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夢恋城へ…ようこそ…

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第0章~始まり~4

Category - 第0章
もう予約してあったのか、キース様はとあるレストランに躊躇なく入っていった

恭しく頭を下げられるから身分を隠して、というわけではないみたい

「エドワード行きつけの店だ。いきなり飛び込みで入って不味かったらムカつくからな」

そこはちゃんと段取りしてくれているんだ

私の好きそうなお店だし…

「エドワード様から、大切な友人が行くから自分と同じように扱うようにとご指示頂いております」

支配人さんらしい人がそう言って案内してくれる

「エドワードと一緒…」

何か不満なのかしら

キース様の顔が引きつった

「特別室の個室でございます」

通された部屋に入るとそこには…

目にも鮮やかな薔薇が所狭しと飾られていた

右を向いても左を向いても…前も後ろも薔薇、薔薇、薔薇…

キース様の足がピタッと止まる

「想定するべきだったな…この状況」

「さすがエドワード様ですね…」

シャルルは薔薇と芸術の都

そのキャッチフレーズが間違っていないことはエドワード様ご自身にお会いする機会があってよく理解できた

シャルル城も、その庭園も薔薇尽くしだった

「ですけど、こんなに高級な薔薇に囲まれるなんて女性の夢ですよ」

「そういうものか…」

いまいち納得していないのかキース様の顔は引き攣ったままだ

リバティ城のお庭は物凄くシンプルだったものね

2人の性格は真逆なのに、なんだかんだと言っても仲がいい

「一生の思い出になります。キース様、ありがとうございます」

「…まぁな」

ようやくまんざらでもない顔をしてキース様はテーブルに付いた

やがて出てきた料理は本当に美味しかった

絶対に家庭じゃできない料理だわ

それにしても…

目の前でフォークとナイフを操るキース様の優雅な所作に見入ってしまう

さすが王子様…

「キース様って…ホットドッグをご存じなかったですよね?」

「なんだよ、唐突に」

「ん~…フォークやナイフを使わない料理をご存じないんだろうなって思っただけです」

「そんな野蛮なものは食わねぇよ」

「でもサンドウィッチは召し上がりますよね?」

「あれは特別だ!書類を見ている時に手早く食べる為だ」

「ハンバーガーは?タコスは?ドーナツとかクレープとか」

「知らねぇ」

「知らない?見たことも聞いたことも?」

「だから野蛮なものは食いたくもないし興味もない」

「…なるほど」

筋金入りのお坊ちゃまだ

「まぁ、お前が作るって言うなら食ってやってもいいぞ」

どうしてこうも上から目線でものが言えるのかしら

「またそのうちに…」

「そのうちとはなんだ!すぐに城に作りに来い!」

「すぐ?!」

「だからシャルルじゃなくてリバティに引っ越して来い!そうしたら毎日ハンバーガーとやらも食ってやる」

「もう…」

こうなると大きな駄々っ子だ

呆れながら、でも可愛いと思ってしまう自分がちょっと不思議で

反発しながらも一言一言話す度に惹かれていっている

そう自覚するのにあまり時間はかからなかった



~つづく~





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