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夢恋城へ…ようこそ…

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第0章~始まり~5

Category - 第0章
ゆっくりと食事をして

キース様はまた私を乗せて車を走らせた

山道を上がって…どこかわからないけれど急に開けた場所に出た

山の頂上らしけれど、暗闇の中にお屋敷みたいな影が月の光で照らされて

その先の開けた場所にキース様は車を止めた

「ここからシャルルの城下を見渡せる。夜景が綺麗なんだとアレックが言っていたんだ」

キース様はそう言ってハンドルにもたれて前を見つめた

「本当…凄い綺麗…」

眼下に無数の光の川が流れている

満月と小高い丘の上のシャルル城のコントラストがまるで絵本のよう

シャルルは道の作り方ですら芸術的に整えられている

機能的であるよりも美的感覚を優先している

夜景そのものが芸術作品のようだ

「シャルルの事は事前にいっぱい調べてから留学してきたけれど、こんなに夜景が綺麗なスポットは情報になかったです…」

「そりゃそうだろう。ここはアルフォード家の別荘の敷地内だ。観光客なんか入って来れねぇよ」

「別荘…?」

私は背後にそびえるお屋敷を振り返った

「先代国王の爺様がリバティを客観的に見るためとか言って造らせた。よくアレックや爺と飲みながら夢を語ってたらしい」

キース様のおじい様とアレックさんと…爺?

「リバティ城に棲み付いている妖怪みたいな宮廷医のじじいだ」

そう言ってキース様は、ははっと笑った

「爺様お気に入りの場所だったらしいが、俺の母上がこんな小さな小屋で寝泊まりなんかできないと言ってから、父上も訪れなくなったようだ」

小さな小屋って…

私の実家より倍以上大きいですけど…

「結局じじい3人の飲み会の場には丁度いい大きさらしい」

先代国王様と執事さんと宮廷医の3人の飲み会って…

意外とフレンドリーなんだ

「お前が気に入ったなら改装させる。ここならお前がシャルルにいてもゆっくりできるだろ」

「そんな!私だけの為に…!」

「お前のためでもあるが俺がそうしたいんだからいいんだ」

そんなこと言われても…

「もう少し自覚しろよ…お前はこの俺があれもしてやりたい、これもしてやりたいと思える唯一の女なんだぞ」

言葉よりもずっとずっと優しい声でキース様は呟く

キース様の気持ちはとっても嬉しい

きっと普通だったら、こんな好待遇は女の子の夢のまた夢

有頂天になっていっぱい甘えてわがまま言ってもいいのかもしれない

けれど…

キース様はいずれ、この別荘を小さいと言えるような身分の女性と結婚する

私のような庶民はここでこんな優しい時間を過ごさせて貰うだけで充分…

これ以上は後が辛い

別れる時が死ぬほど辛い…

だからもう…

「瑠璃…」

涙が出そうになって横を向いた途端にキース様は私の肩を抱き寄せた

「何度愛してると言えばわかるんだ…」

大きな腕に抱きしめられて耳元で低く囁かれる

「俺が嫌いか?」

「ううん…」

小さく首を振る

「真っ直ぐ俺だけを見てろ…」

見ていたい…

私だって…

顎を指で上げられて

抵抗するまでもなく、唇が重ねられた

啄むように…そして唇をキース様の舌がなぞっていく

ビクッと体が震えた

吐息が出そうになって開きかけた口にスルッと入ってくる

口の中でキース様の舌が私の舌を絡め取る

「…っ!」

思わずキース様の腕にしがみついた

「…初めてか…?ディープキス…」

漏れてしまう吐息の向こうに私を見つめるキース様の余裕の笑みが見える

コツンと額が当たって、お互いの鼻の頭が触れ合う

「お前の初めては全部俺のものだ…」

キース様の吐息が唇にかかって…

また深い深いキス…

そしてゆっくりとキース様の手が私の胸に触れた

優しく…触れている

「…ダメ…こんなとこじゃ…」

「ベッドの上ならいいのかよ…」

「違っ…」

「わかってる…お前がいいと言うまで無理強いはしない…」

私を大切にしてくれているのがわかる

「それまではキスだけで我慢してやる…キスだけで…感じさせてやる…」

キース様はやんわりと舌先を合わせて

ゆっくり舐めながら、時折深く…

もう…息が上がってしまいそう

「お前も…来い…」

荒くなる息が整わないままキース様は私の舌を誘導する

「俺の中に…」

大きな手で髪を撫でられ、私は朦朧としながら自分の舌をキース様の中に入れた

キース様が私にしてくれたように…そっと歯列をなぞっていく

自分の体が熱くてしかたがない

キース様の手が服の中に潜り込んで素肌に触れるけれど…もう何も抵抗できなかった

いつしかまた荒々しく互いが絡み合う

「ああ…瑠璃…」

「キース…様…ンン…」

キスだけで上り詰めていく感情

キース様の掌がブラジャーの中をゆっくりと包み込む

「…っ!あん…」

ダメ…こんな車の中っ…!

「わかってる…これ以上はしねぇよ…」

初めて知る…

これ以上しない事の辛さを…

でもきっとそれは男のキース様の方が辛いはず

私の為に我慢してくれている

私を大切に想ってくれている

私を…

「愛してる…」

唇の隙間から漏れる言葉に私はただ魔法を掛けられていく

これ以上いけない

いっちゃだめ…

もっと辛くなる…

けれど…

もっと愛して欲しい…

矛盾だらけの心でぐちゃぐちゃになりながら

私はキース様の背中にしがみついた

いつか1つに結ばれる事をどこかで望みながら…




私が乗ったバスに車が突っ込んで来たのはこの1ヶ月後だった


🍀END~第1章に続く~🍀






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Category - 第0章

1 Comments

chika  

思いのほか短かったかなとちょっと思ったけれど(笑)

エピソードを書き出すとあっという間にロングランになってしまいそう!

ポチポチ小出しにしましょう~っと(*^▽^*)

2016/05/26 (Thu) 12:18 | REPLY |   

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