FC2ブログ

Welcome to my blog

夢恋城へ…ようこそ…

Article page

特捜×ショコラティエコラボ☆氷室センセと一吹☆1

「ふわぁぁ~…」

誰もいない大学の廊下で思いっきり伸びをした

夜勤明けの固まった体が天井に引っ張られていく

くぅ~!気持ちいい!

「さすが豪快だなぁ」

「…っ!」

人がいた!

慌てて振り返ると坂巻さんがいつもどおりの垂れ下がった笑顔を私に向けていた

「…見ちゃいました?」

「見ちゃいました~♪」

「…くれぐれも、ま…氷室先生にはご内密に…」

「大丈夫だって!氷室先生は瀬名さんがする仕草全部が好きなんだから」

「……」

それはそれで照れて困る…

「氷室先生は別講座の教授に呼ばれて行っちゃったばっかりなんだけど、急用だった?」

申し訳なさそうに坂巻さんが言ってくれる

私は全然!と大きく首を振った

「夜勤明けで帰る前に差し入れ持ってきました!今日2時から限定販売のビターショコラトリュフ春バージョン」

「さすが瀬名さん!それあそこの店だよね?」

「あそこ?」

私は手にした紙袋を目線の高さまで上げた


。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.

数ヶ月前の他の大学からの帰り道だったか…

まだ吐く息が白かった

予報では今夜雪がちらつくかもしれない…と坂巻が言っていた

明日出勤できないなら大学泊まっていこうかと言うから一応許可は出しておいた

香月は今日も遅いだろうか…

こんな冷える夜はせめて外での張り込みではない事を祈るだけだ

そんな事を思いながら歩いているとふと店の看板が目に入った

ああ…そう言えば

来たいと思っていたショコラ専門店だと気付いた

来たいと思ってはいたが…坂巻から迷子になるから一人で行くなと釘を刺されていた店だった

…今もどうやら行きたかった方向と逆な気がする

せっかく辿り着いたのなら買っていこうかと思い足を向けた

しかしもう閉店時間なのか、コックコートを着た男がメニューの書かれた黒板を片づけようとしていた

「ああ…もう終わりですか」

つい声をかけるとかなり背の高い男が申し訳なさそうに頷いた

「テイクアウトならまだ少しありますが」

「それは助かる」

多少無愛想気味だが腕がよければ何の問題もない

どうぞ…と促されて店に入ろうかというその時…

ガッシャーン!という音と共に

「一吹兄!」

叫ぶ声が聞こえた

「一吹兄さん!?」

もう一人コックコートを着た若い男が駆け抜けて行く

「どうした!?」

俺を案内していた男も駆け寄る

「仁兄!一吹兄が倒れた!」

「一吹兄さん!起きて!」

「一吹!おいっ!しっかりしろ!」

ただ事ではない声に咄嗟に駆け寄った

厨房の中では片づけようとされていたボール類が散乱し、その中にやはりコックコート着た年長の男が倒れていた

その顔色を見て一瞬でまずいと感じた

「すぐに救急車を呼べ!」

俺はそう言うと倒れている男のそばに駆け寄った

…脈がなかった

「どいてろ!」

取りすがっている連中を追い払い、すぐに心臓マッサージを始めた

「一吹!一吹!」

大きな男が叫ぶ

一吹と呼ばれた男は外傷がない

「どこか痛がっていたか?!」

俺の言葉に一番若い男が半べそをかきながら首を振る

「さっきまで笑って喋ってた…普通の一吹兄だったよぉ…」

「ずっと働き詰めだったせいか…っ!」

大きな男が半べその男の肩を支えながら唇を噛む

「救急車すぐ来るって!」

もう一人の若い男が携帯を握りしめて駆け寄ってくる

俺は引き続き心臓マッサージを続ける

戻ってこい!戻ってこい!

働き過ぎで死ぬなんでバカだぞ!

「一吹!」

「一吹兄さん!」

「一吹兄っ…!」

弟達の悲痛な叫びが聞こえているか?

遠くから救急車のサイレンが近づいて来た頃…

「うう…ふぅぅ…」

大きく一吹が息を吐いた

「もう大丈夫だ…」

俺はそっと胸から手を離した

「一吹兄ぃぃ~!」

末っ子が泣き出し

「よかったぁ…」

三男がへたり込み

「ありがとうございました!」

次男が深々と頭を下げた


~つづく~
拍手をポチッと押していただけると嬉しいです󾬏
私の明日からの活力になります┏○ペコッ


Category - 特捜×ショコラティエ コラボ

0 Comments

Post a comment