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A little bird is to where~小鳥はどこへ…~ウィル~10

Category - 番外編
俺の唐突な質問にノエルはキョトンとした顔でシーツから顔を出した

「グレン様?」

質問の意味を考えるようにノエルは首を傾げる

俺は何を聞いているんだ…

嫉妬などという情けない感情に…

「グレン様なら…好きよ」

ズキッ…!

脳に針が刺さる

思わず顔をしかめるとノエルは慌てて飛び起きた

「ウィル!大丈夫?!ごめんなさい!私、変なこと言っちゃった?!」

「いや…大丈夫だよ」

『グレン様なら…好きよ』…たったそれだけの言葉がこんなにも俺にダメージを与えるのか

「ああもう!私のこう言う所がクロードさんに怒られちゃう所なんだわ!」

ノエルはベッドの上で正座をして自分の頬を両手でパチパチと叩いた

「ちゃんと空気を読んで、ちゃんと大人の受け答えを瞬時にする!…うん!考えなきゃ!」

ノエルは膝の上で拳を握り締める

その姿を頭痛を忘れて見入ってしまう

「んと…『一国の王子様に対して好きとか嫌いとかを申し上げるのは、はばかられますのでお答えできませんが、好意以上に深い尊敬の気持ちは抱かせて頂いております』…って感じ?」

真面目な顔をして、思いっきりよそ行きの顔をして言う姿と

ネグリジェのまま正座している姿のギャップにあ然としてしまう

そして思わず笑ってしまった

笑いと共に頭痛の波が引いていく

「それが大人の受け答え?」

「ん~…咄嗟に真鈴様ならどうお答えになるかと思って、なりきってみたの」

あれは真鈴の真似なのか…

確かに堅苦しいドレスヴァンの模範解答だけど…

「それはノエルじゃない…」

「私じゃない…ですね」

ノエルはあっさりと認めてペロッと舌を出した

「ノエルはノエルの言葉で喋ればいい」

それが俺の望み…

「えっと…グレン様を好きか嫌いかって聞かれたら、好きです。でもそれって、同じ感じでエドワード様もロベルト様も、ちょっと恐いけどジョシュア様もキース様も、ノンちゃんもゼンさんも好きです」

「…なぜ俺達の並びにゼンまで?」

「あっ!そうか!ゼンさんは執事さんだった!だって、王子様の並びにいても違和感ないんだもん」

そう言ってノエルはふうぅ…と息を吐いた

ゼンに関しては密かにノーブル・ミッシェルの家系に関わっているんじゃないかと思われているから俺達も一目置いている

そんな事を知らないノエルは引き続きどう説明しようか考えている

「あのね、ウィルやグレン様達は生まれてからずっと王家って言う学校にいるの」

「学校?」

「そう。ずっと一緒の王家の学校。で、私はそこに突然編入してきた学生」

「編入…」

「一般の学校から王家の学校に編入して来ちゃって、右も左も、なぁんにもわからない学生ね」

ノエルは正座したまま俺に説明する

「ウィルやエドワード様やロベルト様やジョシュア様はずっと年上の上級生で、キース様はちょっと上の、でも先輩」

「うん…」

「グレン様はたまたま同じ年だから同じクラスになった同級生…でもグレン様は最初っからの在学生で…そこに全く無知な転校生が来て、しかもおんなじように編入してきた真鈴様や瑠璃様やレイラ様みたいにできがよくないし…『大丈夫かコイツ』って気にしてくださってるって感じ」

「ふ~ん…」

そこにルーティアとミラの名前が無い事は追求しないでおこう

「だから好きって言うんじゃなくって、『ありがたいなぁ~申し訳ないなぁ~』って言う感謝の好き。…って説明でわかる?」

まぁ、なんとなく理解できた…だろうか

「一番好きな人にしか『好き』って言えないのなら…ウィルにしか言わない…です」

ノエルはゆっくりと起き上がった俺の目を真っ直ぐに見つめてはっきりとした口調でそう言い切った

「ウィルには『好き』じゃないかも…」

「……」

「えっと…えっと…『愛してる』…です」

真っ赤になってノエルはぎゅっと膝の上の手を握り締めた

愛してる…

その言葉がひび割れて痛んでいた脳に砂漠のスコールのように染みこんでいく

「だから…やきもち妬かな…!」

ノエルの言葉が終わらないうちに俺はそのか細い腕を引いて強く抱きしめていた


~つづく~






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