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A little bird is to where~小鳥はどこへ…~ウィル~7

Category - 番外編
部屋に戻るとノエルは小さく息を吐いて、遠慮がちに繋いだままの手に目を落とした

繋いだままでいいのか

離した方がいいのか

迷っているように思える

「クロードさんが言ってた通り…」

「ん?」

俯いていたノエルが揺れる瞳を俺に向けた

「記憶のないウィルにとったら私は知らない女の子…赤の他人…です」

「……」

「やっぱり、お部屋は別の方が…」

「俺は…自分の部屋に他人を入れない」

「え?」

「執務室も寝室も入って掃除を許可したのは乳母とクロードだけだ。そうだったろう?」

「うん…私が最初にウィルに逢った時にそう言われました」

俺はプライベートなスペースを他人に乱されるのが嫌いだ

我慢できない

他人…いや、両親も兄貴もセシルも入れなかった

執務室の整理は自分でする

掃除は生まれてからずっと俺の世話をしてきた乳母と、執事のクロード以外にはさせない

けれど…

「今日帰ってきて、すぐにノエルにこの部屋まで連れて来られた」

「あっ!本当だ!ごめんなさい!」

何を今さら謝るのか

思わず頬が緩んでしまう

不思議な女の子だ

「ノエルと一緒に部屋に入って違和感が全くわかなかった。それが違和感…」

「難しい話…」

泣き笑いのように眉を下げてノエルは首をかしげる

「それは今も一緒だ。こうして手を繋いで部屋にいても何のストレスもないんだ」

つまり…一緒にいることが自然なのだろう

頭では記憶のない彼女が実は空気のようにいて当たり前の存在なのだと俺の体が答えている

「じゃあ…一緒にいていい…?」

「ああ」

一緒にいよう…

いなければいけない

「よかった…グレン様が言った通りだった。ウィルはきっと感覚で覚えてくれてるって…」

涙ぐむ彼女の肩に手を置こうとして…そのまま動けなくなった

グレン…だと?

グレンがノエルの肩に手を置いて慰めている情景が不意に浮かんだ

茶色の瞳が真っ直ぐにノエルを見つめ

ノエルの大きな瞳が縋るようにグレンを見上げている

やがて2人は…

「……っ!」

俺は…

「ウィル?!」

再び頭に激痛が走り

俺はノエルの手を振り払って頭を抑えた


~つづく~






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