

《…抱いて》

お互いの瞳に同じ炎が灯った

カタン…とグラスをテーブルの上に置く

瑠璃が俺の首に手を回すのと

俺が腰を抱き寄せるのが同時だった

お互いが貪るように唇を求め合う

「…瑠璃…」

「キース…」

わずかな隙間から互いを呼び合う

いつしかそれも甘い吐息に変わる

脱ぎ捨てられた服がソファの下に落ちていく

誰もいない

誰も見ていない

あるのは満天の星達と部屋を照らす満月だけ

ベッドまでもたねぇ…

俺達の重なり合った影が揺れて崩れて仰け反って…

月光に曝されながら俺達はいつまでも愛し合った

ソファで
ベッドで
浴室で
またベッドで…

瑠璃の体中に俺の印を刻み込んだ

声が枯れるほど喘いで泣いてイって…

瑠璃は乱れた

そして俺も…


朝日が暗闇を裂きはじめるその時までホワイトデーの甘い夜は続いた



ああ…理性が吹き飛ぶくらい愛してる…


🍀END🍀



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