FC2ブログ

Welcome to my blog

夢恋城へ…ようこそ…

Article page

In where is Odette?~ロベルト~1

Category - 番外編
アルタリア城の南側の一番陽当たりが良くって見晴らしのいい部屋

それは母さんの部屋だ

俺は寂しくなったり、落ち込んだりへこんだり自己嫌悪に陥ったりすると(99.9%アルに怒られた後…)母さんの部屋によく行っていた

ルーティアと結婚してからはあんまり行かなくなったけれど、今日はなんだか廊下を歩いている間に思い出して足を向けた

執務室に戻ったって書類の山があるだけだし

しかめっ面のアルがいるだけだしぃ~

現実逃避じゃないよ

気分転換!

母さんの部屋は普段鍵が掛けてある

鍵は執務室と俺と父さんが持っている

メイドが現状維持の為に定期的に掃除してるしね

掃除したら母さんの匂いや温もりが無くなっちゃうって子供の頃俺は泣いて抗議したらしいけど、父さんとアルに説得されて嫌々承諾した…みたいだ

きちんと手入れしないと人が住まない部屋は錆びて萎れていっちゃうんだって

そんな事6才の俺にわかるわけないじゃんね

けど、いつまでも母さんの思い出を綺麗に保ちたいならしなきゃいけないんだって言われたっけ

だから20年経った今でも母さんの部屋は綺麗なまま時が止まってる

あの頃と比べてベッドが小さく感じるのは俺が大きくなったからだね

いつもベッドにいた母さん

俺はその横で一緒に並んで絵本を読んでもらってた

一緒に歌を歌ってた

勉強も教えてもらった

アルに言われても全然頭に入ってこなかった九九も、母さんと一緒だったらすぐに言えた

世界中の国旗も覚えたなぁ

俺って天才!って思ってた

無邪気なロブたんだったなぁ

…なんて思い起こしながら母さんの部屋に行くと

鍵が開いていた

掃除の時間かな?

カチャッと扉を開こうとすると

「あっ!」

と言う声がして出てくるメイドと鉢合わせになった

「ロベルト様!」

メイドは思いっきり焦ったまっ青な顔で俺に迫ってきた

「な、何?!」

「ロベルト様!無い!無いんです!」

「何がぁ?」

「オデットが!オデットがないんです!」

オデット?

メイドは震えながら部屋の中を指さした

その指先は奥にあるドレッサーを指していて…

そうだ

あそこには母さんの宝石箱が置いてあった

オデットって…オデット?!

急に記憶が蘇った

父さんと母さんが出逢ったのはアルタリアの端っこにある小さな島の保養地

療養中の母さんと都会の喧騒から脱出してきた父さんは湖で傷ついた白鳥を見つけて…出逢った

白鳥がいたから出逢って
白鳥がいたから結ばれて

だから2人はとっても白鳥が好きで大切にしてた

そんな父さんが初めての結婚記念日に母さんに贈ったのがオデット…

1.2ctのダイヤモンドで飾られた白鳥のネックレスだ



そのオデット?!

「なんでないのさ!」

俺は部屋に飛び込んでドレッサーの前にある宝石箱を開けた

「わ、わかりません!ドレッサーをお掃除しようと持ち上げたら蓋が開いてて!」

半ベソをかきながら説明するメイドの声を背中で聞きながら俺は…整然と並んでいるジュエリーの中でポツンと空いた空間を見つめていた

父さんと母さんの思い出のネックレスが…!

「すぐにアルを呼んで!」

俺の言葉にメイドは物凄いスピードで走っていった



「…で、とりあえずメイドは無実なんだね?」

アルが来て、マリアがメイドを別室に呼んで…

話した結果、どう考えてもメイドは無実だとわかった

宝石も時々空気に触れさせなきゃいけないから宝石箱を開ける時がある

それはアル立ち合いの元で行われるし、メイドはその作業を任されている優秀なベテランだ

第一、宝石箱の鍵は執務室にあって容易に持ち出せるものじゃない

それに…

「盗むならもっと高価なのがあるもんね」

当然価値も知っているだろう

オデットは確かに1.2ctの最上級のダイヤモンドがついているけれど、特別高い訳じゃない

すぐ隣にはもっと大きなピンクダイヤの指輪や

傷1つないエメラルドのイヤリングなんかも残ってる

父さんが19歳の時に17歳の母さんにあげたずっと1年目の結婚記念日プレゼントだから…そんなに高価じゃない

「ただ1つ言える事は…鍵を持ち出せる城内の人間が関わっているという事ですね」

アルが思いっきり眉間に皺を寄せている

監督不行き届きだと自分を責めているのかな

俺はそんな事ないと思うんだけど、アルってバカ真面目だし…

「とにかく城内にある防犯カメラを全部チェック致しましょう!王妃様のお部屋に出入りする者は全てピックアップ致します」

防犯カメラ?どこに?

「ロベルト様にわかるようでは防犯になりません」

「げっ!」

つまり、俺が全く気付かない所に防犯カメラが大量に仕掛けてあるって事?

「もちろん死角はございません!私が検証、指導して付けさせましたので」

…でしょうね

「城内のメイド、使用人なら全員が知っている筈です。アルの防犯カメラをかいくぐって盗みに入る事は不可能だと」

マリアが冷静に言う

どんだけ防犯カメラとかGPSとか駆使してんのさ

まぁ…俺が悪いんだけどさ

いい加減《脱走》じゃなくて《自主的城外視察》って理解して欲しいよなぁ

とにかく今はオデットを探さなきゃ!

父さんと母さんの思い出の品を盗むなんていくら温和な俺でも許さないぞ!

「昨日の掃除の時点では異常は見られていない!その直後からの全城内の監視カメラのチェックを行う!終了までメイド、使用人の帰宅を禁ずる!執務室の鍵の持ち出しのチェックも再確認しろ!」

俺より威厳のあるアルの声が廊下に響き渡った

「みんなを信じてるからね!やたらと人を疑っちゃダメだよ!」

俺がそう言うとマリアがクスッと後ろで笑った



~つづく~





拍手をポチッと押していただけると嬉しいです󾬏
私の明日からの活力になります┏○ペコッ


Category - 番外編

0 Comments

Post a comment