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夢恋城へ…ようこそ…

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A little bird is to where~小鳥はどこへ…~ウィル~6

Category - 番外編
ディナーまでの間にスティーヴはやって来て、俺を診察していった

首を傾げるスティーヴ(先生)

「外傷もないし…」

当たり前だ

打った記憶はない

「持病もないんだろ?」

持病もないし、精密検査はミッシェル城でしっかり受けた

何の異常もない

「だったら心的ストレス障害しかないな。公務がキツかったんじゃないのか?」

スティーヴは咎めるようにそばに仕えるクロードに目をやった

「申し訳ございません。スケジュールを再度調整致します」

クロードは言葉だけは丁寧に返す

それは《医師》に対する受け答えの範囲で《元王子》への答えではない

クロードにとって王家を出た人間はただの一般人なのだろう

俺の記憶からノエルの事だけがすっぽり抜けてしまっていることは黙っておいた

スティーヴから王妃に伝わったら面倒なことになりそうなのは察しがついた

ノエルと母との間に信頼関係が築かれているのならスティーヴではなくノエルに俺を託すはずだ

けれども全く母はミッシェル城まで迎えに来たノエルに俺の容態を聞いたり、足を気遣ったりしなかった

それは…俺が記憶がないから気付いたのかもしれない

ノエルを知ろうとしている…

妻であるはずの彼女を思い出そうとしている

なのに辛い現実ばかりが見えてくる

母との関係

クロードとの関係

彼女はこのスペンサー家に嫁いできて幸せなのだろうか

俺は幸せにしていたのか?

…また金色の鳥籠に閉じこめられた小鳥が見える…

あれはノエルなのだろうか

「本日より別々のお部屋でお休みになられた方がよろしいでしょう。ノエル様のお部屋はすぐにご用意させて頂きます」

母がスティーヴと談笑している間にクロードがそっと耳打ちをしてきた

「別々…?」

ノエルが怒るよりも不安そうにクロードと俺を見上げた

「…いや、一緒でいい」

俺は淡々とそう告げる

「しかし…ご記憶のないウィル様においてノエル様は…」

「ノエルは俺のプリンセスだ。違うのか?」

俺が守らなくてどうする…

クロードが一瞬口を噤んだ

ノエルも大きな瞳を俺に向けたまま固まっている

「…夫婦だろう?」

俺はそっとノエルの手を握った

記憶はなくともその温もりと柔らかさは間違いなく体が覚えていた



~つづく~





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